空棺の烏 八咫烏シリーズ 4

著者 :
  • 文藝春秋
4.12
  • (155)
  • (205)
  • (86)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 1200
感想 : 191
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903026

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 雪哉のスクールライフと闘いの始まりです。
    めっちゃ面白かったです。
    早く続き見たいです。
    ホラー感は少なかったかな。

  • 面白い!
    先の話が気になって一冊完結ではなくなってしまった。

  • 1作目からは想像もできなかった世界の広がり。
    とりあえず、猿の襲撃を退け、危機的状況は回避したものの、新たな問題が勃発。
    すべての親である「金烏」の若宮が、実は金烏ではなかった、という嫌疑をかけられたのである。ではなんなのだ、と問うても、金烏に近いものであるとしか言いようがなくて、なんとも据わりが悪い。

    一方、己の大好きな故郷を守ることは即ち、世界を守ることであり、その世界を護る金烏を護ることが、大好きな故郷や大事な家族を守ることだと知った雪弥は、若宮に忠誠を誓い、首席で卒業できれば若宮の護衛となれる兵の養成所、勁草院へと入学することになった。まさかのスクールライフ(笑)が読めるとは思わなくて新鮮な感じ。

    猿の脅威は去ったわけではない。
    今まで、烏たちの話すことば「山内詞」を解する猿は出現しておらず、たとえ烏に成りすましていたとしてもそれによって見分けることができそうだという仮説は、山内詞を話す猿の存在が現れたことによって、もろくも崩れ去る。

    平穏無事に終わるはずもなく、物語はさらに深みへ。
    続きがますます気になって仕方ありません!

  • 前作”金烏”で若宮に忠誠を誓った雪哉が所謂士官学校に入学、雪哉のキャラものすごく好きですねぇ。ええわぁ。まぁ、登場人物が八咫烏なだけでティピカルな学園ドラマですが、設定がとても面白かった。このシリーズ、だんだんおもろなってきました。

  • シリーズ4作目は上級武官育成のための養成所・勁草院を舞台に、4人の少年たちの成長が描かれていきます。
    雪哉の策士っぷりに磨きがかかっており、凄すぎて半笑いになってしまうレベルでした…
    勁草院で気のおけない仲間に出会えたことで、より心の支えが増えたことも、彼の強さの源なのだと思います。
    計画のために仲間を利用してしまったことに悩む雪哉に茂丸がかけた言葉が、雪哉にとってどんなに温かく、心強かったことか。
    あのシーンで見せた顔が、雪哉の本当の素顔なのでしょう。

    また、若宮が本当に"真の金烏"なのか、という疑いがあることがわかり、若宮自身もその謎を前に悩んでいます。
    さらに、山内に再び猿が現れ…と、シリーズ全体もどんどんピークに近づいてきている気配。
    さらなる波乱が待ち構えていることをにおわす最後の一文に、次巻が楽しみなような、少し怖いような…。

  • 雪哉がすごすぎるけど、でも、おもしろかった。だんだん文もこなれてきて、あまりに奇想天外などんでん返しがなくなって、いい感じの運びになってる。続きが楽しみ。

  • これまたおもしろかった。

    阿部さんの1巻、2巻のどろどろ具合に心がやられていたので、いったいどんな結末が来るのかと話を読みながら常に覚悟していたのだけれど
    雪哉が年相応というか、同級生と騒いでる感じがみれたのは嬉しかったかな。

    まぁ、雪哉は最後まで雪哉だったけれど……(笑)

    最後の章では、殿下のこころがつらくて思わず泣いてしまいました。

    次巻がたのしみ。

  • 阿部智里さんの八咫烏シリーズ第四弾。
    今回は八咫烏の国の王ともいえる、
    「金烏代」を守るための上級武官を育てる
    軍事学校、勁草院のお話だった。

    八咫烏の世界では、
    宗家を頂に東西南北の四家が仕えて国を守っている。
    そこは、「金烏代」を名のる若宮とそれに対抗する者たちとの
    どす黒い陰謀もうずまく世界だった。
    将来の「金烏代」となる若宮の護衛をするために、
    勁草院では、優秀な少年たちに対して
    毎日厳しい訓練が行われていた。

    平民の茂丸、下人の千早、大貴族の明留
    そして、若宮に仕えた経験のある武家の雪哉
    4人の少年たちが入校するまでのエピソードが
    丁寧なタッチで書かれていた。

    誰もが平穏は毎日で生きていたわけでなく、
    特に下人の千早は、身近に罪人とされ、
    「斬足」という刑罰で
    人の姿になれないよう、3本目の足を切断されて
    一生「馬」とされた仲間を持っていた。
    一つ間違えれば「馬」にされていたかもしれないという境遇から
    彼を救ったのが、並はずれた運動能力だった。
    新しい名前と戸籍をもらい、
    若宮の護衛官になるために、厳しい訓練をつんでいたのだった。

    武人として優秀な才智をもつ雪哉も
    「主」とあおぐ若宮の参謀となるため入校。
    生まれも育ちも違う少年たちだが、
    いつしか友情も芽生え、晴れて卒業後は若宮も側近となった。

    人間世界よりも厳しい戒律と身分差別のある八咫烏の世界で、
    前作の続編のように、あらたな猿の出現も起こる。
    宗家四家、一致団結して、猿と戦いをしなければ、
    八咫烏の世界「山内」は滅んでしまうのではないか。

    読者の老婆心を見抜くかのように、
    次回作はいよいよ、すべての謎が解き明かされるそうだ。
    今から、楽しみにしている。

  • 既刊のシリーズではこれが一番好きだなと思います。雪哉がほんとキレ者になってて笑いましたけど。それでも感情面はまだまだで、だからこそ仲間を見つけていくところがほんと可愛い。
    ある程度仕組んでるんだろうなぁと思ってましたけど、ものの見事に操ってますね。2巻に割と近い印象。雪哉の考えた人員がほのままハマってるところとか‥想定外は出てこないのか、と少しばかり残念にもなりましたが。

    各章、名称の人たちの話かな、その人視点かなと思いきや千早の後半以降雪哉になってて笑いました。千早、寡黙だしあのエピソード終わったら、その先はないかもだけどさ!小猿のエピソードも、次に続く!という感じがあって、まんまと踊らされて続きが気になってます(笑)

  • それぞれの大切なものを守るため、少年たちは出会った

    八咫烏シリーズ4作目。宗家を守る山内衆を養成する勁草院でのお話。学園モノの定番とも言える対立と和解を経て友情を育みつつも、本筋ともいえる若宮即位問題が同時進行し、物語は加速度的に佳境を迎える。
    これまで生意気ながらも利発な雪哉を可愛いと楽しんでいた私としては嬉しいような、成長っぷりに開いた口がふさがらないような。
    山内という世界にも謎が深まる展開で、早く続きが読みたくてたまらない。

全191件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿部智里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×