ノーフォールト(下)(ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA オ 8-2)
- 早川書房 (2009年9月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150309664
感想・レビュー・書評
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下巻は産婦人科医療の訴え。そして、やはり医者も人間。お産はリスクが伴うことと患者も認識する必要がある。
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『ノーフォールト』の意味の1つは『あなたのせいじゃない』だそうです。
現代医療は進歩していて救える命が増えたのかもしれないけれど医療に絶対的なものは存在しない。
1つしかない命に人間は必死になる
妊婦は自分1人だけの命じゃないから -
専門用語が多くてちょっと大変ですが、産婦人科の厳しい現状を読者に訴えようとされているのがわかります。希望もありますが、正直、出産がこわくなりました。
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ドラマで大好きになり、本も手に取った。
変わらず面白い。一気に読了。
奈智の人間ドラマが好きなので、徳本さんの問題だけでなくもっと日々のドラマを見たいという気持ちが、ドラマでも本でもあったのだが、本を読んで、それは著者の「産科医療を変えたい!」という強い思いが表れた結果ということがよく分かった。
元々産科医療には興味が強いのだが、どちらかというと私は自然なお産派。無理な医療介入にも否定的だったが、この本を読んで、改めて「正常なお産がすべてではない」ということを思い知らされた。 -
産科医療保障制度ってよくわからない!と思っていましたがこんなバックグラウンドがあったんですね。
岡井崇先生は本当にすごいなぁと思いました。
妊娠や分娩って本当にリスクとの背中合わせです。
このことって一度経験すると心に根強く残ることだと思いますが、
大抵の妊産褥婦さんはこのことに気付いてないのかもしれないし自分には関係ない!と思ってるかもしれません。
誰にでも起こりうるものなんだと思っておいてほしいです。
少子高齢と叫ばれる中で医療従事者の確保はいつまで経っても課題の1つなんだろうなぁ…。
医療用語や法律用語は少し難しいけれどそれでもたくさんの方に読んでほしい作品の一つです。
患者さんからの「ありがとう」という言葉に何度も励まされます。
こちらの方こそありがとうございます。 -
ストーリーとしては途中までは面白いと思う。けど、どんどん産科医の窮状を訴えているとしか思えないようなセリフだったりが増えて閉口。
けれど、医療問題は日本として考えていかなければならない問題だし、ぜんぜん医療に素人の私には「こんな問題があるのか」って知ることはできた。
でもーーー、こんな風にあからさまに書くっていうのはなーーー。
最後の那智への電報とか、いらないしょ。読んで無いけど。 -
テレビドラマを見ていて、「原作もそうなのだろうか?」と疑問を持ち、本書を手にとりました。
いやはや、全然違いますね。
登場人物の人間性も、医療に対する責任も、医療従事の過酷さも、医療の難しさも、この本のほうがずっと強く感じることができます。
何よりも作者の信念を強く感じる。
テレビドラマはとっかかりとしてはアレでいいのかもしれないけど、合わせてこの本も読ませないと全く意味がないでしょうね。 -
産婦人科だけでなく、現在の医療の持つ問題点が医師の視点で、書かれています。
患者からすれば、非日常である医療だが、医療現場の医師や看護師達にとっては、日常であり、その部分の認識の違いがこの問題の根本ではないか -
VWFについて調べていて、そういえば昔、小説読んだよなと本を引っ張り出し、十数年ぶりに再読。
再読してみて改めてこの頃(平成15年頃)はまだ大学病院も紙カルテだったんだと気づき。そろそろそれから20年経つので、そんなものかも。
作者の岡井先生の憂慮した産科医療を取り巻く状況が20年経って少しは改善しているといいのですが。
少子化が進み、生まれてくる児が少なくなる中で、産科医療を受ける側も提供する側もウインウインになる最適化された状況がつくられるといいなと思います。