ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300172

感想・レビュー・書評

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  • クリスマスに読むのに相応しい題名。一族が集まった大富豪の屋敷で当主が惨殺される。疑わしい子供ら夫婦と孫娘。それぞれが当主に対して遺恨を抱いていて、、、でポアロの脳細胞が活躍する。犯人は脳細胞が死滅した私には全く予想出来なかった。

  • クリスマスに慈悲を。

    クリスマスに親類一同が集まった家で、老いた当主が血だらけになって発見された。手を下したのは家族なのか。ポアロはこの血みどろの事件をどう読むのか。

    解説にもあるが、クリスマスを思わせるアイテムをちりばめた話である。密室に誰かが外からやってくるというのはサンタクロースだし、真っ赤といえばサンタクロースの服である——赤い服を着たサンタクロースはアメリカの産物だけど。クリスマスに家族が集合すれば、善意よりも苦痛や憎しみの爆発が起こるだろうとポアロは語る。そうなればクリスマスは殺人事件にもってこいの季節だ。

    いかにも殺人トリックな作品なので、読み終わったときの満足感は十分。指し示された犯人もなるほどと思う。アリバイトリックはそこまでする必要があったのかなと思うが、まあ、もっと血を! という声に応えて書いた作品だと最初にあるので、そのしばりがあったからだと思えば。より洗練された作品を書いてきたクリスティーがあえてこういういかにもな殺人事件を書いたと楽しめる。血に飢えた方はぜひどうぞ。

  • タイトルを見ると、ポアロがクリスマスをのんびりと過ごしていそうな、そんなイメージだけど、もちろんそんなことはなく灰色の脳細胞をふんだんに使ってます。だけどヘイスティングズが登場しないからかな、ポアロ節はかなり控えめ。犯人は予想の上を行く人だったけど、話の展開は面白くて最後にはなんとなくハッピーエンド?個人的にはスペイン内戦の頃の話なんだなーと思って、毎回彼女の作品を読むと当時の世界情勢を垣間見ることができて、そこも楽しみの一つ。

  • クリスマスを機会に、疎遠な一族が集合したリー家で起こった血みどろの密室殺人。いかにもな一族間の確執から真相を導き出すミステリ。
    ただでさえ確執があってごたごたしている一族内で、それに輪をかけてもめ事を起こさせようとする偏屈な当主。そりゃ殺されるに決まってるわ! そして誰も彼もが怪しい。怪しすぎる。これはもう誰が犯人であっても少しも驚きません……と思ったら、真相には驚きました。いやあまさかあの人もあの人もあの人も! なるほど、きっちりと手掛かりと伏線はあったのだなあ、と分かってみれば納得なのですが。気づきませんでした。
    いつになく血みどろの惨劇なのだけれど、クリスマスにはぴったりなのかもしれません。そして、読後感は穏やかであったりも。

  • クリスマスに読もう!と決めてた本

    犯人当てようと意気込んで怪しい箇所ハイライト入れながら読んで、犯人の正体はなんとなくわかってたけど(落ちてた物のこと言わなかったときから怪しいと思ってた!)、結局トリックは全然わからなかったので犯人当ては出来ず

    割と雑なトリックだったけど面白かった
    クリスティ作品の女性の登場人物は魅力的だなと思う

  • 随分前に購入していましたが、12月に読みたい!と思いとっておいていた本です。
    ようやく読めました。

    や ら れ た !
    家族の中の誰かか、それとも訪ねてきた2人?
    そう思ってましたが、びっくりしました。
    当たってない、けれどある意味当たってる。

    面白かったです。

  • 私は得な性質で、こういうミステリーモノはどうも何度読んでも、たいてい犯人を忘れてしまっているようだ。なんか知ってるんだけど、このシチュエーション、みたことがあるんだけど、誰だっけなー、と思いながら読み進めて純粋に楽しめた。
    季節に合わせて読むと、なお面白い作品の一つ。

  • ポアロ
    面白かった!いつものようにボーっと読んでいたので、犯人が明らかになった時には驚愕。それも楽しかった。
    ひとつ残念だったのは、タイトルにクリスマスとあるのでイギリスのクリスマスのご馳走の描写を楽しみにしていたけど、それはほとんど楽しめなかった。
    印象に残ったのはp423のメンデルの法則の話し。自分はエンドウマメや血液型でならったような気がするけど、イギリスとかベルギーでは瞳の色を例にして習うのかな。色々な瞳の色の人がいる国との違いを感じた。

  • ミステリーを読む時は、自分では推理せず展開にいちいち驚いたりおののいたりするのですが、クライマックスの気持ち良さが格別でした。

  • 偏屈な親が殺され子供たちは親の呪縛から開放された!

    ゴーストン館の主シメオン・リーはクリスマスに息子達や孫を集めた。シメオンは南アフリカで財を成したが危ない橋も渡った豪放磊落な男。ある子供は従順に、ある子供は家を飛び出し、だが親に縛られていた。

    「ねじれた家」と設定は似てるか。どちらも財を成した強引な父親が殺される。しかも殺されたのは親族が集まった館。犯人は親族の誰かだ。

    ポワロは殺されたのは被害者自身、シメオン氏の強引な支配的な性格にあるとする。それが殺人を起こさしめたと。財を成した親に支配される子供たちのそれぞれの事情、イギリスの富裕層の話とはいえ親子対立、愛憎の心理はとてもうなずける。そのそれぞれの心理と、犯人はあれか?これか? で、まさかの大逆転でこれも1日で読んでしまった。

    今回も意味深いセリフがあった。
    「自分を実際以上に寛容な気高い性格の人間のように見せかけると、その反動として、早晩その人間として実際よりももっと残忍な不愉快な人間のように振るまわしめることになる。ダムはいずれ決壊する」

    1938発表
    2003.11.15発行 2013.12.25第6刷 図書館

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