古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-1)

  • 早川書房
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151751011

感想・レビュー・書評

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  • なぜか今まで手を出さなかったスケルトン探偵シリーズの日本紹介第1作に手を伸ばした。シリーズとしては第4作だが、MWA賞受賞ということで、これが最初に翻訳されたらしい。結構そういうことって多いみたい。第1作は未だに未訳らしい。
    過去の殺人と現在の事件がうまくきれいにおさまって、おあとがよろしいようで。フランスのナチ占領という深刻なネタを扱いながら、書きぶりは非常にライトで読みやすい。スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーはいやみのないキャラ。
    モンサンミッシェルだけでなく、ディナンとか近隣の町にも行きたくなります。

  • モンサン・ミシェルの危ない歩き方。

  • このコミュで初めて知った作家さん。骨を手がかりにして謎を解いていくスケルトン探偵ギデオンが北フランスで名推理を見せている。第二次世界大戦時のレジスタンスの闘士や遺言状、事故、毒殺などさまざまに入り乱れて楽しめる。他のシリーズ本も読んでみたい。

  • 前回(死体は語る)の骨つながり?ということで、監察医ではないのですが、骨を扱う人類学者が活躍するミステリー(フィクション)をご紹介♪
    「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞」受賞作品です。

    〜壮大な「モン・サン・ミシェル」の干潟で、一人の老人が貝の収集中に溺れ死んだ。
    彼は地元の富豪で親戚一同を各地から集めており、親族会議を行う前の出来事だった。
    ちょうど集まっていた親族に弁護士から遺言が開示されるが、それに異を唱える者もあった。
    同時期に、配水管工事の為に屋敷の地下を掘り起こしたところ、第二次世界大戦中のものと思われる「人骨」が発見される。
    亡くなった彼が親族会議を開こうとした目的は?
    屋敷の地下で発見された古い人骨は?
    そして、更なる事件が発生!
    講演の為にフランスを訪れていた“スケルトン探偵”の異名を持つアメリカの人類学者が、古い人骨を鑑定することでフランス富豪一族の事件に巻き込まれていく・・・

    ・・・なんか、私があらすじを書くとチープな感じですが、謎解きは中々秀逸です。
    現在起こった事件と、発見された「古い骨」にまつわる過去が絡みつき、でもシッカリと繋がっており、不自然なところもなくスッキリと謎が解ける感じです。

    そして、この作品の謎を彩るのが、素晴らしい描写。
    舞台の一つ、世界遺産であるモン・サン・ミシェルの描写など、実際に潮騒が聞こえてきそうな感じです。
    静かに拡がる干潟が、気付くと足首をさらい、さらに体が持っていかれるような強い波が押し寄せてきたり、と迫力満点!
    モン・サン・ミシェルに行ってみたくなります(溺れたくはありませんが)
    さらに、描写で忘れてならないのが「食べ物」
    オムレツ料理、パンケーキ(クレープ)、鱒のグリル、魚介類盛り合わせ、仔羊料理・・・ブルターニュ地方の美味しそうな料理の数々を主人公が舌鼓を打っているのが、うらやましくなるくらいです。
    人類学者とその友人のFBI捜査官はアメリカ人なので、「オムレツばかりじゃなく、ハンバーガーが食べたい」というような描写も出てきますが、私はオムレツが食べたい!!

    謎が好きな人はもちろん、旅行&グルメ好きな人にもオススメできるミステリーです♪

    この「スケルトン探偵」シリーズは、他にも出ているようですが、私は本作品しか読んだことがありません
    そのうち、他の作品も読んでみようと思います。

  • 翻訳ものは名前が覚えられなくて・・・ジョン ジョリー ジュリー ジャックそんな私には いじわるとしか思えない登場人物達の名前 大変でした〈笑)でも、そんな大変さを差し引いてもおもしろかったです。残り数ページでこんなにハラハラドキドキが待ってたなんて想像もしなかったわ

  • レジスタンスの英雄。集められた親族。不慮の死。なんだか横溝正史を髣髴とさせる作品。
    それがありきたりで終わらなかったのはスケルトン探偵と呼ばれる人類学教授の存在。
    地下室で見つかった古い骨や昔のレントゲン写真から事件の謎を解いていく。それが二転三転するのはご愛嬌。
    主人公である彼が完璧な人間ではない辺り、好感が持てる。
    謎自体は平凡で途中で展開が読めてしまうし、いささか主人公の調査法が古いように思えるけれど、コレは科学の進歩を思えば仕方がないことか。
    そこを差し引いても十分楽しめた。

  • アーロン・エルキンズの「スケルトン探偵」シリーズ大好きなのに、ミステリアス・プレスが無くなっちゃってもう新作が読めないのかと思ってたら、何か早川から新しいのが出てる!?

  • スケルトン探偵の学者らしいボケと、まわりの魅力的な登場人物と、美しい景色と、身寄りのない骨!というのが考えうる最高の環境化もね、という気にさせられてしまう。特筆すべきは青木女史の自然で読みやすい翻訳。

  • キデオンは本人の意思に反してスケルトン探偵と呼ばれる。彼は骨から推理するのだ!スケルトン探偵の一作目。本人はただの骨フェチなんだけど、芸は身を助けるというか、事件の渦中に引きずり込まれてます。

  • 複雑な家系、一族間の固執、遺言状、過去の惨劇と私が好きな横溝正史の世界に通じるものがありました。

    それにしても骨が専門分野の探偵って珍しいんじゃないですかね?

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