西洋菓子店プティ・フール

著者 :
  • 文藝春秋
3.58
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本棚登録 : 1695
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904016

感想・レビュー・書評

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  • 只々、シュークリームが食べたくなった。
    昔ながらの柔らかくて素朴なやつ。

    すっごくお腹が空く本。

  • 文体がかなり読みやすくて、心情の描き方がかなり好み。お菓子を扱ってるのもそうだけど、心の動かされ方とか、バターと砂糖の混ざった甘くて柔らかい香りを「琥珀色の空気」って表現してるのが、優しさと綺麗さと、その人の表現力とか感性の高さが垣間見える気がしてすごくいいなと思った。

  • 登場人物のコンプレックスが痛々しくて、ちょっと読むのが辛い部分もあった。伝わらない思いも、物語なら大丈夫だけど、自分の身に起こった出来事なら辛すぎて心折れるなって思う。
    読み物として好きだけど。

  • 商店街の昔ながらのケーキ屋さんと、その店主と跡取り孫娘をめぐる物語。
    洋菓子屋さんにかぎらないけど、昔からのやり方と新しい手法を合わせてうまくやるのは難しいのかな。でもこのお店なら、おじいさんの作り方を踏襲しつつ、亜樹が学んだ最近のお菓子も試して、両方並べても全然いいと思う。
    心地よい雰囲気はあるけど、なんとなく登場人物の特徴が薄いのか、どの話もあまり強く印象に残らず。でもいろんなケーキはおいしそう。

  • 仕事、片思い、寂しさ、夫婦、秘密など
    スイーツとともに描かれるストーリー

    登場人物全員、好きだ。
    面白かった。

    「他人だから分かり合えないことがある」で終わるのか
    「他人同士だから補えることがある」と捉えるのかで
    結構変わるなとも思ったし

    自分を卑下しても、
    自分が好きになったものを否定しちゃダメだ。

    っていう言葉が特に好き。
    本当にそうだよな、、

    あと、おじいちゃんが作るシュークリーム!
    食べてみたいよ~、、!

  • エッセイで知った千早さん。
    たまたまラジオ出演でお声も聞いた。
    ご縁があると感じて読んだ小説。
    繊細で、お菓子とストーリーのパーツがピタッとハマっている感じが心地よく、素晴らしかった。
    懐かしい系のシュークリームが無性に食べたい。

  • この本を読む前からずっと

    生クリームは顔に付けるようなシーンが、
    失恋にはショコラの苦味が、
    バターは夜の香りが。

    洋菓子はそうやって人の感情や、シーンを映すなと。
    言い換えれば私達は気持ちを洋菓子に乗せて
    口にしているのかもしれません。

    この小説はまさにそれを利用して
    人々の心や、生活を描いています。

    さらりと読みやすくあっという間に読了。

    初めての作家さんでしたが、他のも読んでみたいです

  • 西洋菓子店プティ・プールをとりまくそれぞれの日常が甘くほろ苦く描かれていて、この本そのものがまさにプティ・フール。

    ひとつのスイーツを楽しむとき、注目するのが味なのか、デコレーションなのか、はたまた作られた背景なのかで全く別の魅力や深みを感じるように
    全くカラーの違う登場人物それぞれの視点からの考えや状況を覗き見することで、ひとりひとりの人間味をより豊かに感じられたような気がします。

  • 初めての千早さんの小説。
    西洋菓子店を拠点に登場人物が絡んでいく物語。
    千早さん自身がお菓子付きなので、お菓子の名前や表現が素晴らしくて、口の中が甘くなる作品でした。
    美味しい西洋菓子を食べたくなるので、空腹時に読むのは危険!

  • 一話目に引き込まれて、大切に読みました。
    まとめ方が好みではなく残念ですが、
    満足のいく1冊でした。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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