- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150309046
感想・レビュー・書評
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2536年、太陽系外の増殖型戦闘機械ETによって地球は壊滅させられた。
2598年、宇宙に移った人類は反撃に成功し、十年以内に太陽系内からETを一掃できるところまで来た。が、対するETは時間遡行によって過去の人類に対して攻撃を加え始める。そこでメッセンジャー知性体のオーヴィルに与えられた任務は同じく過去に遡り、人類に危機を伝えること。
248年、オーヴィルは邪馬台国の女王、卑弥呼と出会う。全ての人類と時間を守るために――
小川一水さんのタイムスリップSF。面白かった、かな。あまり考えずに読んでた。2350年にもおよぶ壮大な時間小説なのにきちんとまとまってるのが好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公は、卑弥呼と人工知性体オーヴィル
これは、オーヴィルの大いなる闘いの記録でもある。 -
拮抗点である邪馬台国の時代と、それまでの時間遡行戦争の過程が交互に語られていく。
構成も登場人物の描き方も良くまとまっている。 -
時間ものと知って読んでみた。小川一水の世界にはほんと感心する。歴史を追う感じが堪らない。が、どうしても女の趣味が合わない。アレクサンドルが好き。
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ハリウッド映画化と聞いて読んだ。
人類を救うために時間遡行を繰り返すオーヴィル。時間遡行を繰り返す程に元の時間枝に残して来た恋人との繋がりは消えていくという葛藤やら哀しさを抱えながら恋人から受け継いだ思いと使命を全うしようとする姿にどうしようもなく惹かれてしまう。
欲を言えば長編で読みたかったです。卑弥呼側の感情的な視点はとても丁寧に描けていると思う。オーヴィル側の視点で、積み重ねて来た400以上の戦いの記録と重み、宿敵ETの習性、容姿、因果について、そして何よりオーヴィルその人の葛藤と開放の瞬間のことをより詳細に描いて欲しかった。それを知ることでもっともっと世界観に浸りたかった。
二時間の実写映画では、小説の世界観すら描くにはリソースが不足してしまうんじゃないかと思ってしまう。
どういう切り口で映画化されるのか、、楽しみです。 -
26世紀、謎の戦闘機械によって地球は壊滅的な被害を受け、人類滅亡へのカウントダウンが刻一刻と進む中、それに抗おうと人類は自ら作り出した人工知性体を過去へ送り込む。目的は敵が現れる前に地球を抑え、出現時に壊滅させることである。それに対して敵も時間を遡るようになり、戦闘機械と人工知性体による際限り無い時間遡行戦争が始まった。幾度も過去への遡行を繰り返すうちに人工知性体のオーヴィルがたどり着いたのは3世紀の邪馬台国。そここそがが未来の全人類の存亡を懸けた最終防衛線であった!
幾度も戦闘機械と対戦して勝ったり敗れたりしながら邪馬台国にやって来て卑弥呼に出会う。話の舞台はいいと思うし、オーバーテクノロジーはそうなんだけど、それでも制限をつけることでその時代にあった戦い方をしているのは面白いですね。
紀元前98579年から紀元2598年までの超長期に渡る壮大な物語で、時間枝が幾重にも生まれる中で何が正しくて何が正しくないのかといった葛藤も書かれています。1つの世界を守ることで他に生まれたいくつもの世界を見捨てるのは良いのか?みたいな。
ただやっぱりキャラクターが薄いというか感情移入しにくいというか感銘を受けないというか・・・主人公が魅力に欠けるのかな。なんだろうこの消化不良感は?
ふーん、ふーん、ふーんって感じで読み終わってしまいました。
SFは現実には存在しない架空の未来の技術を使い、それでどういう話を仕立てあげるかっていう作者の想像力がメインだとは思いますが、それでもやっぱり小説としてキャラクターといったものや、文学的なテーマとかも必要だと思うんですよね。
それがちょっと感じられないかなーって。
そんな批判めいたことを書きましたが、手離しでオススメはしませんけどそこそこ面白かったですよ。
SFものとしては比較的読みやすいと思います。 -
感情をきちんと描くSF。丁寧な文章。とても好み。読後の余韻あり。
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読みやすい。ページ数もちょうど。
なんというか女の人が書いた話みたい。
そして、卑弥呼が言った、カティサークが魔女というのはおそらく当たっている。
宇宙人なら、スーパー科学だけじゃなくて、スーパー復讐心を持っているってスタージョンが言ってたのを思い出した。
宇宙人、地球人ともにアホだね。 -
相方さんに借りた。面白かった。
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時間移動を繰り返し、人類を絶滅させようとする敵に対し、同じく時間移動で対抗し、邪馬台国を舞台に未来から来た戦士が戦うという設定が面白い。古代日本を描いた作品が好きなので、大満足。