トッカン―特別国税徴収官―

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091376

感想・レビュー・書評

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  • 仕事について、色々思った。

    1.思い返してみれば、自分はここまで素の感情を出して仕事をしたことがない。
     対人じゃなく対データの仕事だということを隠れ蓑にしていたのかも。
     とは言え、別に出したい本音があるわけではないし、仕事に命や人生を掛けるつもりもない。
     ちなみに、同僚がこんなに感情丸出しだと、相手をするのが面倒臭い上に、仕事が進まないだろうなぁ。
     でも、クライアントなら歓迎。

    2.恋愛ネタは書き手のチープな意図が透けている。
     恋愛(人間関係)を薄っぺらく描いてしまった点が残念。
     人生は仕事だけじゃないと思っている立場としては、自分の思いと合致しない。
     逆に、仕事に情熱を傾けている人から見ても、次の通り矛盾がある。
    より多くの読者を薄く広く捕まえる為の仕掛けである恋愛(人間関係)要素の薄っぺらさ、下らなさは、この本が訴えかける仕事への熱い姿勢とは真逆。
    つまり、片手落ち。惜しい。

  • audibleで聴いた。
    ナレーターの池澤春菜さんが素敵でした。アニメを見ているかのように語られていました。
    登場人物はドジでお茶目な女性国税徴収官。池澤さんの語りで漫画チックに感じてしまったが実は優秀なんです。
    様々な困難に立ち向かいながら事態を収めるのはお見事。引き続き「聴き」たいです。

  • 前半、掴みとかキャラクターの持つ勢いみたいなものに、当たりの時の有川浩さんを連想した。

  • なかなか キツかった。というのも、
    いまの私の状況が 過去最高に お金のない状況だったから。(苦笑)

    けど、時々 琴線に触れる言葉があったりして
    (それも、そんな状況だからか?)
    時々 じわっと涙が浮かんだり。。。

    どんな仕事でも 葛藤や壁にぶちあたりますよね。

    けど、世の中の(特にぐー子たちのような公務員)人たちが
    皆 こんな自分の仕事を これだけの思いで してるでしょうか。

    皆 ただ安定したい、定時に仕事してたらええやろ、
    大多数はそんなでは。
    かくいう 私も。

    毎日 食ってくのに必死で、そこまでの意義を見出せてない仕事に
    意義が見出せたら、それは ほんとに
    いいことだと思う。

    そんな風に できたらいいなと思う。


    話はそれましたが、ぐー子が 徹底的に攻撃されるとこなんか
    息せききって読みましたし、
    後半 鏡特官の過去や 人となりも見えてきて、
    だんだん おもしろく感じてきたかな、というところで 終わりました。


    ただ ぐー子(あだ名)だけに仕方ないですが、
    文中の「ぐっ」には だんだん うるさいな、と感じました。。。
    実際 「ぐっ」なんて 言わないもんね。。。

  • 特別国税徴収官(トッカン)シリーズの第一作目は、国税の仕事についてのイメージを得るつもりで読んだ。個人商店や高齢者などの滞納者のところへ、税金の取り立てに行くことの苦労、気概を感じることはできたが、やはりあくまでフィクションであることを感じさせられる面もあった。
    ぐー子の上司、鏡さんの過去、カフェや銀座のクラブのママとのエピソードなど、あれがそのまま国税の仕事だと思ってしまうと、一般の納税者の方への対応など、地味で物語にはならない、だからこそ大切な通常業務を尊び、そのような事に憧れ、この仕事を目指す次世代の目が現れなくなってしまうと感じた。
    だが、作中で語られる、仕事をするということの本当の意味や、滞納者の方への心境などは、すべてがフェクションだとはいいきれない、重要なメッセージだと思う。

    私的には、あまり上手とは言えない、よくいえば、若者的な感情の比喩表現の仕方が好きにはなれず、せっかくよい事を言っているのに、言い方が悪くて感動が薄まってしまっていると感じた。いろいろな悩みを抱えながら働き、苦しみながら成長していく主人公には共感できるが、苦しむ様子の表現の仕方が、個人ブログやTwitterなどに描かれる、私的なポエムのようで少し気持ち悪かった。

  • セリフが多くてマンガみたい。
    読みやすかったけど、事件背景の説明だけはさらっとしてて案外わかりづらかったような。
    読みながら頭の中ではもう完全に主人公は真央ちゃん、鏡はしかし今なら長谷川博己やな〜とか勝手に妄想。

  • ☆3.5。
    第1作目の方が後になってしまいましたが・・・こちらもおもしろく読めました。
    ドラマになっていたのは、こちらと2作目と両方に渡ってだったようです。

    やはり1話目のほうが、ぐー子が甘いのですが、鏡特官のバックグランドとか興味深かったですし、ぐー子と天敵?の南部千沙とのいきさつもわかりましたので、読んで正解。
    個人的には、変に恋愛ものっぽくなっているのがマイナス0.5。

    ただ、国税職員の仕事については、ぐー子がそう理解したほどきれいなものでも正義感にあふれたものでもなく、また、そう思って取り組んでいるとも思えないですが。

    どこの世界でも物語と現実は違います。

    が、物語としてはおもしろかったので、続いて3作品目にいこうと思います。

  • 京橋税務署で働く徴収官の「ぐー子」鈴宮は,
    上司で「死に神」とあだ名される特別国税徴収官(特官)の鏡の
    厳しい指導のもと,税金滞納者からの取り立てに奔走する。

    わかりやすい設定と展開だが,そのぶん安定して楽しめる。

  • なんかドラマでやってたな、と軽く読んでみたが、これがなかなか面白かった。
    冒頭の珈琲店の脱税の謎解きと、もともとの疑いの発端とのからみなんかすごく好み。続きを図書館で予約した。
    ドラマも見たかったかも。

  • なんとなく、ドラマ化もされているし、で借りてみました。

    有川浩さんの図書館戦争と同じように、女性作家さんらしい女性キャラの描き方に好感がもてました。
    キャラがいきいきしていて、リアリティがあった。

    感情や、人に対する態度って、自分が思う以上に裏側を見透かされているんだろうな、と怖くなった。
    だからこそ、誠実にならないといけないな、と考えさせられるような作品でした。
    続編も読みたいです。

著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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