- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300288
感想・レビュー・書評
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ある国王の死と宝石の行方に纏わる話から女学園の殺人事件へと展開されていくのですが、諜報員が誰で宝石はどこにあるのかというスリラー要素と、ライトノベルのような賑やかな学園生活が上手く融合していない感じがします。その他ミスリードが巧くない、ポアロが登場してからは展開がご都合主義など、残念な点が多い作品です。
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作中の、「人生では自分で間違いをおかしてみるしかないわね」って言葉がすき。
人が撃たれてるのに淡々と推理を披露するポアロはどうかと思ったしそもそも危険すぎるし、もっと他に手段はなかったのか?と思うし、必ずしも彼女がああいった行動にでるとも限らないのに考えが足りないのではないか、とポアロさんに対して思ってしまう。結果的に自分の策でああいう結果になったわけだけどそのことに対してなんも思ってなさそうなところがなんか腑に落ちない…
宝石の在処だとかそれをめぐる殺人だとかは読んでてハラハラした。 -
女学校を舞台とした話。
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ポワロである必然はあまり感じなかった。
プロットの巧さはさすが。 -
わが酷愛の書!
女学校メドウバンク校がすごく楽しそうに描かれています。先生も生徒もいきいきしていて……特にチャドウィック先生! 私はもうこの人に弱くて弱くて、胸がつぶれそうになりました。クリスティーはこういう古風な人に感情移入させるのがとてつもなくうまい。
中東の秘密をにぎるダイヤモンド、なんて恥かしい小道具をヌケヌケと出しちゃうところも御愛嬌。ゆかいなおとぎばなしです。
旧版の橋本福夫さんの訳者あとがきはなんか偉そうな感じ。「女性作家のくせに」てのはいかがなものか。でも78年の時点で女学校もの二作を並べ「『鳩のなかの猫』は『学寮祭の夜』に比べると描写力は劣っているが、その代りにおもしろさがある」と書いているあたり、なかなかの彗眼。セイヤーズって当時はほとんど翻訳されていなかったんですよね。隔世の感があるなあ。
新版の朝暮三文さんの解説は「らしい」「みたい」「かもしれない」の連続で、なんだか投げやりな印象を受けます。「つまり「走れメロス」の設定は男にのみあり得る価値観で女性にはないということらしいのだ」って、そんないい加減なこと言われても。
いくつか面白いトリビアもあるんですが、あまりときめかない。ただずらずらと並べているだけだからでしょうか。
旧版の勝ちです。 -
ミステリーというより、サスペンスに近い?
あっ、でもミステリーとサスペンスの違いってよく分からないけど(汗)イメージです、イメージ。
最初は題名に騙されて、猫が活躍するのかと思ってたけど、全然違ってました(外国の方が書かれた小説には、そういう本が多いですものね)。鳩の中の猫っていうのは、外国のことわざのような言葉らしく、日本風に言えば飛んで火にいる夏の虫・・いや~違うか。なんだろ~。羊の中のオオカミ・・そんなことわざ無いか。
まあ~ようするに、同じ仲間同士の中に、敵が紛れ込んでいるって思ってください。そして、その敵をいろんな人が推理していく物語です。最後の犯人はけっこう意外でした。でも、そっか~、注意深く読んでいれば想定できたかもしれない人物でした。 -
女学校ものですよ。
女子学生の中に突入するポアロ大先生。
十代の女の子ばっかり… ということを逆手にとったトリック。
さすがクリスティー。