朝が来る

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902739

感想・レビュー・書評

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  • 悲しいけれどあたたかい、そんな話でした。

  • 半分フィクションみたいな印象
    申し訳ないがひかりはバカだなぁという感想
    親も悪いけど自業自得だと感じてしまった
    ただ社会にはこういった状況に追い込まれている人も少なくないのでは
    そう『追い込まれてしまった人』
    社会全体で助けてあげられるような仕組みと『こころ』が必要だなぁ

  • 胸が締め付けられる内容でした。
    最後は泣きました。
    読み終わってまたすぐ最初から読み直しました。共感出来る部分が多々あり、現実の厳しさを知りました。
    妊娠・出産がどんな経過でどんな結末をもたらしたとしても、どんなに理想と現実が違ったとしても、それを体験した女性はけしてもう非妊娠時には戻れない。何も知らなかった頃には戻れない。どんなに辛い記憶であっても、忘れることは出来ない。

  • 大丈夫。どんなに暗くても朝は来る。
    これは、希望の物語だ。

    終わりの見えない、不妊治療。朝を運んでくれたのは朝斗だった。

    誰にも理解されない。一生懸命生きているだけなのに、気づけば堕ちるところまで堕ちていた”ひかり”
    彼女に朝を運んでくれたのもまた、朝斗だった。

    男性原因の不妊を通じて浮き彫りになる、女性への”押し付け”
    ”養子”への偏見
    十代の母への冷たい視線
    実の両親・家族との不和から浮き彫りになる、”血縁の呪縛”の恐ろしさ

    それでも、朝が来る
    すべての呪縛を解き放って。

  • 重いストーリーで、途中何度か辛くなったけど、続きが気になりグイグイ引き込まれました。最後はジワーッと涙が出てきました。子どもに恵まれず養子縁組で母親になった女性と、子どもを産んだけど育てることができず養子縁組に出した女性、2人の人生、気持ちが丁寧に丁寧に描かれていました。私にとって今年初の最高傑作。映画も楽しみです。

  • 最後の最後に救われた。
    あの一瞬で涙が・・・。

    「広島の、お母さん」は若さゆえか馬鹿な方、馬鹿な方へ進んでしまい一体どうなるかハラハラした。
    赤ちゃんを引き取った日から、周囲にも本人にも何も隠さず話してきた栗原夫婦の強さと優しさ。
    普通・・・出来ない気がする。

    八方塞がりで何もかも、どうしていいか分からない彼女を探してくれて見つけてくれて、抱きしめてくれて
    手を引いてくれて「ありがとう」って本に向かって言ってしまった。

    「養子」という前提の元で、決して隠さず誤魔化さず家族を築き上げてる栗原夫婦と朝斗。
    そして卑怯な手段で現れた産みの母親を消す事なく、「大事」だと語り続けてくれている夫婦の強さ。

    ネグレクト事件が多く報道されて溜め息ばかりの中、
    とても良い終わり方の一冊に少し救われました。

  • - 物語的には最初のジャブのような位置づけだったけど、子供同士の喧嘩で大人たちが揉めるシーンがじわじわと考えさせられた。自分の息子は「やってない」相手の子供は「やられた」と主張し、向こうの親も強硬姿勢。最終的には自分の子が正しくてほっとなるんだけど、途中の「自分がやったと言ってくれたらどれほど楽だろう」という母の本音や「僕が謝ったほうがいい?」という朝斗から思わず漏れてしまう言葉がリアルなんだろうな、と。自分が親になった時にそれができるんだろうか、後から振り返るとスケールが小さい話なんだろうけど、当人達には一歩ここでの振る舞い間違えると親子の信頼関係変えちゃうような、大きな話でもあるんだろなと思った。
    - こんな幸せな家庭に脅迫してきたこの女が、朝斗の母親なわけない。「もう周りには養子であることは伝えている」「広島のおかあちゃんはこんなことする人じゃない」「あなたは誰なんですか」と理路整然としてる栗原夫妻に安心しながら読むんだけど。いつのまにかその点と点を結んでいくストーリーに引き込まれている。
    - ひかりの思考回路がとても幼稚で、嫉妬とか見栄とかが多い小さな子供のままなんだけど、まさかここまで転落していっちゃうのか、と。予想外の展開で読んでくの辛くなった。最初は読みながらひかりにむかついてしかないんだけど、それでも最終的には感情移入しちゃってるから不思議ですごい。
    - 泣かせてくるシーンが散りばめられてるけど、一番目の前に浮かんだのは、夫婦で不妊治療をしてる時に「もうやめよう。美味しいもの食べて映画でも見て帰ろう」という栗原夫妻の描写と、夏の日に清々しくお腹の子に話しかけながら母として一人で外を歩くひかりの描写。

  • 子どもをもらう方と渡す方、2つの視点から物語が描かれていた。

    後半のひかりの話は壮絶で、誰か助けてあげてほしいと思いながら、どこで救われるのか…と次々とページをめくって読んでしまった。

    最後、よかったです。

  • 母同士の対比であって、子供同士の対比でもあるのかな。

  • 新年一発目、「朝が来る」読みました。
    NHK朝ドラの「朝が来た」じゃないですよ(^_^;)

    考えさせられる話でした。
    辛いことが多いけどみんなの優しさにあふれた小説だと思います。
    最後、良かった~

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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