- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163901794
感想・レビュー・書評
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2016.3.5
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全てがヒロトと関わった女性目線のお話だけれど、最後にヒロト目線のお話が聞いてみたかったと思いました。
どうやってのし上がって、どうしてまちこを選んだのか…
謎だからまた面白いのかなー。
はっきりしないままの方がいいのかなー。 -
博人という謎の男と、彼の虜になってしまう女達の物語。
影と魅力と得体の知れない恐ろしさが同居する男。道東の湿った空気と生臭さが博人の存在と繋がっている。
ロンドンやパリ、セーヌ川が出て来ると、とたんに街の匂いも湿った空気感も無くなり、何か違和感がある。桜木さんはやはり道東。 -
伏線が入り組んだ連作。
影山のキャラクター設定は見事。登場人物も、性格の設定は丁寧に行われているのに、容姿の描写が今ひとつ。
「ストレンジャー」のオチが気に入っているが、クセのある数字以外の伏線があると良かった。 -
人より多い末端をもつ男の中学時代から没するまでを綴った連作短編集。愛や恋、情ともいえぬ男女の絡みが全篇を貫く。果たして男は誠実だったのだろうか、幸せだったのだろうか。著者得意の北海道を舞台に昭和が繰り広げられ、懐かしさの中に読むものを引き付けるが、少々食傷気味で次回は全く違う題材で書かれたものを読んでみたい気がする。
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直木賞受賞作の『ホテルローヤル』よりはこちらのほうがグッとよい作品であると思う。男女の情愛を書かせたら天下一品である。作者がダメ男ではなくカッコいい男を書こうと意気込んで生まれたのがこの影山という男である。彼の憂いやセクシーさは薄暗い出自に起因するのかもしれない。途中まではとてもとてもよかったが最後の章だけが残念であった。ちょっと雰囲気がこれだけ違う。
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読了
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貧しく過酷な環境で育った男の暗いサクセスストーリー。成功の裏には、不幸な生い立ちの中で手にした、尋常ならざる女性の肉体のコントロール能力がある。
とにかく、あっという間に女性を虜にし、本人は女性に対してほとんど思い入れを持たない。生まれから没っするまで、さまざまな女性を通して彼の人生が垣間見られる短編集。
かなり強い性描写がある中、煩悩あふれる自分としては、どうしても表面的に「女性の扱いが圧倒的にたけていて、なんてうらやましい」と思う気持ちがぬぐえない。これはこの本のテーマとかなり反する、生物学的な感想であるが(恥ずかしい)、それがあるゆえに、なんとも真に作品を楽しんだ感が得られなかった。(自分のせいですが。)