- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119553
感想・レビュー・書評
-
ディストピア小説の古典「1984年」や「素晴らしきこの世界」ほどの完成度ではないと思うがそれなりには面白い。まさに今はこんな感じの世の中になっていると思う。当時から萌芽はあったのだろうがどんどんと加速していっていると思う。
しかし古いディストピア系の話を未来の今読むとわりと当たっていると感じるのだがユートピアはまるで実現していないのはなぜなのだろうか?人間の想像力というのは悪い方向への方が的確に働くということなのか。 -
昨今のコンテンツの消費に通ずるものがあり、途中からドキドキしながら読んだ
-
本が禁止された世界。見つかれば、昇火士によって
焼かれる。
それは、どんな社会なのか?
人々の生活がどう描かれるのか、期待して読みはじめたが…。
ストーリーとしてはシンプルだが、心理描写、周りの状況描写がすべて詩的な表現で、わたしの頭にはすぐに入ってこない。ある意味、回りくどい表現が多くて、ようやく、最後まで何とか読了できたといった感じであった。
ただ、難解な文章ながら、この独特な世界を味わうことはできたと思う。 -
この小説に出会うことができてよかったです。
すくなくとも、最後の文章を読み終わった後に、また始まりの一文を読んで、感慨深いというか、涙が湧くような、すっきりしたような感情を覚えました。
感嘆の息を吐きましたとも、はぁ……(すごいものを読めた。嬉しい。ありがたい。)といった感じの。
文章は詩的で、はっきりといえば好みは分かれるところであるけれど、第三部からの展開には息をのむような心地で、一行を噛みしめるように読んでしまいました。
当然ながら、聖書引用がおおく必ずしも馴染みがあるものではないのですが、何となくでも意味は分かりますし、兎も角、言葉っていうものは……伝えるためのそれらというのは……すごいんだなという……。
引き継いでいきたいです。
本の感想とはまた違いますが、この本を読んでいる合間に見た夢が「互いに会話はできるのに、互いに言葉が理解できていない(ような)少女と、本の話をする。それ(ただし、それというのは本に限った話ではない)はプリンシパル(なんだよ、と少女が言った)」といった夢だったので、私にとっては、心から衝撃的な物語だったのだと思います。
-
本が焼かれるのが、民衆の生活様式が主導であったのが面白い。電車に乗ると、ほとんどの人が手のひらサイズのボックスを眺めている。youtubeやTikTokでは要約、ショート動画があふれている。テクノロジーという名のファイアマンが力を持つ現代は華氏451度の世界と変わりがない。そんな世界を生きる我々は何をするべきか?改めて考えさせられた。
-
終盤までは食い入る様に、終盤はクライマックスだけれどゆっくり読んだ、、
ギリギリ予想できる未来
全てを破壊する火と、人を護る焚き火と
都市部と田舎と、、
最後の破壊の場面は核爆弾のイメージ
終わりまでにクラリスもう一回出てくること期待しちゃった
「では」夜の街のずっと彼方でページを繰る、あるかなきかのサラサラいう音。「『ヨブ記』を」
なにか、死んだときに魂の行き場所になるような、なんらかのかたちで手をかけたものを残すのだ。〜ものにどうふれるかのちがいだ、〜 -
SF物は普段読まないのだけれど「100分de名著」で紹介されていて興味を覚えて読んでみた。(「100分de名著」も全て観ていないけど)
約70年前に書かれた物語とは思えないほど現代の問題に通づる事柄が題材にされていて読んでいてゾクゾクする面があった。
思考の停止、情報操作、余暇を上手く使えない現代人……etcそういった問題に真正面から対峙していく大切さも学べた気がする。
危険回避本能から警告ですかねw
危険回避本能から警告ですかねw