西洋菓子店プティ・フール

著者 :
  • 文藝春秋
3.58
  • (70)
  • (235)
  • (231)
  • (29)
  • (8)
本棚登録 : 1695
感想 : 215
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904016

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 美味しそうなお菓子がたくさん出てくる本。お菓子のことを表現する感覚とか、繊細なお話ばかりだった。人を好きになるのってわからないよなぁ。私は夫のことをこんなに好きになると思ってなかったし、今も更新しているのは本当に良い結婚ができたんだと思う。今のところは。そしてこれからもきちんと話し合ったり喧嘩したりしていきたいなと思った。年に一回爆発させる喧嘩も興味がある。それもまた良さそう。明日は子どもの一歳の誕生日。さっきちょうど、まずは私たち2人とも子育て一年頑張ったしケーキを食べたいとおねだりしたところだった。生活を彩るあってもなくてもよい嗜好品。そこに生まれる会話や気持ちは無限にあるんだと思う。


  • 下町の商店街にある昔ながらの洋菓子店で
    繰り広げられるお話。今やスイーツって
    技術的な進歩からある程度は科学的に
    見た目や味なんかもおいしいものを作ることが
    できるんだろうけど、頑固なじいちゃんが
    食べる人のことを思い浮かべながらレシピ
    なんかではなくその時にベストな
    美味しいものを長年の感で作るってとこが
    よかったな~近くにこんなお店があったら
    じいちゃんの昔ながらの洋菓子をぜひ食べたい。
    でも孫娘の作るちょっと今風なスイーツも
    捨てがたい・・・

    孫娘のパティシエールにひとりきりを
    体験させたばあちゃんはすごいと思う!
    ほんとにそういう感覚は大事だけど本人では
    気づけないし、気づけないからその本当の
    意味も分からない。だから孫娘は作中は終始
    あんな感じだったのかと納得。

    とりあえず読んだ後は甘いもの、特に
    シュークリームが欲しくなりました。

  • それぞれが主人公として物語が書かれていて好き
    出てくる食べ物もみんな美味しそう

  • 23/10/03読了
    わりと素直に優しい話だった

  • 片思い、の話でもないし秘密、の話でもない。テーマが分かりそうで分からなかったお話だった。もしかしたらそんなテーマなんて無いのかもしれない。うん、ない方が可能性としては高いな。

    食べ物が出てくるお話は読みやすくていい。特に西洋菓子やアフタヌーンティーなどはお洒落な気配がむんむんするから、好きだ。

    最初の珠香の話で、あれこれ背徳的とか同性愛とかそんな感じの雰囲気?って思ったけど、その後の話では片思いの人が2人登場、祐介さんに至ってはいい人なんだけど亜樹といるシーンがなんだかカップルぽくなくて、ほんの少し違和感。
    ハッピーエンドでもない、バッドエンドでもない、3人ほど病んでるような雰囲気を感じる癖を持っていて、一番魅力的に見えたのはじいちゃんと長岡さんかな。

  • 下町の洋菓子店の職人肌店主とパティシエの孫娘、その婚約者に後輩の青年、青年を想うネイリスト、洋菓子店の客…といった人々が織りなす連作短編集。

    優しいお菓子も深みのあるお菓子も、それぞれの魅力と沼があり。その時々で求められる嗜好品。
    人々もまた、内なるクリームのように、奥まり見えない顔や想いもあり。確定されたものでは無い関係性でも、今、横にいる。

    安心にも、模索にも、持続にはそうあろうとする意志が必要で。その事に時に難しさを感じたり、無意識になったりしながらの、いつもの日常、並ぶショーケース。

    お菓子の描写が美味しそうで、色々食べてみたくなりました。

  • 祖父の西洋菓子店を継ぐ孫、その周りのお客さんや仲間たちの視点で書かれた短編集。短編集だけど話がつながっていてサクサク読めた!!
    感情や人間模様がお菓子の食感見た目などに合わさって表現されていたり内容も人間らしさがあってすごく読み心地の良い作品でした。
    洋菓子店に行きたくなるなあ。

  • 昔ながらのケーキ屋さんのお爺さんと、パティシエのあき。
    ケーキの名前がタイトルについた編ごとに、それぞれの人の視点で描かれていく。
    人から見たらあきは強くて、感情が見えなくてクールに見えるけど、本人目線だととても人間らしい。
    読んでいて、人の話はとても面白かったし、ケーキの描写はとても美しかった。(食べたくなる系の話ではなかったけど)

  • 千早さんの作品としては甘すぎる印象だった。

全215件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千早茜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮下奈都
青崎 有吾
辻村 深月
櫻部由美子
坂木 司
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×