- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163903699
作品紹介・あらすじ
デビューして今年で35年、「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん。とはいえ、「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」と不思議に思っている人も多いのでは?本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアの閃き方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。「好きなことを仕事にしたい」、「会社という組織の中にいながらも、新しい何かを作り出したい」と願っている人たちに贈る、これまでに「ない」ビジネス書(?)です。
感想・レビュー・書評
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この趣味ともいえることが「仕事」になっていく。
「ゆるキャラ」の命名者である、みうらじゅんさんの仕事のあり方を伝授。
すべては「マイブーム」から始まり、自分なすきなものに夢中になり、収集しまくり熟成させる。それもまだまだジャンルとして成立してないものや大きな分類はあるがまだ細かく区分されていないものに目をつけ、ひとひねりして新しい名前を「ネーミング」しいろんな仕掛けて「ブーム」をおこし、世の中に届けること。
まず、自分が惚れること、自分が打ち込めるものを見つけること。
自我を忘れて夢中になって取り組んでみること・・・。
すべては、そこから、始まります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2019年10月6日読了。みうらじゅんがいかにして「仕事」を作り出していったか、を語る本。とにかくやり続けること、まず自分を洗脳し、周囲にも働きかけていくことで無理やり仕事を産み出していく、と書かれてはいるが、これを果たして常人は実践できるのだろうか…?好きなこと以外は興味なさそうな氏が「接待」の重要性を語るあたり、本気なのだろうが冗談みたいで面白い。趣味にこだわり続ける人に「大人になれよ」なんて軽く言うが、大人になったことで何を得られるのか?何を失ったのか?と考えると軽々しくは言えない言葉だ…。とはいえ、もし自分の身近にこれほど「ない仕事」を突き詰めている人間がいたら、絶対面白いしバカにしたりはしないと思うが。
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みうらじゅんの仕事はほとんど、今までなかった仕事を生み出してきた。
マイブーム、ゆるキャラなど、それまでなかった概念を作り出し、世の中に一般的に流布してしまう。
いわゆるニッチ産業のようなイメージだったが、この本を読んで、むしろ企業がしたくてしょうがないイノベーションを一人でしてしまっているのだなと感慨深く思った。
本当のイノベーションは今までにないもの、市場の潜在需要を先取りし、色々なものを組み合わせ生み出すものだと思う。
今あるものはやっているものにのるのはすでに遅い(資本主義の競争に乗り遅れる)。
みうらじゅんは、自分の気になるもの、違和感のあるものに引っかかりを持ち、市場として成熟していないジャンルに対して、深く研究をすることで他の追随を許さないレベルに達する。ほかの人からみるとあほらしすぎること、瞬殺するのようなことに意味を見出すための地道な努力(フィールドワークにあたるようなもの)をしている。
その手段の為に、自分にその研究にいそしむように「自分洗脳」をしたり、編集者への企画提案、接待「一人電通」をしたり、いわゆるビジネス書にのっても違和感がなさそうなフレーズの営みをしているというのが、みうらじゅんのイメージと違い面白かった。
やはり、ここまで独自の企画を成り立たせるのは、クリエイティブで、かつビジネスとしても確立させるという、すごいことなのだなと。
飄々としているのですが、偉大なんだな。
本文中で、みうら自身が言っているが、小さいころから、コレクターなのではなく、編集してプロモーションする人なのだ。というところがキーだと思った。
集めて満足するだけではなく、他者に対してのアピール(編集、プレゼン)ができないと何事も価値として認められないということ。
80年代のテクノカットボストンメガネのエセおしゃれイラストレーター時代のみうらじゅんのかわいさには笑った。 -
自分の好きなもののために生きている、
それを周囲に関係なく貫き通している、
そんなイメージを勝手に持っていた。
なんとプロデュース力の高い人なんだ!
戦略的で、周囲を巻き込みながら
じっと大事になっていくのを待っている感じが
すごい。
自分が苦手なことは得意な人に任せればいい、とか
自分を洗脳するとか、
そんな心持ちで仕事ができたらうまくいくこともあるのかも、と思った。
イメージは変わったけれども、
身近な人だったら
やっぱり不思議な人、という印象だろうなあ。 -
内容(「BOOK」データベースより)
「マイブーム」「ゆるキャラ」の名づけ親みうらじゅんの「一人電通」式仕事術を大公開!
僕が尊敬している人の一人にみうらじゅんさんが居ます。ゆるキャラやマイブームという言葉の生みの親として有名ですが、僕らの世代では「大島渚」というバンドでイカ天に出た辺りが初めて認識した頃ではなかったでしょうか。しかもバンドマンでは無くてそもそも何を生業にしているのかさっぱりわからない怪しいお兄さん(その頃は)でした。
その後たまーにラジオやTVで姿を見かけていましたが何時まで経っても怪しさは変わらず、生業が分からないままでした。そもそも漫画家だって事も知らない始末でした。
確か20年ほど前によしだてるみのヤル気MANMANというラジオでコーナーを持っていて、その時にとんまな祭り(とんまつり)について熱く語るみうらさんの声に魅了されて、著作を買いに行ったのを覚えています。なんでこんなアホな事を熱く語れるんだろうと若かりし日のゆういちは感嘆したので有ります。そのとき確かヘビーロック風のとんまつりの歌も披露したりしてそのぶっ飛び加減にやられました。ふざけているのか本気なのかと判断に苦しみました。だって周りにこんな大人皆無ですからね。
そんなみうらじゅんが自分の仕事術について語る!しかも「ない仕事のつくりかた」もう題名からして素晴らしいです。無い仕事ってなんだよ!そんなのこの現代に存在するの??そう、それを作った過程を書いてあるんですよ。これは僕的には相当な名著です。お勧めです。 -
みうらじゅん氏、本当に面白いな。
「マイブーム」も「ゆるキャラ」も彼の仕事だったとは知らなかった。
嫌いというネガティブな感情を好きというポジティブに変えること、とにかく続けること(言い続ける、好きでい続ける)。
読者層の違う多種多様な雑誌で連載を持っている著者は、マイブームについて、一気に全部の雑誌に書き、それによっていかにも流行っているかのように見せ、そこから読者が興味を持ち始めるという話はとても面白く、さすがだなと思った。
また、多様な分野に興味を持ちつつもどれも深く追及しているところもすごいと思う。
「またやってる」ではなく「まだやってる」と言われることを望むように、ずっとやり続けることで見えてくるものがあるのだろう。
著者のように面白いと思ったことを追及し、仕事にまで繋がれば楽しいだろうなと思う。
新たな視点を持てる楽しい内容だった。 -
マイブームは自分が飽きない、折れない継続努力の賜物と知り、何故か感動しました。
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自分の「好き」が最重要!
「好き」なものがあって
それをみんなにも「好き」になってほしくて
でも、押せ押せでアピールするのではなく
こういうの面白くない?と、じわじわ攻める。
すると、いつの間にか世間が
「なんか妙なことやっているな」と
興味を持ち始める…らしいです。
子供の頃からのスクラップ帳とか
この本に掲載されていますが
たしかに、まず本人が楽しんでそうだわ! -
「私の『したい仕事』は世の中にあると思い込んでいました。しかし、どやら、ない。だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張をしてしまうと、世の中からすぐに「必要がない」「欲しくない」と気づかれてしまう。そこで自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになる。」
【感想】
非常に読みやすく、エンタメ的にも面白い本であった。何度か笑った。さすが、雑誌に何度も連載を抱えているだけはある。
筆者のこれまでの趣味・仕事を題材に、どういうことを考えて仕事を作ってきたかを紹介していく。「ない仕事」の作り方とは、自分だけが興味を持つ何かを見つけ、それに没頭するコト。世間が見向きもしてないようなことほどいい。そういうものに、良いネーミングによって豊かなコンセプトを与えて、自分の中で想いや知識を育てていく。そうして熱心に面白がっていると、いつの間にか周りも面白がっていることがある。
マーケティング戦略的に語るなら、常にセグメンテーションを意識して、独自の付加価値を生み出すコンセプト作りに伴奏しているようにも読める。みうらじゅん氏の特徴は、プロデューサーであって、自分自身が主役となって0から1を生み出しているわけではないこと。元からあったものに名前をつけたり、面白がり方を提唱していくことで、新しいコンセプトを創っていく。まさに、一人電通である。
【本書を読みながら気になった記述・コト】
■あえて常識と逆行する。違うコトをやってみる
>そして購入後、誰かに「何でこんなものを買ったんですか?」と問われたとき、「全くですよ、魔が差したんですかね」と答えるのではなく、「え、今ラブドールを買うの、当たり前じゃないですか?」と平然と答えるわけです。