- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200915
感想・レビュー・書評
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人を形作る「記憶」に対して、より深く考えさせられた。
このファンタジーな世界も本当にあったんじゃないかと思うほど人間がそこに生きている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20190224
カズオイシグロの『忘れられた巨人』読了。前半で挫折し、1年ぶり位で再開。今回はスイスイ読み進んだ。奥が深すぎて、少年、山査子、ベアトリスが船に先に乗った意味をまだ考えてる。寝た子を起こすな?最後のアクセルの言葉に感動。でもラストはっきりさせてよ〜 -
そうだよね、忘却で憎しみの連鎖をなくそうとするのは正しい解決法ではないのだろう。記憶すること、記憶しようと努力することが大事。真に平和を求めるならば。そして愛もまた…。
国家において、個人において、記憶するとは、忘れる(記憶を消す)とはどういうことなのか…考えさせられる。 -
ノーベル賞作家カズオ・イシグロ作品。
伝説の英雄アーサー王に始まる古代イングランドを舞台としたファンタジー・アドベンチャー。主人公の老夫婦がことごとく記憶を失くすがそこには意外な理由があった。
思わず引き込まれる傑作です。 -
人間のアイデンティティを形成する上で欠かせない「記憶」に焦点を当てた作品。
近代のイギリスを舞台とした恋愛小説や、近未来のSF小説など様々なジャンルを手がけてきたカズオ・イシグロが今作で描いたのは、アーサー王伝説が生まれたばかりのブリテン島。アーサー王伝説に関する知識が希薄だったこともあり当初はハードルが高いと感じていたが、知識が無くともスラスラ読める。
島に蔓延する記憶亡失症の原因は一匹の竜が吐く息にある、とファンタジー要素が強い内容だが「記憶する」「忘れられる」という事情が歴史にどのような影響を与えるのかという観点で読むと非常に考えさせられる。 -
船頭の質問。
一番大切な記憶は何か。
事前の復讐。救出には遅すぎたとしても、復讐には十分に間に合う。
この言葉に行き着く思考過程。 -
記憶が、過去が、誰しもの頭の中から消えてゆく。
当たり前のように。もやもやしながらも。
霧という言葉がたくさん出てくるけれど、まさにこの物語全体のトーンを言い表してるよう。
話は個人や過去に収まらない。けれどその両方をとても大切に描かれてると思った。
記憶をなくすというのは、こういう感じなのかもしれないなあ。
老騎士がどこか滑稽でだけどシビアで。噛めば噛むほど…といわれるスルメのようで味わい深かった。 -
2017-10-28
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序盤すごい勢いでのめり込んだが、村についてファンタジー感が出てきたあたりでなんか違うとなってしまった、そもそもイギリスの歴史を全然知らなくてブリトン人とサクソン人の違いも分からないまま混乱して読み進めていたので…ラストは良し◎