怪獣保護協会

  • 早川書房
3.61
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本棚登録 : 219
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152102591

作品紹介・あらすじ

映画のゴジラは、並行宇宙の地球〈怪獣惑星〉からこちらの地球にやってきた巨大怪獣がモデルだった! ジェイミーはひょんなことから〈怪獣保護協会〉の一員となり、もうひとつの地球でこの怪獣たち相手に大奮闘することに!? 『老人と宇宙』著者の冒険SF!

感想・レビュー・書評

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  • 2022年3月刊のTHE KAIJU PRESERVATION SOCIETYを翻訳して、2023年8月早川書房刊。アンドロイドの夢の羊でもその設定のユニークな面白さに引き込まれたが、今回はもっと引き込まれた。並行世界に住む怪獣という設定や、それはシステムというスコルジー流の設定が楽しい。悪い奴らも登場するが、キッチリと解決するさまは、溜飲が下がる。訳者の内田昌之さんが主人公のジェイミーの性別はどちらか?ということを書かれていたが、いったいどっちなんだろう?。と考えてしまった。おそらく〇〇。開田裕治さんの装丁が良い。これがベラなのか!。

  • 次元の裂け目から怪獣のいる世界へと行く事が出来る。そして怪獣は保護されるべき貴重な生き物という設定。

  • <名>
    本の雑誌2023年9月号の新刊めったくたガイドで大森元京大卒-でも現在仕方なく翻訳業,がおススメしていた。でふと気づくと目の前にあった。なので読んだ。笑う。

    覚えきれないカタカナ表記の外国人の名前が山ほど出て来る。(怪獣も 山の様な とたとえられている。ぐふふ ありゃ,先に読んだ伊良部先生がうつったなぁw)登場人物一覧はのっけのページにあるので最初はそこを何度も読み返しながら覚えようと努力した。でもちっとも覚えられないままにページだけは進む。

    あまりにも名前とその人の行動に特徴がないからだ。もっと言うと性別すら判然としない。主人公らしき人物は果たして男なのか女なのかも僕には最後までハッキリとは分からなかった。作者よりもきっと翻訳者にモンダイがあるんだな。こんな事なら,おい大森っ ススメるんだったら お前自分で訳せよ! とおおいに文句を言う。

    本自体は設定が怪獣なので僕にとっては大好物の物語だし,それなりにお話も面白いがとうとう最後まで誰がだれだかさっぱり分からなかった。そうなると多分,たぶん物語の面白さも半減しているのだろう。これもやはり年のせいなのかなぁ。やれやれ。

  • コロナ下、仕事をクビになったジェイミーは、旧友に誘われ“大型動物”の保護のための仕事に就くことに。
    ところが破格の待遇と引き換えに向かった先には、異次元の地球と生態系が広がっていた。

    ○怪獣ファンの怪獣ファンによる怪獣ファンのための物語
    ○ハリウッド映画のようなアメリカンジョークが満載て、好悪が分かれるかも
     映画で観させて欲しいです
    ○『トワイライト』はアメリカではかなり市民権を得た作品なんだな!と。
    ○後半のジェットコースター並の展開に振り落とされそう!
    ○気持ちよい終わり方
    ○カバーイラストがかっこいい

  • ヒデミス! で気になって買った本。
    主人公が友人から紹介された驚きの仕事とは?

    映画のように頭の中に次々と映像が浮かんでくるようなハラハラドキドキのあるエキサイティングで楽しい作品だった!

    『トワイライト』を読んだばかりだったのでエドワードとベラと名付けられた怪獣が出てきた時には笑った。読んでるうちにベラがだんだん可愛く思えてきた♡

  • コロナ禍でフードデリバリー・サービス会社を馘なったジェイミーは、知り合いに勧誘され、大型動物を保護する謎の団体(KPS)の職員となった。ジェイミーの役目は力仕事(「わたしは物を持ちあげる」)。訳も分からずグリーンランドに連れていかれたジェイミーは、そこで信じられないほど大型の怪獣が跋扈する並行地球へ足を踏み入れたのだった。

    核爆発が起こると並行宇宙の間の障壁が薄くなり、怪獣が穴を開けて人間世界に入り込むという。その最初の怪獣が水爆実験後に現れたゴジラだった。怪獣たちが人間世界にやってこないよう怪獣たちを監視しつつ、その生態を研究するのが怪獣保護協会の役目だ。怪獣たちは体中に生物原子炉を持ち、核エネルギーで動いている。 戦いで傷つくと時に核爆発を起こす。そして人間世界との間の障壁が薄くなる。おお怖!

    本作、日本の怪獣映画へのオマージュにもなってる。映画「ゴジラ」のプロデューサー名からとったタナカ基地に同映画の監督名をとったホンダ基地などなど。

    本作、コロナ禍で長篇執筆に行き詰まった著者が作品を投げ出したとたん、「『怪獣保護協会』の全プロットとコンセプトが、頭の中にいっぺんに落下してき」て一気に書き上げたものだという。コロナ禍の長い暗闇から脱出するために必要な明るいポップソングだったのだと(著者あとがき)。コロナの鬱憤を吹き飛ばすかのような、ウイットにとんだ痛快なSF作品だった!

    "ウンチフルーツ" には笑えたな。

  • 2024-04-15
    いやあ、楽しい。モンスターでも恐竜でもなく、まさに怪獣小説。過去作への言及などそのスジの人向けのネタも多いが、それが分からなくても問題なく楽しめるだろう。
    しかし、アメリカ人ってこういう粗野なジョークが好きだよね。ずーっと悪口言い合ってる。それが許される関係性なんだろうな。

  • 「これはポップソングだ。軽快でキャッチーな、いっしょに歌えるサビとコーラスがある三分間の曲。」

    著者が今作について書いた文が上手すぎて引用。
    まさにポップソング!
    軽快でキャッチー!
    いやー面白かった。
    怪獣ものに疎い私でもめちゃめちゃ楽しんで胸が熱くなった。
    好きな人が読んだら、散りばめてあるらしい目配せにも気づけて一層楽しいんだろうな。
    後書きまで最高!

  • 怪獣がマルチバースの地球にいて、壁の薄くなったところから人間が行き来している設定。それってよく考えると『ゴジラSP』とも似てるんじゃ? もっともあちらはゴジラがこの世界にやってきてしまう終末SFだったわけだけど。

    こちらの怪獣は、ヒヤリハットはありつつも、そんなに大暴れするわけじゃなく、人間のほうが危険ていうやつ。そのあくどい人間の生み出すトラブルに、「協会」の有能な面々が立ちむかう。といっても、主人公だってフードデリバリーの会社を首になって、ひょんなことから協会にひろわれたのだし、コロナのパンデミックもからめてあったりして、この世界との地続き感がうまく出ているところもいいかな。思ったほど怪獣が活躍(?)しないし、姿もよくわからないまま終わったりしたところがちょっと不満ではあるものの、テンポがよくてあっという間に読み切ってしまった。

  • スコルジー氏は老人と宇宙が大好きでその後の作品は うん、まあって感じだけどこれもそんな感じ。

    怪獣の体内には原子炉がありそのエネルギーで活動する って50年ほど前幼年雑誌の特集かなんかで読んで いや生物の体内にそれは変だろ!って幼児ながらに思い、 でもそのあまりの無茶苦茶設定にそのことは今でもワシの記憶にあるのだが なんとそこの設定も活かしてあって
    スコルジー氏 どんだけオタクなんだよ。って思わせてくれた。

    登場人物の会話がオタク全開で楽しい。
    私は物を持ち上げる。って多分なんかのギャグなんだろうなあ しらんけど
    スノウ・クラッシュのくだりが導入部に絡んでてそこも好き。
    でもまあ娯楽小説としてもSFとしても まあ ってレベル。
    怪獣物が好きなら読んでも損は無いよ

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