ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ (ハヤカワ文庫 NV ル 1-21)
- 早川書房 (2006年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (582ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150411183
感想・レビュー・書評
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英国情報機関〈サーカス〉にもぐら(=スパイ)がいる。主人公たるスマイリーは、膨大な資料と証言をもとに、スパイをあぶりだしていく…という物語です。
単に資料を見て、「あいつ怪しいな」と思っていたらスパイでした、というような小説ではありません。スパイであろう人間に対する、矛盾した感情の葛藤、スパイに関連してしまった人間たちの苦悩、そういったもろもろの人間性が、この小説には表れているように思われます。
1点減点した理由は、あまりに構成が精緻すぎて、私には追いつけなかったという点です。もっとも、これは私自身が減点されるべきなのかもしれませんが、非常に読んでいて疲れる作品ではありました。また、これはおそらく訳の問題であるとは思いますが、日本語が変な部分があります。そこら辺は気にせず、読みすすめることをお勧めします。あと、人名には注意を払うべきです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーむ、面白さが分からんかった。合わんかったとゆうことで。
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私のオールタイムベストです。新訳は誤りが多すぎ。
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旧訳版
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スパイ好き。器物破損・通行人に大迷惑、現地妻多発できると思ってたら、目立たなく地味でいやーな仕事なんですね。見ろ、人がゴミのようだ。映画もおすすめ。BBCのドラマもいつか見たい。
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訳に癖のある部分があるので(特に会話の鈎括弧部分などで、英語の直訳になっていて、日本語としては意味がよく分からない箇所がある)そこにさしかかったら気にしないようにするのが吉。
最初は登場人物が何について議論しているのかもよく分からないのが、読み進めて事の全体が見えてくる事で納得できる。
それでもかなりややこしい話だけど、読みごたえあります。 -
映画『Tinker,Tailor,Soldier,Spy』の原作ということで読みました。ル・カレ作品を読むのは初めてで独特の文に慣れるまでは辛いと感じましたが、重厚で読みごたえのある作品の世界にどんどん引き込まれていきました。よくあるエンタメ作品のようにさらりと読むのではなく、丁寧にじっくり読むのがいいなぁと思います。わかりにくいと感じる人は映画のサイトを参考にするのがおすすめです。このシリーズは絶版状態みたいでそれだけが悲しいです。
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完敗である。主人公のジョージ・スマイリーには、いかなる作家も及ばない「スパイ」としてのリアリティがある。プロット、キャラクターともに間然とするところがない名作。久しぶりに再読し、またもル・カレ熱がぶり返しそうだ。ヤバイ。