- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152095039
作品紹介・あらすじ
英国領に極秘裏に設置された対テロリスト組織。その喧伝されてきた数々の成功は虚偽だったのか? 真実を求める元外交官は、隠蔽の首謀者から命を狙われる! スパイ小説の巨匠の新たな代表作!
感想・レビュー・書評
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タイトルが内容を全て表現している。ある秘密作戦に関わった人たちの緊迫したやりとりが描かれる。これはスパイ小説・・か。ハリウッドアクション的な内容を期待すると完全に裏切られるが、それなりに緊迫感が合って面白かった。
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82歳の老作家が書いた本書を読んで、何の恥ずかしさも感じない作家はいないだろう。
とりわけ登場人物がどこで買い何を食べたかを事細かに書くことが人物描写だと思っている日本の小説家にとっては、ほんの一、二行ですべてを描写すると評されるほどのル・カレの筆力など顎がはずれて戻るまい。
壮大に練り上げられたプロットも、派手なドンパチも、甘美なベッドシーンもないが、両手の指先を合わせおもむろに語られる会話が本書の魅力。
特に外交官同士の会話は、丁寧で洗練された物言いの中で静かに弾を込め合ってるような迫力があってスリリング。
ル・カレの作品が近年も相次いで映画化され、あれだけの名優がこぞって出演するところを見ると、この魅力はあながち間違いではないのだろう。
ここに登場する政府による不都合な秘密の隠蔽や古き良きイギリス的妥協を読んでいると、とても彼の国だけの問題とは思えない。
不穏で唐突なラストからも、読者に少しでも事の切迫さを感じてもらいたい著者の思いが透けて見える。
授けられた勲章や年金の返上を辞さない母娘の真実の希求や、決して荒野に泣き言をこぼすような未熟さも思い上がりもない矜持と誇りには感心させられた。 -
ジョン・ル・カレ著。
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サクッと見ただけ。こんど寒い国からを読んでみよう。
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自在の描写。気にするほどの事件なのかと思うのは麻痺している?
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最後はまた、読者にぽーんと投げて「さあどうぞ」
どう取るかはその人次第。今回はそれほど「もうちょっと書いてほしかった」感はなかった。
視点登場人物それぞれがしっかり別の人格でかき分けられていて、視点を持たない人物たちも魅力的な部分とすっごくやなぶぶんとあって、さすがだなあ。 -
もし日本で高名な人気作家が日本を舞台にこんなシチュエーションの小説を発表したら、現政権下では、出版社に圧力がかけられるかも。ル・カレの小説はもうスパイエンタメの範疇を脱している。日本にトビーやキットのような良心と勇気を併せ持つ外交官が存在するだろうか。
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最後が?
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スマイリーものしか読んだことなかったのですが、最近のものも面白いとは!驚きです。
ただ、こういった状況は迷宮すぎてもやもやしてしまうのです。
2度目に行きあった言葉・アノラック。あ、英語だったんだ…と。