- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163193809
感想・レビュー・書評
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2022/6/26-7/10読了
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スウェーデンの高校生が環境問題を訴えるための授業ボイコットが世界中に拡大していることが話題に。それでこの本のことを思い出し再読。中学生の一斉登校ボイコットに端を発し閉塞し崩壊する大人社会を尻目に彼らが新しい社会を作っていくお話です。閉塞社会の変えるのは劇的な革命ではなく、このお話のように変わるべき時に静的に滑るように変わっていくものなのでしょうか。。。
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保守派には反感買いそう。
まあ世代が変わればモノゴト変わるんで、こういうことを謙虚に受け止め仕組みを変えていくことで組織や共同体は長く続くんだろうけど。
同調意識の高さゆえか一党独裁が続く政権だと難しいやね。
彼らが集った場所も世代気質とも言える将来的弱点はあるわけだが、それを受け止め補っていける許容度はあるだろうか。
海外流出は仕方ないよ。手応えも魅力もないことを強いるわけにはいかないもの。 -
経済や政治に関する内容がかなり占めていて、読むのが少し大変でしたがとても面白かったです。新書ではないのにそうではないかと思わせる色褪せない内容についページをめくる手が止まりませんでした。中学生たちが国の経済を動かして変えていくお話でしたが、本書を読み終わった時に、これが現実になったら今の日本はもっと良くなるのかな…なんて考えちゃいました。
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この本が出版されたのが、2000年7月。
今読んでも色褪せないですね。
というか、様々な人に取材をして書いたというこの内容は、
2000年からいろんなことがあったことを思えば、
よくここまで踏み込んでいるな、という内容です。
いじめと自殺についても、
教師の体罰についても、
原発とリスク管理についても、
リーマンショックや金融についても、
教育の役割と経済界の要望についても、
すでにその芽はこの本の中で触れられていたのだと思います。
この国の教育を変えるために、中学生達が集団で不登校を起こします。
そして、自分たちで学び、自分たちで会社をつくり、自分たちの経済圏をつくって、独立します。
さてさて、
リアリティがあるかといえば、うーん、僕はないように感じました。
しかし、本書のような書き方をすることで、
日本の病巣は何かは、
はっきりと浮き上がっているように思いました。
金融と教育、
資本主義経済と教育・道徳、
といった感じですが、
経済力や資本主義経済の勝者こそが正義だ、
みたいなのは、やっぱりおかしいと思うんですよね。
集団不登校した中学生たちだって、乗り越えられていない壁があります。
この本が出されてから、13年。
教育は変わっていないけれども、不登校とは違ったかたちで、
経済は変わってきているのではないでしょうか。
その上で、仕事のための教育、経済のための教育が優れているのかは、
よく考えるべきだと思います。
“「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」” -
2013/04/15
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のっぺりした中学生たちの顔かたちを想像して、思わずぞっとした。
中学生たちが学校を捨て、自分たちのコミュニティを立ち上げて、いつの間にか擬似国を作り上げるという近未来小説。
(現時点では近過去だが)
この国の経済、金融、教育、立法、保障、メディアの在り方に疑問を投げかける。
スマートになればなるほど、心は寛容になれない気がする。
スマートになれない人を軽蔑し、受け入れることができなくなるような気が。
老人を敬わない中学生たちのくだりは、なんだか吐き気を催す。
作者の言う通り、結果的に理想郷を作った中学生たちだが、彼らには欲望が欠如しているということが、彼らから表情を奪っていったのだろう。
金銭欲や所有欲や食欲や性欲みなぎったドロドロした人間こそ、本当に人間らしいのかもしれないなあ。 -
面白かったー!!
経済の話とか難しかったけど、すごく皆に読んで欲しい作品。物語はASUNAROにとってハッピーな流れだったけど、現実にはASUNAROなんて現れないかも知れない。
むしろ日本人は今読んだ方がいい。
そして何よりすごいのは、この本が刊行されたのは10年以上前ということ。この中にはすでに起こっていることもあればまだ起こっていないこともある。