サンドリーヌ裁判 (ハヤカワ・ミステリ 1891)

  • 早川書房
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本棚登録 : 143
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018917

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家というわけではないのに、なぜか必ず読んでしまうクック。我ながら不思議だが、文句言いつつ手が伸びる。今回もそうだった。

    出だしは、またこれか~という思わせぶりな独白が続く。なんでいつも読んじゃうかなあ自分、と思いつつ、事の真相は何なのかという興味に引っ張られて読んでいくうちに、いつのまにか夢中になっていた。やっぱり読ませるなあ。人の気持ちのひきつけ方を知っているという感じ。

    ただ、読み終わっても釈然としないところは残る。ヒロインの心情が結局よくわからない。あまりにも芝居がかってるんじゃなかろうか。珍しく「いい話」にしちゃったラストも、うーん、どうなんだろう。ブツブツ言いつつ、きっと次作も読むだろうな。

  • 図書館の本 どくよう

    内容(「BOOK」データベースより)

    大学教授の夫が大学教授の妻を殺害?殺されたとされる史学教授のサンドリーヌ、彼女はその誠実さで誰からも慕われていた。一方、夫の英米文学教授サミュエルは、自身の知識をひけらかし周囲をいつもみくだしていた。彼は無実を訴え、証拠も状況証拠にすぎなかった。しかし町の人々の何気ない証言が、彼を不利な状況へと追い込んでゆく。やがて、公判で明らかになるサンドリーヌの「遺書」。書かれていたのはあまりに不可解な文章で…妻と夫の間に横たわる深く不可避な溝を、ミステリアスに描き出したサスペンス。

    久しぶりのトマスHクック、安定の面白さ。
    自殺か他殺か?という線ではない追い込み方が斬新なのかもしれません。
    それにしてもサンドリーヌってそばにいたらいやな女かも。
    でも男性にはもてるんだろうなぁと思うのね。
    キャロラインもアレクサンドリアもなんかなぁ。
    魅力的な女性が少ないのが残念でした。

    Sandrine's case by Thomas H Cook

  • ネタバレあり
    読後非常に心を揺さぶられた。自負していた自分の才能がそれほどでもなかった事に絶望し、周囲の人間を見下し冷たい人間となったサムが主人公。彼の妻サンドリーヌが死んだ。病気に絶望した上での自殺かと思いきや、殺人の疑いでサムが起訴される。公判が展開される中、サムはサンドリーヌとの過去を思い出しながら真実を見極めようとする。
    サンドリーヌの意図を理解したとき、サムは打ちのめされる。それほどの深い愛に何故気付けなかったのか。死をかけて夫を救おうとするサンドリーヌの姿には圧倒される。

  • 自分もそうなんだろう。

  • 退屈だった。ラストでなにかひっくり返るのかと期待してみたが、肩透かしに終わっただけ。

    リアルタイムで進む公判の合間合間を、数多くの回想シーンが埋めていく。夫婦の物語がメインなのだろうが、この家族には共感も魅力も何も感じなかった。敢えて言えば不快感だろうか。そんなわけで、夫婦のドラマも特に面白いと思えるわけもなく、歪んだ感情の行く末を見届けるために、かなりの忍耐を強いられたような。

    ポケミスのクック作品は今まで面白かっただけに、この読後感はなにげにショックでした。

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