アンブロ-クンアロ-: 戦闘妖精・雪風

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 745
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090515

感想・レビュー・書評

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  • 『グッドラック』の続きですが、ジャムとの戦争は直接的な攻撃ではなく、精神面でのやりとりが主になっています。リン・ジャクスン、深井零、リディア・クーリィ、ジェームズ・ブッカーなど、登場人物の1人称で語られ、それぞれ視点が入れ替わります。最後まで読んでいると、どうも時間軸も入れ替わっているみたいですね。

    人間とはなにか、ジャムは、そして雪風は。考え、語り合い、探り合う。深井零と雪風の関係が『戦闘妖精・雪風』や『グッドラック』から変わってきているのが面白かったです。読みながらいろいろ考えてしまいました。

  • やっぱり神林長平はかっこいいなあ! でも前回までの話はだいたいしかおぼえてないんだぜ! 
    ことこの件に関しては、7年ぶりだか10年ぶりだかの新作なので、一概におのれの記憶力のせいじゃないと思いたい。とは言え、前作の『グッドラック』と直結してることはすぐに気づきました。自分にしては上出来すぎる。余裕があれば一作目から読み返したいところだが、『敵は海賊』の文庫をまだ読んでないからあとまわし。
    それにしても、零は人間らしくなったなー。これは物語の展開に即したものと言うより、作者自身の変化と捉えてもよいですかね?

  • 『すべては変わりゆく
     だが恐れるな、友よ
     何も失われていない』 

    この言葉だけでも十分浸れます。

  • 雪風の新作が!
    わーい、読みたいぞー
    でも前のかなり忘れちゃった
    ジャムだっけ?
    結構人類は劣勢だった覚えが……てか負け決定?

  • 待ってました三作目、という。SFマガジンで最初のほうは読ん出て、『これが本になるのは何年先なんだ』と思っていたのですが、割と早く形になったのだなー。
    シャッフル感が、何かもう…『えーと…』って時々読んでて混乱する、それも作者の意図なのかどうか。わたしは好きですが、こういうぐっちゃり時間と空間をまぜこぜした表現。

    面白いのだけれども、神林作品初体験がこの本だったらハードルは高いだろうなぁとは思う…。

  • 「戦闘妖精・雪風<改>」及び「グッドラック 戦闘妖精・雪風」の続編。話はグッドラックで雪風が飛び立った後から始まります。よって、前述の二篇を読んでいない人は読んでもまったく意味が分からない内容になっています。

    ある意味、雪風シリーズの集大成的な話。JAMと特殊戦の激化した戦いは、ジャムに変化させられた現実(認識)を正しいもの(従来のもの)に戻すという、思弁的な内容へと変化していっています。戦闘機物でありながら、航空戦闘より心理描写(精神戦闘)に重きを置いている内容は、著者ならではでしょう。
    そのせいもあって、非常に読みにくい内容です。本著は、物語を読み進めるというより、思弁的な議論を読み続けるという内容に近いため、それを咀嚼して理解しながら読んでいると結構疲れるかと思います。

    前作までは機械知性と戦っているつもりだった(人間を敵として認識してなかった)JAMが、今回は人間の認識に欺瞞工作を行うという従来とはまったく異なる手法を使って特殊戦及びFAFへ戦いをしかけてきます。
    話自体はSFでよくある不確定性原理系の話なのですが、そこに自己意識や世界認識に関するいつもの神林節が加わっています。
    グッドラックで機械の存在やそれに付随する人間との関係が描かれていました。言うなれば機械知性を基点とした話でした。今回はそこから180度変わり、人の意識と言語、人の認識と機械の認識の差異は何かという人間基点の話でした。

    同時に零と雪風の立場も着々と変化しています。いや、正しくは零の認識が次第に高次のものへ昇華しているから変化しているように見えるという感じでしょうか。
    二人の関係を、人間と機械知性の相互理解による協力態勢の確立として読んでみるとなかなか面白いです。

  • 10年振りのシリーズ新刊。待ち切れず単行本で購入してしまいました…!
    今回は空中戦ではなく心理戦メインだったので派手さはありませんが、作者らしい切り口でした。個人的にはアリです。
    ただ、視点がころころ変わるので、慎重に読まないと???となってしまいます。私もしっかり理解するためにはもう一回読まないと駄目かも(苦笑
    あと、深井の人間味が増しててほっこりしました。ええ。

    ただ、アニメや二部のような派手な空中戦を期待した人はしょんぼりだよなー…次(いつかなー)はガツンと飛ばして欲しいですね。そのときはうたたPの『ストラトスフィア』を掛けながら読みたいな…

  • 第2部で完結と思っていたのですが、やはり第3部がでましたね。
    なんとなく第2部の最後が、続きも書けるように終わっているなぁとは思っていたのです。

    今作は、雪風、グッドラックとはガラリと作風が変わっていて、とても面白かったです。
    もともと国語国文学が専攻なので、言葉を捏ね繰り回す作品には慣れているのですが、
    それでも読むのに1週間かかっちゃった(^^ゞ

    今回は時間と主観(誰の視点か)がキーになるので、あっちに話が飛び、こっちに話が
    飛びで最初はかなり混乱します…

    零と桂木少将、クーリー准将とエディス、雪風とジャム機、ジャクスンとロンバート大佐が
    それぞれ表裏になっているようで、比較されているシーンが多いです。
    これだけ掴めてるだけでも読みやすくなるかと(’’ )
    ジャックの比較相手は誰なんだろ??

  • 意識、言語、現実、リアル、哲学的な話になってきたなぁ。前巻を読んだのはかなり前なので、そのうち一気読みでもしよう。

  • 2009年7月25日初版、並、カバスレ、帯付
    2014 年6月13日伊勢BF

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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