ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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本棚登録 : 517
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300608

感想・レビュー・書評

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  • ポアロ
    オムニバス形式の短篇12篇。
    クリスティーの短篇は自分には読みにくく感じるものが多かったのだか、この作品は楽しく読み進められた。寝る前にひとつずつ楽しみながら読んだ。
    引退を控えたと言いながら、「カーテン」のポアロとは違って元気いっぱい。「カーテン」を読み終えて寂しい気持ちになっていたのを明るくしてくれた作品。
    「アガサ・クリスティー完全攻略」の該当の項を読まずに読了したのでひとつ失敗。霜月蒼氏は「ヘラクレスの十二の難業」について事前に調べるか、簡単な紹介が解説に載っている旧版のハヤカワ・ミステリ文庫版で読むのを勧めている。いずれ調べて読み直してみようと思う。TVドラマ版では12の短篇のいくつかをまとめて一つのストーリーにしているらしい。こちらも観てみたい。

  • 久しぶりに読み直す。
    クリスティーは老後の楽しみにとっておこうと思った、というあとがきに深く同意。
    その時によって、作品に対する感想が変化する。

    それが、1番の楽しみ。

  • ポアロが挑む12の難業。

    引退を考えているポアロは、エルキュール=ヘラクレスにちなんであと12の事件を解決しようと考える。その12の難業がこの短編集。元ネタにピンと来ないので(ひとつふたつしかわからない)あますところなく楽しめたとは言いにくいが、バリエーション豊かな事件を読んで満足。

  • やっぱりアガサ・クリスティは間違いないし、ポアロは楽しませてくれるなぁ。
    ドラマの脚本がとても良くできていることにも改めて気付きました。

  • ギリシャ神話、全然知らない。
    そんなちょうどよく、ギリシャ神話になぞらえるような事件に出くわすとは思えないけどね。

  • ヘラクレスの12偉業がしっかり頭の中に入っていて読むともっと楽しめたと思う。メイドのエイミー・カーナビーが登場する「ネメアのライオン」、「ゲリュオンの牛たち」がおもしろかった。エイミーの性格が受け入れられる。

    「ネメアのライオン」ある婦人のメイドのエイミー・カーナビーが夫人のペキニーズ犬を散歩中、犬が逃げてしまい、夫人宛に犬を返して欲しければ200ポンド持ってこいとの手紙が来るが・・

    「ゲリュオンの牛たち」 エイミー・カーナビーの友人があやしげな宗教に入れ込んでいるとポアロに相談にくる。おとりで信者になったカーナビーの活躍。

    ネメアのライオン - The Nemean Lion(1939年)
    レルネーのヒドラ - The Learnean Hydra(1939年)
    アルカディアの鹿 - The Arcadian Deer(1940年)
    エルマントスのイノシシ - The Erymanthian Boar(1940年)
    アウゲイアス王の大牛舎 - The Augean Stables(1940年)
    ステュムパロスの鳥 - The Stymphalean Birds(1939年)
    クレタ島の雄牛 - The Cretan Bull(1939年)依頼人
    ディオメーデスの馬 - The Horses of Diomedes(1940年)
    ヒッポリュテの帯 - The Girdle of Hyppolita(1939年)
    ゲリュオンの牛たち - The Flock of Geryon(1940年)
    ヘスペリスたちのリンゴ - The Apples of Hesperides(1940年)
    ケルベロスの捕獲 - The Capture of Cerberus(1947年)

    1947発表
    2004.9.16発行 2016.4.15第5刷 図書館

  • エルキュール・ポアロシリーズ#24。

    ギリシア神話の「ヘラクレスの24の難行」をフックにした24の短編集。「エルキュール」って「ヘラクレス」だったのね。

  • ポアロが活躍する色々を読み終わり、この本に辿り着きました。いろんなお話が凝縮されていて、イギリス以外の国々にも赴くので、冒険活劇みたいで面白かったです。

    ドラマ版も観ましたが、ドラマ版では犯人が違いますし、よりシリアスな内容になっています。本の方が好きです。

  • 短編集なので気楽に読めるのはよい。元ネタのヘラクレスの冒険を知らなくても問題ないし。ただ、訳注が全然入ってないのは(特に大量に訳注が入っているモンテ・クリスト伯を読んだ後だけに)ちと気になる。例えば。

    「宗教というものは、心の支えになり、救いになるでしょうけど--でも、それはオーソドックスな宗教であればの話です」
    「オーソドックスというと、ギリシャ正教のこと?」
    (ヘラクレスの冒険,アガサ・クリスティ,田中一江訳,早川書房)

    これって普通の日本人に通じるのだろうか(ギリシャ正教は英語で"Orthodox")。ポアロが時々発するフランス語にはルビを振っているのだから、この辺にもちょっと気を使ってもいい気はする。

  • 聖書や童謡になぞらえて人を殺していく犯人は古今東西数あれど、自分が解決した事件を神話に見立ててコレクションする名探偵はなかなか珍しい部類かと。
    最初、子供じみた理由で事件を選り好みするポアロの高慢さに鼻白みながら読み始めたのですが…何これ、超面白い。
    どの話も良かったのですが、一番のお気に入りは『ステュムパロスの鳥』。ポーランドの双子の貴婦人をビジュアルで見てみたいです。映像化されているのかしら。
    次点で『ケルベロスの捕獲』。久しぶりに会ったロシア美女に「地獄へきて」と告げられるドラマチックな出だしと、その後ミス・レモンに「ご存じなかったのですか、ポアロさん。ナイトクラブですわ」とあっさり謎解きされる落差。ミス・レモン超クール、超有能!あとナイトクラブ地獄も面白そうで、実際あったら行ってみたいですね。ただし麻薬売買さえなければ。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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