- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300165
感想・レビュー・書評
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ポアロ16作目。ナイルに死すと同じ旅ミステリーなんだけど、なんか今回は集中出来なかったなぁ……。
訳かなぁ。個人的に語彙が合わない感じ。ストーリーはいいんだけど、言葉選び?が所々引っかかって現実に引き戻される……うーん残念。
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「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ・・」エルサレムのホテルでポワロは聞いた。のっけからそそられる。話していたのは20代前半の兄と妹。彼女とは彼女たちの継母。ほかに結婚した兄夫婦とハイティーンの継母の娘が彼女達の家族で、父亡き後継母は子供たちを家で教育し外部と接触させないでいたのだが、エルサレムに一家そろって旅行に来ていた。成人した子供は反抗して外に出ていけそうなものだが、彼女たちは継母の言葉に従っていたのだ。
随所にクリスティは子供はある程度の年齢になったら親から離れるべき、巣立つべき、多少の親との軋轢をしても、という考えを登場人物に語らせている。
前半の継母の支配的な言葉に屈する子供たちをみていると、もう、殺されちゃえー となってくる。あまりにひどい母親に自分の親の片鱗も少し見え、読むのがつらかった。「春にして君を離れ」のジョーンが強烈に進化した形の女性か。ホテルに心理学を勉強中の医学生と権威ある医者が滞在し、彼らも異常な家族の毒は母親だ、と判定する。
後半になり、果たして母親はペトラ遺跡で死んた。一見自然死に行きかけると、現地の警察は疑義をいだきポワロが登場。子供たちは開放されたのだ、自然死にしといてくれませんか? いやそれでは道理に反する。
解決策が、これぞ小説だ。うまい具合な犯人が登場だ。
最後にはカップルも誕生し、めでたしめでたし。老兵は死すべし。
1938発表
2004.5.15発行 図書館 -
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ…」エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?ポアロの思いが現実となったように殺人は起こった。謎に包まれた死海を舞台に、ポアロの並外れた慧眼が真実を暴く。
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シンプルながら意外性もある本作。
冒頭から「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ……」という不穏な会話が飛び出すところが王道っぽくて良い。
事件発生までを書いた第一部は、ボイントン一家の歪な関係がメインとなっている。
第二部でポアロは捜査に乗り出すが、やっぱり最後の最後まで犯人が分からなかった。 -
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」
エルサレムを訪れたポアロが耳にしたのは、不穏な男女の囁き。
どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?
ポアロの思いが現実となったように殺人は起こる。 -
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ・・・」エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?ポアロの思いが現実となったように殺人は起こった。謎に包まれた死海を舞台に、ポアロの並外れた慧眼が真実を暴く。
どう考えても怪しい会話が冒頭で繰り広げられ、犯人としか思えない展開から始まるところが本当に上手いなあと思う。読者はどうしてもそっちに意識がいってしまうので。誰かが嘘をついている中で、時間のアリバイを順序立ててポアロが謎解きする場面はやっぱりかっこいい。ボイントン家の家族と彼らにそれぞれいろんな関係者が絡んできて、訳が分からない。自分ではさっぱり解けませんでした(笑)しかしクリスティは歪んだ精神を描く筆力がすごい。普通に被害者に全く同情できなかった。 -
本作は衝撃的な言葉から幕が上がり、ある家族の物語が描かれて、そして事件が起こる。大胆なトリックこそないが、緻密に描かれた描写に感服させられた。
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こんな頃から毒親の概念はあったんやね。
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いつもよりもあっさりと解決されたような気がするけど、最後までやっぱり犯人はわからなかった!映像も見てみたいなぁ☆