- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098238
作品紹介・あらすじ
ポオの研究を続ける付き人は、街で遭遇した自分そっくりの人影に怯えていた。頼りの黒猫は、些細なことで喧嘩になったまま出張に出て傍にいない。時を同じくして家に届いた不審な絵葉書、次第に怪しくなる母親の言動……付き人の周囲で一体何が起きているのか
感想・レビュー・書評
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黒猫の美学講義ミステリー、第2部がはじまります。
前作でようやく黒猫の恋人となった助手ですが、彼とのあいだになにやら気まずい出来事があった様子。
そんなときに目の前に現れたのは、全身白ずくめの自分にそっくりな女性。
不可解な行動をとる母、住民の反対を受ける奇抜な街の再開発計画、それにポーの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」…
今回もいつのまにか謎の渦中に置かれてしまった助手から目が離せませんでした。
今作では、出張中の黒猫に代わり、新たな登場人物・灰島が助手と行動をともにします。
なかなか性格がひねくれた美学者ですが、今までの登場人物たちとは一味違ったキャラクターでおもしろかったです。(彼もまた眉目秀麗…)
おそらく第2部では彼の美学講義を聞く機会も増えそうなので楽しみにしています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
黒猫シリーズ第2部スタートとなり、何だか空気が変わった気もする。サスペンスフルな展開は、黒猫が不在だからか。しかしこれまでも長い間離れ離れになっていたわけで、やはり距離を詰めてしまったことからくる存在欠如のダメージの倍増が影響しているのかもしれない。都市開発計画については、甚だしいエゴじゃないのかとつっこみたくなったが、出会いがあれば別れありで、新たに登場したドーナツ大好きな気難し屋と付き人の絡みが楽しみでもある。二人を比べると、黒猫が柔らかい人間なんだなと再確認できたのもよかった。
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黒猫シリーズ。第2部1作目らしいです。
自分は今まで何かに興味を持って心から追ったことが全くなく、研究というものについてはなんとなくなあなあで生きてきたため、このシリーズ読むとなんか劣等感を刺激されます。
まあそんなことはどうでもいいのですが、美学反美学やグロテスクについての講義については読んでいるうちはとても面白いのですが、通り過ぎた瞬間に脳からぽろぽろ抜け落ちていきます。
昔からそんなんでした(読み飛ばす系本読み)
ですので、話の中に出てきた雪絵さんの言葉「文字はよく噛んで」に衝撃を受けました。
どうしようもなく「丸のみ」してます。
ああー。
まあ今更変わりませんが。
ところでネタバレになるかもなんですけど。
白ゴスでアクセサリーちゃんとつけて白いカツラにカラコン入れているような人がメイクしてないわけがないと思うんですけど、メイク、それでいいの?っていう主人公と紛う「そっくり」ってどうなん… -
友人に勧められて、読み始めたシリーズ、久しぶりの新刊。
前作で第1部が終了し、第2部の発行まで間が空いたので、待望の新刊。
黒猫と「私」の関係性が変化し、どうなったのか、すごく気になっていたのに、いきなり酔った勢いで、喧嘩してしまい、すれ違うことから始まる。
せっかく、二人の距離が近くなったのに、今作はまた別々のところで謎を解いていく二人。
その辺は少しもどかしいし、今までも難解だったこのシリーズなのに、今作では「反美学」やら「ドッペルゲンガー」など、序盤はかなり理解に苦しんだ。
でも、中盤ぐらいに来ると、ポーを扱った作品らしく、本格的な謎解きが始まると、一気に面白さを増す。
特に暗号文を解いていくシーンは、最近の推理小説にもあまり見受けられなくなり、推理小説ファンの私はかなりワクワク♪
「私」の出生の話や、二人の関係にも進展が見られ、この先、どうなるのか、これもまた楽しみ。 -
黒猫シリーズ第7弾。完結したのかと思ってたけど、第2部スタートとのことで。
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酔って黒猫と喧嘩をしてしまったまま、彼が出張に行ってしまった。抱えこめないもやもやを抱えている日、付き人は自分にそっくりな女性と遭遇する。ただし、彼女の髪も目も唇も服装も全て真っ白、まるで真っ白なドッペルゲンガー。恐怖と不安に晒された己を唐草教授の知人で有名な「反美学」の研究者である灰島に見透かされ、黒猫不在の今、彼とともにドッペルゲンガーの謎と向き合うことに……
付き人ってこんな情緒不安定だったっけ?そしてきみたちはいつのまに婚姻届を出す中に……まあとにかく単純に付き人と黒猫が仲良くしている続編を今後も見られそうというのは嬉しい。相変わらず黒猫たちがなんの話をしているのかはよくわかってないけど、今回はいつもよりはわかりやすかったかな?内容そのものは、なぜこんな大げさな話に……そして都市計画をそんな個人的なことに……みたいな気持ちになった。でも相変わらず黒猫シリーズの時の空気感が好き。 -
黒猫シリーズ。第二部開始らしいです。
収まるところに収まったかのように思えたけれど、なのに素直になれない元付き人。彼女の不安と焦燥がもどかしくもあり、可愛らしくも思えます。
そんな彼女の前に現れたドッペルゲンガーと、母の謎の行動。揺らぐアイデンティティ。不穏な謎がいっぱいで、彼女には気の毒だけれどわくわくさせられる展開でした。
お決まりのポオの作品がモチーフになっているのも読みどころだけれど、今回のテーマはそれだったのか! しんみりとして、そしてロマンチックな物語でした。 -
美学や反美学は難しいし暗号はさっぱり。グロテスクとかゴシックとか都市計画などは知ってるつもりが、知らない切り口で語られるのが面白い。ドッペルゲンガーに関しては「私」の空回りか。新キャラも出てきてますます今後が楽しみ。