コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫 JA オ 6-20)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 710
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311049

感想・レビュー・書評

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  • 時間をまたぐ

     時間をまたぐ生命体を通じて現在と未来がつながる。そこで紡がれる物語はいかにもファンタスティック。

     しかしながら、時間を超えている感じがわかりにくい。ハッピーエンドは非常に良いのだが、ただでさえわかりにくい時間の因果関係が、サッパリ。

     少し雑なのかなぁ。残念だなぁ。

  • 時間もの。
    サクサク読めてサクサク進む。

    あまり暗い感情を誘発する要素がないので、楽しく読めた。
    それと現在側の主人公を「腐」にする必要性があまり感じられなかった。まぁ笑いを誘う要素としては十分機能したと思うけど。

  • 初小川一水。大分類で言うと「時を超えた文通」もの。小分類で言うと「時間改変」、「宇宙SF」、「ファーストコンタクト」、なんでしょうか。
    一見壮大なハードSFなんですが、舞台は概ね現代のコロロギ岳の天体観測所と西暦2231年の木星トロヤ群小惑星に係留されている宇宙戦艦アキレスの艦内だけ。
    頭部が2014年のコロロギ岳に、尻尾が2231年の宇宙戦艦アキレスに引っかかった時空を漂う宇宙生物を救う為、人類の存亡をかけて200年の時を超えた文通大作戦が始まる!
    この文通の手段が凄い、モナリザの裏に落書きしてメッセージを残すと言う荒業。
    壮大な設定なんだが地道な文通作戦が効果をあげて無事に宇宙生物は解放される。
    壮大なんだか地味なんだか良く判らない異次元の面白さでした。
    ラノベに分類されるんでしょうけど、題材は面白い。もっとディテールに拘って、正統派SFの味付けをしたら、硬質なハードSFになったと思うが。著者はそんなもん目指してないんだろうけど。

  • シチュという単語が出てきた時点で温い笑いを浮かべわたし的にはワランキヘタレ攻めリュセージ無邪気受けだよ、と思いつつ、普通にSFとして面白かったです。

  • 装画とタイトルに惹かれて。

    現在、地球、北アルプスの山頂観測所
    未来、木星前方トロヤ群小惑星アキレス、閉め切られた観覧用の宇宙戦艦
    この二箇所が時間の生き物で繋がる。

    時間もの。でも地道。
    こぢんまりとしているのがいい。

  • 2013/6月
    SFと言いつつも現代物理学の方向性から大それた話でもなかったと思う。
    自分として気になったのは、人間がこのまま進化して、宇宙に行けたとして、それでも戦争と権力闘争を続けているのか。。という所はないかなと思った。
    コロロギ岳を想定しているだろう土地も興味深い。

  • 見かけはライトノベルの様な軽さを醸し出しながらも、その実、久しぶりに新鮮なセンスオブワンダーであり、なかなかおもしろかった。未来が分かるが故に時間を改変しようとする話は良くあるパターンではあるが、新鮮なのは時間旅行ではなく、時間を超越した別の生き物たる蛇(生き物と呼んでよいか?)が二つの時間を結びつつ、なおかつ、過去と未来の意思疎通ができるものの、あくまでも時間の隔たりは厳然たるものとして存し、単純には時間改変ができないという不自由さに物語の面白さの肝があるという着想が良い。基本、時間改変ものはパラレルワールドものになり、改変された人間は、過去の自分と同じ自分でありながらも、違う時間軸に存する他人となるが故に、本来、話が成立しようがなく、第3者たる他人を介在させることが一般的であるが、本作では、時間を繋ぐ蛇が二つの時間を繋いでいるが故なのか、意識を継続しながら時間改変がされているという話となっているのがミソである。

  • 情景が想像しづらくシンドかったけど、温かい話だった。でもヴェスタ人の立場からは辛い結末なのか‥?平和が一番。

  • ある種の時間改変もの。時砂の王みたいな感じか。
    ギミック一つで話一つ分、という意味ではSFの原点のような気がしないでもない。アイデア勝負、といった面で。

    でも、主人公を腐らせる必要はないとおもうけどなぁ。

    最後はあれかね、改変の中心にいた存在は「前」を覚えてるってパターンかね。
    なんか「前世」ネタがイチラホラみえかくれしてるなぁ。。

  • 概念とかもろもろすっ飛ばした、想像力を大いに刺激する物語

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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