- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300516
感想・レビュー・書評
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名探偵ポアロと相棒ヘイスティングズが14の謎に挑む短編集。
印象的なのは「首相誘拐事件」トリックは時代もあってちょっと使い古された感じですが、第二次世界大戦という時代背景に敵対国の存在とストーリー自体は動きの大きいもので楽しめました。
隠された第二の遺言書を探す「謎の遺言書」、展開に捻りのきいた「ヴェールをかけた女」も面白かったです。
収録短編のほとんどは30ページほどの短編なのでサクサク読めるのですが、話としては全体的に小粒に感じたり、あらすじをたどっているだけのようになってしまっていたのが残念…
ただポアロのキャラが長編以上に強烈でした。ここまで自信過剰だったっけ、こんなにヘイスティングズって皮肉言われていたっけ、と思うことが多々あり笑えました。
そういうわけで二人の掛け合いをもっと読みたいという方には、おススメできるかなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ポアロは最初から有名な名探偵でした。
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最近チョコレートの出てくる話にはまっているので、「チョコレートの箱」という短編目当てでこの短編集を読むことにした(以前NHKの「グレーテルのかまど」でこの話が紹介されていた)。ポアロがベルギー人だということも思い出し、催事でベルギーのチョコを買ってしまった。
短編が14話入っていて、色々な話が楽しめる。
『ポアロ登場』というタイトルだが、初登場シーンがあるわけではなく、「ポアロ参上」というところか。どの順番で読んでも問題ない。ポアロ&ヘイスティングズはホームズ&ワトソンを彷彿とさせる。
しかし、展開が早いため、私が登場人物を把握する前にポアロが事件を解決してしまい、犯人の名前を聞いても、「だ、誰!?」となってしまった。長編では、いつも冒頭の人物紹介をチラチラ見ながら読み進めて徐々に人物名を覚えていくのだが、短編なので人物紹介がないというのは私にとっては逆に落とし穴だった。
とは言えスピーディで鮮やかな解決に驚いたり、自信過剰だが憎めないポアロや、ホットチョコレートを飲んで御満悦のポアロが堪能でき、楽しい読書だった。
「チョコレートの箱」「謎の遺言書」「ヴェールをかけた女」が好みだった。 -
ポアロものの短編集。14編も収録されているのでいろいろな事件、いろいろなポアロが堪能できる。いつものように自意識過剰だったり時には落ち込んだり、「チャー」とか言うお茶目なポアロも…。しかし一番楽しむところは解説にもあるようにヘイスティングズとの掛け合いかもしれない。そしてヘイスティングズは常に心の中で「チョコレートの箱」とつぶやいているんだろうなあ。
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やっぱり面白い。ドラマ版を見過ぎてしまい、原作を忘れていましたが、やはり原作の良さがありました。チョコレートの箱はドラマ版はだいぶロマンチックにかえられていましたが、ドラマも原作も好きです。ヘイスティングとポアロの掛け合いも心が和みます。
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ポアロものの短編集。
タイトルは『ポアロ登場』だけど、ポアロの初登場作品ではないというところが、ちょっとややこしいよね。
初短編集。
好きな話ばかり詰まってる。 -
テレビでは観ていた話が短編集で読めるというのも楽しかった。
多少の脚色はあるものの違いを味わって読みました。 -
自惚れが強く珍奇な見た目、およそ人好きされるとは思えないキャラクターでありながら、ミステリ界で知らぬ者は居ない名探偵ポワロ最初の短編集
それもあってか、彼の人柄を如実に表すようなエピソードが多いね
特にポアロの特徴的な人柄を説明する際に一役買っているのが相棒ヘイスティングズの存在かな
ホームズに対応するワトソン程にはポアロが担当した事件に関わっているわけではないけれど、この短編集では基本的にポアロと共に事件解決に当たっている。それもあって、推理の過程においてポアロがどれだけ奇矯な振る舞いに出ているか、傲慢な発言が多いかを彼の視点を以って知ることが出来る
ヘイスティングスの視点で描かれるポアロはどうしたって小馬鹿にしたくなる人柄。けれど、そんな彼が最後には他の誰も解けなかった事件の枢要を詳らかにしてしまうのだから堪らない。終いにはポアロという名探偵の虜になってしまうわけだ
この短編集に収録されている事件は全て何かしらの取っ掛かりに気付ければすぐに真相を理解できるようなものばかり
だからといってどれも容易な事件だったかと言えばそうではなく、落とし穴目線の事実に気付けるかどうかに掛かっているという点はミステリの短編として完成されているね
収録されている作品の中で特に楽しめたのは『首相誘拐事件』かな
フランスでイギリスの首相が誘拐された。間近には彼が出席しなければならない国際会議が迫っている。国際平和の為には首相が必ず出席する必要がある
それを焦った誰も彼もがフランスへ目を向け、ポアロでもさえ一度は渡仏した。だというのに、フランスでは一切の捜索をせず椅子に座って事件の真相を推理する
その姿は安楽椅子探偵の何たるかを如実に示したものだったよ
他に面白い尺度で描かれていた事件といえば『チョコレートの箱』
ポアロが探偵ではなく刑事だった頃の事件。だからか、他の事件で見られるような尊大さは控えめ。呼応するように事件への対応もどこか覚束ない
最終的に彼は大失敗を喫するわけだけど、読者向けには事件の真相を容易に気付けるポイントが用意されている
事件を楽しめつつも、未熟な名探偵も楽しめるというオトクな短編だね -
2冊読んで思うことは、なかなかのポワロのナルシストぶり笑。
結構自分に酔ってるんですね。
にしても、ミステリー小説の短編集にはお初にお目にかかりました!短い中での起承転結、途中展開が早すぎて何度か置いてけぼりをくったけど、なんとか付いていけました。
個人的には最終話、“The Chocolate Box”が1番好き。誰にでもmistakeはあって、(この場合、ヘイスティングスの言うように“失敗談”といえるような内容ではないのかもしれないけれど)それをかのポアロが自分で語るっていうのがおもしろい。 -
ポアロとヘースティングスのやりとりが微笑ましい。よくまあポアロに付き合っているものだとへースティングスの寛大さにも感心してしまう。
なかなか痛烈に皮肉を言われてもそう簡単には凹まないヘースティングスの存在がこの「ポアロ」を生かしているのではないかとも思える。
短編14作。