特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-1)

  • 早川書房
4.14
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感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151794513

作品紹介・あらすじ

捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。とはいってもオフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人アサドの一人だけだったが。未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!デンマーク発の警察小説シリーズ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼★5 数年前に発生した女性政治家の失踪、厄介者刑事が再捜査を始めると… #特捜部Q #檻の中の女

    ■きっと読みたくなるレビュー
    強烈な警察小説、これは面白い★5
    名作シリーズとは知ってましたが、控えめに言ってやっぱり凄かった。

    まずプロットが出来すぎ。
    鬱屈とした事件だし、全編通して暗く寒いイメージで物語が展開していく。しかも刑事同志の醜い争いや、政治の駆け引き描写も多く、まぁ読んでてストレスがたまるんですよ。

    しかしながら、少しずつ事件のほころびが見えてきたり、敵を言い負かしたり、犯人に近づいていく展開がたまらなすぎ! 特に後半の怒涛の展開は、マジで徹夜で読むことになりかねない。

    そしてなんといってもキャラクターが濃すぎ。
    人間性、関係性、過去の出来事や背景、人種、性別、社会性、宗教などなど。これでもかっていうくらいキャラの完成度が高くて濃密なんです。

    特に主人公カールなんかは、今にも匂ってきそう。
    刑事の信念や拘りがあり、やたら他人を信じない偏屈者、美女に弱いという下衆っぷりもイイ。相棒のアサドも怪しさと切れ者っぷりが満点だし最高。

    サスペンスの描写も良く書けてるんですよ。
    被害者の不安な心情、必死さ、諦めが手に取るように伝わってくるんですよ…これは強烈だし、めっちゃ怖い。

    読み応えたっぷりの警察小説ですね。ミステリー好きは絶対読んでおきたいシリーズだと思いました!

    ■推しポイント
    人生、どんなきっかけで、どんなことが起こるか分からない。
    それでも自身ができる環境で、自身ができることだけでいいから、精一杯の努力をするようにしたいですね。

    大切な人はそんなあなたを見てくれていて、最後には微笑んでくれるでしょう。
    人生、辛いことも多いですが、前向きに歩いていきたいですね。

    • 土瓶さん
      わかります^^
      アサド有能!
      最後の弟さんだったかな、病室のところなんか、もう!!(´;ω;`)ウッ…
      良かったですよね( ´∀`)b...
      わかります^^
      アサド有能!
      最後の弟さんだったかな、病室のところなんか、もう!!(´;ω;`)ウッ…
      良かったですよね( ´∀`)bグッ!
      2023/01/26
    • autumn522akiさん
      土瓶さん、こんばんわ^^
      いやー、ラストはマジ胸アツっすよね。
      読みごたえも、たっぷりの小説でしたわ。
      土瓶さん、こんばんわ^^
      いやー、ラストはマジ胸アツっすよね。
      読みごたえも、たっぷりの小説でしたわ。
      2023/01/26
  • 満を持して『特捜部Qシリーズ』スタートです!

    シリーズそのものがスタートしたような言い方ですが、単に自分が読み始めたというだけです
    随分前にsanaさんの本棚でレビューを読んで読もうと思ってたんです

    ちなみに自分はこの方のレビューを読んで読もうと思ったり、コメント欄ですすめて頂いたりというのを途中からタグ付けして記録に残しているんですが、最初からやっておけばよかったなぁってくらい皆さんにもおすすめです

    そもそもブクログの醍醐味って他の方のレビューや評価を見て新しい出会いに繋がることだと思うんですよね
    そんな中タグ付けしておくことで後で見返したり、絞り込みかけて見ることで自分とその人の関係性が見えてきたりして、そこに新たな発見があったりで次の本選びの道しるべになったりするんですよね

    例えば自分の場合1位はsanaさんで特に海外ミステリー方面で外れなしの高アベレージ、2位は土瓶さんでごめんなさい自分にはちょっとってのもあるけと特大ホームランもあるみたいなね

    あとはSFならこの方とか、この方はいつも新しい扉を開けてくれるなぁとか、赤丸急上昇中のあいつは星の数がだいたい一緒だわwとか

    けっこう楽しい遊び方だと思いますよ

    さて本編です

    もちろん面白かった!
    知ってた!sanaさん高評価のシリーズだもん面白いに決まってるし!

    ということで何がどう面白かったかはsanaさんのレビュー見て!(おい!)
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ版の方だよ!

    sanaさん無許可で名前出しまくってごめんなさい!
    (土瓶さんはいいのかよ!)

    • 土瓶さん
      いいです(笑)
      むしろ光栄の行ったり来たり? 至り??
      つまり、行って来い、です???
       
      そうかぁ~。タグ付けかぁ。
      自分の場合...
      いいです(笑)
      むしろ光栄の行ったり来たり? 至り??
      つまり、行って来い、です???
       
      そうかぁ~。タグ付けかぁ。
      自分の場合、他の方のレビューを読んで「あっ、これ。いいな」ってなると、すぐにアマゾンのページで”後で購入する”にポチっとするので、誰のレビューをもとにしたのかが分からなくなるんですよね。
      うん。ポチっとする前に本棚に入れてタグに書いておけばいいのか。
      考えてみようっと。
       
      って「Qシリーズ」も手を出されましたね。
      あの「北欧モノ」は、登場人物の名前で手こずるんですよ。こいつ誰だっけ?って。
      自分は2作目で止まってますので、さっさと追い抜いてレビュー書いてくださいな。
      頼みましたよ(*^▽^*)
      2022/08/01
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん
      こんばんは!

      ちなみにレビュー登場回数は土瓶さんが断トツ1位ですw

      2作目読み始めてます
      次はちゃんとレビュー書きます
      いや今...
      土瓶さん
      こんばんは!

      ちなみにレビュー登場回数は土瓶さんが断トツ1位ですw

      2作目読み始めてます
      次はちゃんとレビュー書きます
      いや今回もちゃんと書いたけどね!
      2022/08/01
  • 読友さんお薦めのデンマーク警察のQシリーズ。滅茶苦茶面白かった。鼻つまみ者の警部補・カールが国会議員の思い付きで未解決事件を追う特捜部に異動。アシスタントはシリア人のアサドは切れ者でとてもいいヤツだがどこか雰囲気が異様。今回、民主党副党首・ミレーデが拉致され、5年間監禁される(その女アレックスに似ている)。トイレはバケツ。ミレーデの過去から人生を狂わされた犯人達。彼らの復讐は凄まじい。部屋の圧力5年かけて加え、一気に減圧する狂気の計画だったが、ミレーデの弟が解決に貢献した。コペンハーゲン、懐かしい!⑤↑

  • 素晴らしかった!
     
    北欧デンマークを舞台とした警察小説。
     
    犯罪者から銃撃を受け、同僚の一人は死亡、もう一人は寝たきり状態。
    ただ一人軽傷ですんだカール警部補は、復職したてで新設された未解決重大事件を捜査する「特捜部Q」に配属されます。
    最初に手掛けるのは、女性議員失踪事件。
     
    ブグログレビューで高評価を受けていたことから購入。
    読む前はドラマの「コールドケース」みたいな感じの短編集なのかな、と思っていました。
    が、600ページ近くある長編。
    本格的な警察小説でした。
    中盤過ぎくらいで犯人や動機がなんとなく予想でき、その段階では、☆3評価だったのですが、後半のスピードで手に汗握らされ、美しいラストにウルウルさせられて、5に近い☆4です。
     
    主人公カール警部補の助手を務めるのはシリアから亡命?してきたアサド。
    なぜか身分は警察官ではないのに警部補のアシストを任命されます。
    これがまた飄々と有能。
    特に後半は推理にアクションにと大活躍。いい。
     
    しかし海外ミステリーって、この手のパターン、監禁された女性被害者を救えっ! みたいなの多いですねー。
    間に合うか‼間に合えー! ってドキドキハラハラさせようって手です。
    おもしろいんですけどね。
     
    長いわりにほぼ一気に読めたなー。
    難を言えば、名前がわかりずらい。
    英米ならまだしもデンマークですからねー。
    パッと出た名前の性別の区別すらできないわ。
     
    次作もよもうかなー。

  • 「ミレニアム」などと一緒に北欧小説の金字塔的な感じで紹介されていて手に取る。
    タイトルから勝手に「ジョーカー・ゲーム」の「D機関」を連想してて
    スパイ小説ではなく警察小説だと知って驚き、エリート集団なのかと思いきや、一匹狼のおっさん刑事カールがていの良い左遷先として作られた国内の未解決事件を取り扱う部署という設定で二度驚く。
    相棒となる「奇人」アサドのキャラクターが良い。こいつがいると暗い事件を扱ってるのになんか楽しい。
    サブタイトルが今回の事件、監禁された女性側の視点と、事件を追うカール達の視点が切り替わりながら進む。

    カールは事件を追いつつ、過去に同僚をなくした銃撃事件や、別居中の奔放な妻からのタイミング悪い電話に悩まされる。そしてよくある署内からの冷たい目、圧力、クソみたいな記者など
    「あるある」とうなづきたくなる要素満載で大好物でした。

    解説にはアサドを超える奇妙な仲間が捜査に加わる?と書かれていて続編も楽しみ。

    こりゃシリーズになるわ…

  • はみ出し刑事カール・マーク警部補が、部下のシリア系変人アサドと共に未解決事件を捜査する、デンマーク産の警察小説第1巻。

    5年前に自殺と片付けられていた女性議員失踪事件に纏わる話しで、現在と過去が交互に語られる展開に、ドキドキしながらページを捲りました❗

    キャラクターは非常に個性的で、残り100ページ以降はとても読み応えがあって、とても感動しました♫是非とも1人でも多くの方に読んでもらいたいオススメのミステリーです❗

  • めちゃくちゃ面白かった!キャラクター設定、ストーリー展開、物語の締め方、どれをとっても完璧。ラストシーンは自分的海外ミステリ史上最高レベル。魂が震えた。続編早く読みたい。

  • 2019.03.13読了
    北欧ミステリーはミレニアム以来久しぶり。
    ちょっとした残酷さがミレニアムを彷彿とさせる。これが北欧ミステリーの特徴か?
    ミレニアムに見られたこの男と女の絡みは要るの?と言う場面もなく、私にはこちらの方が好み。
    国内ミステリーで最近面白い作品に出会えないので、このシリーズは読破しようと今から楽しみだ!

  •  週刊ブック・レビューに参加していた中江有里が、児玉清『ひたすら面白い小説が読みたくて』の紹介をしている番組を、先週見た。紹介された本は児玉清の文庫解説を集めて編纂した本なのだが、中江有里は、本は解説から読むという。解説を読んで買ったり読んだりするかどうかを決めることは多い、と言っていた。ぼくも実は同じ傾向があり、決め打ちの作家は別として、書店で手にとった本の巻末解説などには必ずと言っていいほど眼をやり、それによって読む本を選択することは多い。こんなことを書いているのも、実は本文庫化された特捜部Qシリーズの一作目についてだが、池上冬樹氏の解説が素晴らしいのである。こんな解説を書かれたら、矢も盾もたまらずに読みたくなってしまう人は多いのじゃないか?

     特に警察小説としては、87分署に比肩するほどオススメしたくなるシリーズらしいと書かれてしまえば、かの87分署読破者のぼくとしては、また警察小説と聞いただけで喉から手が出るほど欲しくなるぼくとしては、もうそれらは殺し文句に近いのである。こんな解説ずるい、よな。

     さて、果たして、本書は、解説の池上氏のおっしゃっている通り、素晴らしい警察シリーズであることを予感させる、記念すべき第一冊であった。こんな小説は誰も書かないというのが、何しろぼくの第一印象である。デンマークの警察署を舞台にしているからとか、この国の慣習や法律に馴染みのない部分があるからとかそういうことではなく、この作者によるオリジナルな奇想の部分がこの印象の大半なのである。

     例えば、この作品は、陰と陽によって構成されている。陰の方は事件の核心部に関する描写である。身動きのできない場所で監禁されてしまった上院議員ミレーデの身に起こった恐ろしく不当で最悪の犯罪。冷酷な監禁犯たちは密閉された監禁室の気圧を少しずつ上げてゆき、殺さずに何年も何年もの時を待つ。暗闇から解放したり、また暗闇に戻したり。食事を出したり、止めたり。犯人たちの思惑がわからない分、ミレーデも読者も不安であり、状況は絶望的である。

     さて、陽の部分は、特捜部Qの創設される状況、そこにあてがわれる部下はゼロ。責任者であり捜査官であるカール・マークは、とんだサボり親父でありながら、ある銃撃事件を境に殉職したり全身付随になった仲間たちへの負い目を抱え、生きている。事件以来仲間たちから疎まれ、警察組織に関しても斜に構えた見方しかできなくなったカールのもとへ助手として現れたのは謎のシリア人アサド。未解決事件を追跡してゆく特捜班Qは、刑事一名、素人助手一名の弱小窓際部署であり、彼らの部屋は地下室の隙間でしかなかったのである。

     三階にある殺人捜査課と、全身不随のハーディの待つ病室と、地下室の特捜部Q即ちカール・マーク独りと、せいぜいモップを抱えたアサドという変な助手。それらのどれもが事件捜査に少しずつ関わり、殺人捜査課以外が目立った活躍や確信に迫るヒントの想像場所でもあったりするところが、やわな警察権力の構造に反旗を翻した立ち位置を作家視点として伺わせるあたりが、魅力的であり、ダメ判定されたキャラクターたちこそが活躍するというエンターテインメント構造としては王道をゆく辺りが読者の喝采を招くのも当然の結果であると言える。

     そして陰の方は、さらに深い過去、上院議員ミレーデの家族に起こった不幸な交通事故というところまで遡る。それぞれの時制での状況活写が実に上手く、乗せられてしまうこの奇妙なリズムは、本シリーズの成功を約束する構成要素の一部と言ってもいいだろう。奇跡的なぎりぎりの大団円をこの連中は迎えることができるのか? 手に汗握る圧巻の警察小説の未来に幸いあれ!

  • ネットで見かけて。

    ドキドキ、ハラハラした。

    5年も監禁されていた女性議員が無事助かるかどうかではなく、
    予算目当てで新設されたQ特捜部の行く末でもなく、
    仲間の刑事を死亡させ、もうひとりを重傷にしたのは自分だと思っている刑事が立ち直るかどうかでもなく、
    頭が良く、推理力もあり、仕事の手際の良いシリア系の助手が事件に巻き込まれて死んでしまうのではないだろうか、
    と心配だった。

    変人、変人と何度も書かれているが、全然そう見えないのは、
    読者が彼に好意を持つよう描かれているからだろうか。
    もしくはデンマークの「常識」が自分には無いからだろうか。
    次作でも彼が活躍してくれることを願う。

    監禁事件の方は、
    全く脈絡なく昔の自動車事故が動機だとぼんやり気が付いたところから、
    興味を失ってしまった。

    でも本来の主人公、カール刑事の型破りぶりな感じや心に悲しみを宿した感じが、
    フロスト警部を彷彿とさせたのもあって、作品としては面白かった。

  • 初読。
    デンマークミステリ

    かの有名な特捜部Q、満を持してw挑戦。
    文章との相性なのか、なっかなか入りにくくてやや苦戦。

    が、
    なるほどー。よく出来てる。
    未解決の難事件を捜査する部署「特捜部Q」、
    そこに据えられるカールの経歴、
    アサドというキャラクター。この辺の設定と
    現在と過去が交互に描かれラスト向かっての重なり、
    加圧という(私は読んだ事ない)トリックというか
    必然性のある設定。

    単純に「うわー、面白い!」とならなかったのは
    ひとえに相性だと思う。
    けれど、暫くは読みますこのシリーズ。

  • 捜査中に銃で撃たれ重傷を負ったカール・マーク警部補。一人の同僚は死に、一人は脊髄損傷で身動きできない体に。そんな中、過去の未解決事件を再捜査する部署が作られ担当に任命される。

    数ある未解決事件ファイルから選んだ事件は、5年前に起きた若き女性議員ミレーデの失踪事件。自殺とみなされたが肝心のミレーデの遺体は見つかっていない。そこで部下無し、事務室は地下室、という中で、一人のシリア系のアサドを下働きにつけてもらい、解決に乗り出す。物語は事件の起きた2002年と、現在の2007年が交互に語られる。


    ミレーデ失踪の原因が分かると、ちょっとあっけない気もしたが、そこにたどり着くまでのカールとアサドの捜査の進行具合がおもしろい。舞台がコペンハーゲンとあって地図も見ながら読む。

    ミレーデ失踪の場面で、あれ? 既視感・・ なんと以前にドラマを見ていたのだった。でもドラマは画面が暗くて途中で寝てしまったらしい。本は飽きることなくずんずん読めた。

    カールとアサドのコンビをもっと読みたい、と思わされる1冊。

    早川ミステリハンドブック・胸にぐっとくる相棒ものミステリ

    2008発表 デンマーク
    2011615発行 図書館 (ドイツ語からの重訳)

  • 【全欧ベストセラーの警察小説.ᐟ.ᐟ】


    未解決事件の再調査を行う『特捜部Q』
    捜査するのは、はみだし刑事カールと変わり者のシリア人アサド。

    このシリーズ作品は映画で観て面白さは先に知っていたのだが、原作も面白かった。

    北欧ミステリーは初めて読んだのだが、最初は名前に馴染みかなかったので苦戦したものの、テンポがよく一気に読んでしまった。
    ラストのアクションもスリリングで面白い。

    本書で垣間見れる、デンマークの政治や生活様式などが知れるのも新鮮だった。

    カールの過去に自身と相棒2人を重症と亡くした事件が描かれるのだが、こちらも未解決事件であり、今後シリーズにどう関わっていくのか楽しみだ。

    このシリーズは映画も原作通りでいいので、気になる方は是非観てみてほしい。

    北欧の雰囲気を存分に楽しめる1冊だ。


    こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
    ・海外ミステリーが好きな人
    ・北欧ミステリーが好きな人
    ・警察小説が好きな人
    ・北欧が好きな人
    ・映画化されている作品が好きな人
    ・ホワイダニットものが好きな人

  • 大好きな北欧ミステリ映画の原作を遂に。好きな世界です。面白かった。。
    カール!ア、アサド…!?
    1番驚いたのがバディの凸凹です。得体の知れない、過去を抱えつつ陽気なシリア人アサドが自由にやってしまうのを寧ろカールがフォローしているだと…?それにアサドは警官じゃなくて、カールが頼んでた人にどうしても仕事が欲しいと付き纏ってた人だったとは。
    でもフォローの鬼で有能な片鱗はうかがえます。優しいし。謎パイが気になります。
    カールもあまり朴念仁じゃない。有能すぎるのと言葉を選ばないとで敵は多いけど、カールが有能なのはコペンハーゲン警察もよくわかってる…だからこそムカつく、みたいなんかも。カールの皮肉の語彙センスが好きです。イギリス人を思わせられましたがデンマーク人もこんな感じなのかな。。
    事件は映画で観ていたとはいえ、あれコンパクトに纏まってたんだなと思うくらい詳細でキツかったです。何年も与圧室に監禁して気圧をじわじわ下げていって体内細胞を変化させていって、一気に気圧上げて……という復讐は心にも身体にもダメージ大きい。それだけ憎悪してるんだろうけど。
    「カールの強烈な奥さん出てきますよ!」と言われた通り、強烈な奥さんでした。カールの駐車場でいつもバーベキューしてるご近所さんもなんだか好きです。

  • 〝特捜部〟というと、なんだかカッコイイ響きではあるけれど、実はそうでもなくて、PTSDを負った主人公である刑事の左遷先。オフィスはコペンハーゲン警察の地下の物置で、部下は謎の多いシリア系の男ひとり。けれどこの2人、とても優秀で迷宮入りしそうな事件を解決してしまいます。
    事件の特殊性もあるけれど、本筋とは関係のないサイドストーリーや、登場人物の個性もしっかり描かれていて、読みごたえがありました。
    シリーズものということなので、ぜひとも続きも読まなきゃ。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • バディものですぐに浮かんだのがデンマーク発の警察ミステリシリーズ第一弾のこの作品。仲間の死傷で捜査への情熱を失った刑事カールは捜査の第一線から外され未解決の重大事件を扱う新設部署を任される。オフィスは窓もない地下室。部下はシリア系の運転がめちゃくちゃで天才的頭脳を持っているかに見えて常にどこかズレている変人アサドのみ。たった二人のチームが『特捜部Q』。この二人の妙にずれて、どこか噛み合うやり取りで進む捜査と監禁された檻の中で生への渇望と戦う女性の2つの視点が交互に語られクライマックスまで一気に突き進むこの作品。読めばいつしかアサドが淹れる異常に濃いコーヒーや怪しいお茶が飲みたくなる!この後も数々の未解決事件を解決することとなるなぜか一部女子人気(?)も高いこの相棒(コンビ)。バディ要素にモヤモヤしながら徐々に明らかになってくるお互いの過去とシンクロする現在を是非追いかけてみてください

  • 分厚さに気圧されながらも丸一日かけて読了。有能だが厄介者扱いのカールと謎多き相棒アサドから成るコールドケース専門部署【特捜部Q】が事件を解決するバディもの。5年前の女性議員失踪事件を洗い直す本作はカール視点で現在を、議員視点で過去を描き徐々に時間軸が統合されるドラマチックな展開。日本の警察にも通ずる地味で地道な捜査だが、集めた情報が一本の線に繋がるのはやはり警察小説の醍醐味。シリーズ第一弾なので諸設定や各々のキャラクター説明に随分尺を割いた印象はある。そしてやはり海外モノは登場人物の名前が覚えられない…。

  • 長いあいだ読みたいと思っていて、手をつけなかったものをやっと読めた。北欧ミステリーは割と相性がいい。登場人物が個性的過ぎてちょっとついていけなかったが、だんだん慣れてきた。最近は男性の恋人が女性とはかぎらないし、女性のパートナーが男性とは限らないので、ときどき混乱してしまう。主人公の相棒アサドがわけありっぽくて興味がわく。それにしてもミレーネの意志の強さはみごと。ラストは涙を誘い、とてもよかった。シリーズはやはり順番に読んだ方がいいのだろうか?

  • 10月-8。4.0点。
    事件で撃たれ、同僚一人死亡、一人下半身麻痺の主人公。
    未解決事件捜査班特捜部Qを新規立ち上げ。
    謎のシリア人が相棒。掲示では無く事務担当。

    面白い。すごい。
    現代と、檻に囚われた女性のシーンが交互に。
    地道な捜査で段々と真相へ。
    結末も非常に良い。

  • 未解決事件を再捜査するために発足した特捜部Q。機能することは期待されず、予算と政治のために発足した部署で、責任者は主人公カール警部補。
    今回の事件は、5年前に発生したフェリー上からの行方不明事件。船上からの入水自殺ということで片づけられていたが、実は誘拐・拉致されていた。現在の特捜部Qの捜査と、5年前の状況が並行して語られ、徐々に5年前の事件が現在の捜査に追いついてくる。

    果たして間に合うのか・・・。

    現在の捜査が5年前の事件を追いかけているのか、5年前の事件が現在の捜査を追いかけているのか、展開は鬼ごっこのようだ。途中で犯人の目星はつくが、緊迫感は途切れない。

    新聞書評で、シリーズ5作目の『特捜部Q知りすぎたマルコ』が紹介されていたが、助手アサド、第2作目で登場するローサ女史の来歴もシリーズ・ストーリーの一つなので、シリーズ第1作『檻の中の女』から読むべき、特捜部Qシリーズだ。

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