ららら科學の子

著者 :
  • 文藝春秋
3.19
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本棚登録 : 354
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163222004

感想・レビュー・書評

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  • 001.04.1/15.4刷、並、カバスレ、帯なし、
    書庫。

  • 大変おもしろく読みました。日本での革命運動と当時の中国のズレ。若者だった主人公が中年になって見た日本。根本的な中国と日本の差。そのあたりがおもしろかった。主人公がだんだんと自分に戻っていく、自分のやりたいことを見出すあたりも、よかった。そして、久々に中国語のアトムの歌を聴きたくなったり、『点子ちゃんとアントン』を読みたくなったり、『猫のゆりかご』を読みたくなったりした。

  • <DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">なんでこんな題名なのか不明。パラパラとめくると文化大革命云々とあったので読んでみる。現代日本で浦島太郎状態になるのだが、異和感の描写が肌になじむ。昔のことは知らないが、文章の進行とは反対に現代から過去を照射することもできる。いわば「タイムスリップ」の楽しさを感じる。淡々とした記述なのだが、なぜか読み進めてしまう。</DIV>
    殺人未遂に問われ、中国に密航した過去を持つ彼は、30年ぶりの日本に何を見たのか。親友の組織に匿われ、不思議な女子高生と出会い、行方知れずの妹を追跡する―。その果てに下した決断とは?構想15年、連載から6年、ついに完成。待望の最新長編。

  • 60年代の学生紛争さなかに、殺人罪に問われた主人公は中国に密航します。当時文明のかけらもない中国の田舎に30年間過ごした彼は、やっと日本に密入して帰ってきます。30年ぶりの日本は変貌を遂げていました。
    現在と、中国での生活の様子を織り交ぜ、どんどん読まされていきます。大きな山場があるわけでもないのですが、飽きず最後まで読んでしまいました。結構ページ数の多い本なんですよ。
    感想も書きにくいんですが、おもしろいかおもしろくないか・・と聞かれたら、この本は面白いといってもいいでしょう。

  • 私が50代なら、もしくはそれに準じた何らかの知識をもう少し有していたならば、有効なエピソードは多かったんだろうか。どちらかというと名も知らぬ少女に心情が近すぎた。でも妹とのエピソードなど、すっきりよくて、ラストはそれでも清清しかった。

  • 2006/8/10購入
    2007/8/30読了

  • ゴゴシマヤにて購入。2月4日読了。

  • 手塚治虫が死んだ年は昭和天皇が死んだ年で、ベルリンの壁が壊れ、天安門事件が起きた。国際的な共産主義運動は終息した。60年代の鉄腕アトムと21世紀の鉄腕アトムは、30年の時を経て大きく変わってしまった。うめられない喪失感とともに。アメリカの台頭、資本主義の勝利は、空気のように当たり前な世界をつくりあげた。30年の時を経て、対立軸を失ったオヤジとその世界のどうしてもうめられない距離感。初めて読んだ、矢作俊彦。

  • たしか2003年の文学を振り返るみたいな企画で阿部和重の「シンセミア」と並んで評価されていたような気がする,文庫待ちだった作品.この著者を読むのは初めて.村上龍はどう評価したのでしょう.私のような団塊ジュニアには一種のお父さん小説,なのかも知れません.親世代を通してある程度時代的知識があったせいか背景に違和感なく読めた.未来がすでに終わっていた,最初の世代のレクイエム小説.

  • 2007年2月19日(月)、読了。

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著者プロフィール

1950年、神奈川県横浜市生まれ。漫画家などを経て、1972年『抱きしめたい』で小説家デビュー。「アゲイン」「ザ・ギャンブラー」では映画監督を務めた、『あ・じゃ・ぱん!』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞、『ロング・グッドバイ』でマルタの鷹協会・ファルコン賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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