キャパの十字架

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163760704

感想・レビュー・書評

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  • ゲルダ・タロー
    沢木耕太郎
    史上最大の作戦
    戦場カメラマン
    ちょっとピンボケ

  • 「崩れ落ちる兵士」という写真1枚の真実に迫るノンフィクション。
    ただの推測説ではなく、疑問点を1つずつ確かめていく感じは流石だが、もう少し図を多用して説明を分かりやすくしたほうが良かった。

  • 2016年12月19日読了

  • 犯罪というものは当然誰もがやってはいけないことなのだけれど、ある立場の人間が特にやってはいけない類の犯罪(法ではなくとも、ある種の慣習違反)というものがあるわけで。
    例えばボクサーはその拳で一般人を殴ってはいけない(これは判例としてただの素手でなく凶器と認められたことがあるようですが)。
    一方で、作家だって酔っぱらって誰かを殴れば暴行罪になりますが、それでも作品そのものの価値が直ちに失われるわけではない。
    では、作家がやってはいけないこととは何だろうか。

    そういう矜持とか鉄則とかを、人はいついかなる時でも、どれほど強固に持ち得るだろうか。
    写真というメディアが持つ暴力的なまでのパワーと、それを支えるプライドと呼ぶべきもの。
    疑うことは信じること、信じるために疑うのだ。

    まるでミステリ小説を読んでいるような気持ちになりますが、結論は、果たして。

  • キャパの十字架。キャパが「背負った」十字架と言いなおすことができる。キャパが撮った、あまりにも有名な戦争写真「崩れ落ちる兵士」。その写真の真贋について、執念で調べ上げていく本作。著者の考察、行動、さすがといった感じ。この写真によって、キャパどんな十字架を背負うことになったのか。そして、その十字架から解放されることはあるのか。

    正直、途中のあまりにも詳細な現場検証とかは、かなり飛ばし読みしました(笑)

  • 一枚の写真から、私たちは多くのことを想像する。
    その後ろにある大きな情景の一画を切り取ったにすぎないからだ。
    キャパを世にしらしめた一枚の写真の背景を追っていくうちに、見えてきた真実…
    沢木さんの丁寧な検証と誠実な人柄のわかる内容に、あの写真の秘密についても、深い共感を覚える。真実かどうかは、今となっては誰にもわからないが、キャパの持つ人間としての弱さ、上昇思考などを理解できるのではないだろうか。

    真実はひとつというけれど、真実に迫るには労力がいる。
    ひとつひとつ検証をすすめていく過程を、著者と同じ目線で、本当にわくわくしながら読み進めていった。ひさびさにノンフィクションの醍醐味を味わうことができた。

  • 手に取るまで随分と時間がかかってしまった。
    紙質が上等で、うーん…ここまでの紙質にせんで単価を下げんかいな、とちょっとだけ思った。

    著者も述べているが、この結論はおそらくスペイン人のアイデンティティによりまず肯定されないだろう。
    そしてそれは社会的にはあまり意味のないことのように僕は感じる。
    月並みだけれども事実と真実の問題だ。
    そこからのメッセージというものはまさに一枚の写真のように意味やイメージが独り歩きしていくのではないだろうか。

  • ジャーナリストとしての沢木耕太郎にはじめて触れた本。結論の賛否は別として、そこにたどり着くまでの過程は興味深いものがあった。もちろん、「それはどうかな?」という部分もあったけれど、著者と対話するつもりで読めば良いのではないかと思う。

  • ローバート・キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」の真贋に迫るノンフィクション。
    沢木耕太郎の取材力と文章力。
    今回も引き込まれました。
    さすがです!

  • 期待を裏切らなかった!

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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