西洋菓子店プティ・フール

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1695
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904016

感想・レビュー・書評

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  • 下町にあるケーキ屋さんが舞台の短編集。綺麗な装丁にうっとり。
    古き良き、と言いたくなる昔ながらのケーキと本場フランス感満載のゴージャスケーキ。どちらかだけが優れている訳じゃないし、食べたいものは気分で変わるときもある。その都度自分や相手をよく見て、話して、選んだり勧めたりするのが人生を(というのは大げさかもだけど)豊かにするコツなのかもしれない。
    主人公・亜樹のおじいちゃんとおばあちゃん、祐介さんがいる事務所所長の大森先生、紅茶屋さんの長岡さん。濃い人生を歩まれた方がいっぱいで味わい深い。
    美味しそうなケーキや焼き菓子がいっぱい、和菓子まで出てくるので読んでいて楽しかった!

  • まあ、結婚も離婚もたいしたことじゃないよ。
    しても、しなくても、一度くらいは後悔するし、一度くらいは良かったと思う。
    それだけのことだ。

    何が正しいかなんてまだ僕にはわからない。
    けれど、気づいてしまったら選択しなくてはいけないし、自分の選択に責任をもたなくてはいけない。

    他人なんだから、自分の思い通りにいくわけないだろ。
    いつだって同じ方向を見ていると思うな。
    一度、好きだって言われたら気持ちは永遠だなんて思うな。

  • 21.11月読了
    昔ながらの洋菓子店を舞台としたお話。
    主人公を取り巻く人達、それぞれの視点から話が進んでいく。
    時々ん?これ誰?とはなるけれど、誰だってコンプレックスだったり、僻み妬みはあったりするよなーとそこに共感。
    お菓子やケーキの書き方がとても詳しくて、名前が分からないケーキでも様子を思い描きながら読み進めることが出来た。
    他の作品も読んでみたい。

  • ミニコメント
    下町の洋菓子屋『プティ・フール』物語に出てくるお菓子から香りがただよって口の中に味が広がってくるような感じがします。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/588471

  • 連作短編。1話目で、読むのやめようかなとチラリと思う。主人公と恋人との間の空気がギシギシしてたから。2話目で視点が変わり、美味しそうなスイーツも次々出てきてたまらない。何度もネットで検索してスイーツの姿を確認。あぁ食べたい。最後の2話はぐっと引き込まれて一気読み。

  • シュークリーム、二種類、食べ比べたい!

    個人的には、プロポーズがらみのあたりがわりと良かったなぁと思いました。
    あと、喧嘩しながら事務所に駆け込んでくるスナックのママとかね。
    あ、これってネタバレになるん?ならない??

  • お菓子を作る人、食べる人、それぞれの思いや事情が描かれた短編集。ただの甘い・綺麗な・華やかな話ではなかった。でも、甘いお菓子にちょっと助けられ?救われ?たりして、ちょっと前が向けるようになる気持ちになれるお話。

  • お菓子のように繊細な文体が素敵。
    生クリームの脂肪球の話が心に残った。

  • はやりの千早茜。面白かった。商店街にある『西洋菓子店プティ・フール』を舞台とした連作短編集。最初の話で孫の亜樹が主人公だったので、ずっと亜樹中心かと思ったら、次の話で別の人になってたので、そういうことかと分かった。じいちゃんが主人公とか、友達の紅茶屋の長岡さんが主人公でも面白そうだけど、なかったわ。じいちゃんの秘密も気になるなぁ。で、最後でまた亜樹に戻ってくるのがにくい。ほんと、亜樹じゃないけど心配したよ。良かった。結局ばあちゃんが一枚も二枚も上手なんだよな。そして、亜樹と祐介、こんなに違う二人が結婚してうまくいくのかと思うけど、不器用なとこが似てるといえば似てるし、結局他人同士が結婚するんだから、それでいいのかもと思う。まぁ私は結婚したことないけどね。そして、私も亜樹のより、じいちゃんのシュークリームが食べたい。やっぱこの作家さん好きだわー。

  • 洋菓子店を舞台にすると、割とドリーミーで甘目の話になる印象が有りますが、そこは千早茜さんなのでいい具合にぴりりとしていて読み心地が良いです。町の洋菓子やの祖父母と、有名パティシエの元で修業した孫。
    祖母の具合が悪くなったことから、祖父の店を手伝うべく退職する彼女。周囲から見たら都落ちとも思える状況ですがそうではないのであります。丹精込めた町の洋菓子の素晴らしさでシュークリームが食べたくなります。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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