- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150309046
感想・レビュー・書評
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ETの侵略から人類を救うために造られた戦士と、邪馬台国の女王卑弥呼の物語を軸に、タイムトラベル、パラレルワールド、戦闘シーンなど、手に汗握る展開で一気読みした作品。
SFというよりもラノベに近い文章なので読みやすく、でもしっかりと造られた世界観とキャラも魅力的で久しぶりにワクワクした!ぎりぎりまで追い詰められて、え~~もうだめ!ってところでのまきかえしは、ハリウッド映画でよくある感じのハラハラ感。欲を言えば、もう少しストーリーにオーヴィルと卑弥呼のやりとりがほしかったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジリ貧の戦いを書かせたら日本一の作家
他のジリ貧戦を描いた作品としては天冥の標、導きの星など
常に相手はこちらの予想の上をいきジリジリ追い詰められていく時間的、空間的に
ストーリーの殆どが負け戦で占められている
だけどそこがいい -
人類が滅亡しない未来を創るため、過去に遡る戦士と、邪馬台国の卑弥呼とが協力して地球を救う話。地球外生物との戦いに敗れる度に、勝てる見込みのある過去に遡っていく。自分のいた未来は敵に敗れ既に消滅してしまったため、二度と戻ることが出来ない。敗戦の中過去に遡る切なさは何たるや…SF小説だが、紛れもなくヒューマンドラマでもある。
ハリウッドが実写映画化の制作権を手にしたようだが、この小説の良さに邪馬台国を舞台にしている部分がある。文明の利器から離れ、独特な土着的文化の中で見せる人間らしさ、猛々しさが物語に切なさを与えている。スケールの大きい設定にもかかわらず270ページ位なのに驚愕!無駄もなければ取零しもない見事な展開。SFを敬遠している人も読みやすく、SF自体を好きになってもらえるような作品。SFジャンルを開拓したい人におススメ! -
ネタバレせずには何もかけない。
キャラはいい。わりとオーソドックスな造形だけど、かっこいいものはかっこいい。
タイムパラドックスにかなり正面から向き合っている。でもやっぱり、今平和なのはこれから俺たちが救けに行くから、ってへんだよね。どうやって過去の戦禍を知るのか。平時ではないから開発される道具は、平時には開発されないんだよね。 -
タイムパラドックスに並行世界に宇宙生物に人工知性に「邪馬台国」とてんこ盛りの内容だが、緻密な設定と骨太のストーリーが緊密に結びついていて、アイデア倒れでない一級の「小説」になっている。ただしラストの方の展開が個人的に気に入らなかった(実体としての「くに」「故郷」を否定する一方で、「想像の共同体」としての国家意識にすがるナショナリズムと、敵を殲滅してめでたしめでたしというマッチョイズム)。
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実際、世界各地の神話にはある程度近似した型のようなものがあることが知られているけれど、そういう事実をSF的に解釈して練られた話なのかな、と思った。比較神話学っぽい視点を意識しながら読むとかなりワクワクできる。 それと、実際の古代習俗や上代語なんかを踏まえた表現がところどころに散りばめられていて、個人的にはそのあたりもニヤニヤできた。もちろん、そんなこと知らずともSFとして極めておもしろい。
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そこまで分厚いわけでもないのに、密度が非常に濃い。無駄がない。26世紀のメッセンジャーと呼ばれる男と、邪馬台国の卑弥呼の話が交互に語られる構成。
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久しぶりのSF。
そして、やっぱりSFはやめられない!
疲れてくると軽いミステリーとかエッセイばかり手に取りがちだけど、私に強い力を注入してくれるのはやっぱりSFなんだよな、と再認識。