御社のデータが流出しています: 吹鳴寺籐子のセキュリティチェック (ハヤカワ文庫 JA イ 11-1)

著者 :
  • 早川書房
3.30
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本棚登録 : 181
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312817

感想・レビュー・書評

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  • サイバーセキュリティコンサルタントが傘寿を超えた上品なおばあ様、という設定はキャラが立っていましたし、動機なども特別に不自然さを感じませんでした。ミステリ(謎解き)としても楽しむことができる本だと思います。

    とはいえ、ネットワークやプログラム、PC環境などについての一定程度の知識がないと、少しわかりづらい(状況をイメージしづらい)こともあるかもしれません。

    ネットワークでのトラブル(主に個人情報の流出)に困った企業からの依頼を受けて主人公が調査にあたる、という筋書きですから、個人ベースで何らかの対策をとったり、作品世界のできごとを自分事として感じたりする(=臨場感をもつ)ことは少し難しいかもしれません。

  • 人間の脆弱な部分への向き合い方を考えさせられた。傘寿を過ぎてもなお依頼がやってくるセキュリティコンサルタントが、大胆に問題を解明していくところに胸が躍った。

  • サイバーセキュリティコンサルタントという肩書きを持つ主人公 吹鳴寺籐子。実は、80歳を超えたおばあちゃん。人様の不幸を喜ぶつもりはないけれど、謎解きができることに自然と頬が緩んでしまう。

    会社の表沙汰に出来ないネットトラブルを、サイバーセキュリティコンサルタントとして、経験・知識・技術、時にはブラックなツテを使い解決していく。

    犯人とのやり取りも、緊張感がありつつも、おばあちゃんだからこその優しさや厳しさで、あたたかい雰囲気に。

    個人情報の漏洩、アカウントの乗っ取り、偽アンチウイルス詐欺。
    現実でも起こりうる問題をミステリーにしていて、フィクションだと分かっているのに、思わず私のパソコンやスマホは大丈夫だろうかと心配になった。

    図書館スタッフ(東生駒):あおむし

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/876725

  • 82歳のセキュリティ・コンサルタント・吹鳴寺籐子が、企業の情報漏洩、セキュリティに関するトラブルを解決していく連作短編集。

    どんなに技術が進歩しても、悪事の背後にいるのは人であり、解決の手法も対人間、面白かった。

  • 恐らくこの作者さんはエンジニアがお好きではないのだろうなと思いました(個人の感想です)。たしかにそういう人いる、という描写がちょこちょこあって、それに対する疑問や考えの著述がキャラの性格付けというよりは、著者の考えを代弁させているように自分には読み取れます(キャラが定型で特徴が薄い所為かもしれません)。全体的になんだかもやもやする描写が多く、読んでてつらかったです。

  • セキュリティ・コンサルタント吹鳴寺藤子82歳。コンピューター犯罪に直面した企業担当者が、専門家として彼女を紹介されたら戸惑うのもしょうがないですよね。私でも戸惑う(笑)最終章だけタイトルに発生時期が書いていないのは同居女性和田さんとの出会いだったからなんですね。パソコンにあまり詳しくない私にも理解できて楽しめた本でした。他の作品も読んでみたい。

  • セキュリティインシデントを謎と捉えて、ミステリー風に解決するのがコンセプト。主人公のおばあちゃんは優しい口調とは裏腹に結構やり口はえげつない。ネタがコンピューターセキュリティだから仕方がない部分はあるけど、謎解き過程も結構力業だったり。でもまぁ、わりと面白かったです。

  • 面白い

  • 82歳にしてセキュリティコンサルタントを務める吹鳴寺籐子が、企業の情報セキュリティにかかわる事件を解決していくお話。
    情報セキュリティ系の読み物としては読みやすいし面白いです。
    専門用語は文章内で説明してくれているので知らない人でもなんとなくわかるとは思いますが、ある程度興味はないとしんどいかも。

    日進月歩な業界なので、数年後には風化しているネタもあるかもしれませんが、今のところはある程度時代に合った物語を読めると思います。

  • 御年82歳のおばあちゃまがサイバーセキュリティコンサルタントとして活躍する。ひとつひとつのお話の、サイバーネタがさすがのリアリティで、説明も分かりやすく、毎回すっきり解決して、おもしろく読めた。

    気になったのは、主人公を高齢に設定しすぎなこと。「元気な82歳」では片付けられない、身体的にあり得ない描写が多くて、これくらいの元気さなら、せめて60代後半か70代そこそこにしておけばまだムリがなかったのに……と残念だった。
    きっと著者には、ホンモノの「元気な82歳」のお知り合いが身近にいないのだな、と思った。

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著者プロフィール

いちだかずき●小説家及びサイバーセキュリティの専門家、明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。I T 企業の経営を経て、2 0 1 1 年にカナダの永住権を取得。同時に小説家としてデビュー。サイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)、『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)、『フェイクニュース新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)、『新しい世界を生きるためのサイバー社会用語集』(原書房)など著作多数

「2022年 『ウクライナ侵攻と情報戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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