コンビニ人間

著者 :
  • 文藝春秋
3.62
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本棚登録 : 17363
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906188

感想・レビュー・書評

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  • 終始気持ち悪かった。さすが村田沙耶香。

    でも多かれ少なかれ、みんな心当たりあるんじゃないかなー。

    私自身は○○○○人間だって。

  • 怖い。主人公がとにかく怖い。
    ホラーもサスペンスもないのに、主人公が怖すぎる。

    自分のアイデンティティをコンビニで働く従業員としてしか見いだせない主人公。

    もし、犯罪に関与していないサイコパスがいるなら主人公のような人なのだと思う。

  • 自分でもよくわからないその感情を言葉にしてくれたことで、自分の事や周りの人の事を整理して考えられた。
    私の姉がまさにそんな別の世界の住人のようなタイプなので、私は主人公の周りにいる店員や妹や義理の妹の考えにすごく共感した。人と違う姉は好きだけどどこかで恥ずかしく思ったり、常識的な感情を持たない姉を理解できずにいた。
    普通を押し付けるのではなく、理解できないという事を受け入れる事で、ありのままの彼女を受け入れることになる、そんな事に気づかされました。
    主人公は周りと馴染みたいわけではなく、擬態する事で面倒を避けている。その結果、本来の自分の求めている事に気づき、そんな自分を肯定する。
    欲を言えば、少し物足りない。もう少し読みたかった。もう少し話の中にいて続きをみまもりたかった。

  • 面白かったですね。久しぶりの一気読みでした。
    私自身がきっと「少数派」だから余計になのかも。

    コンビニで働いたことがないので、
    マニュアルなるものがどれだけ細かく具体的に
    書かれているのかはわからないのですが
    (ムラの)方針に従って生きる者だけが
    果たしてノーマルってことなんでしょうか?

    歯車になりたくないと何かと抵抗してしまう私。
    主人公の言う歯車の安心感を求める私。
    どちらもあるのに、受け入れられるのは
    歯車になり回転し続ける私のほう。

    マニュアルに沿ったコンビニの仮面を被らないと
    受け入れてもらえない主人公って…
    真似て努力している主人公が異端で
    (ムラ)の好奇の目の方が正常?
    なんだかとても切なくなりました。

    いろいろ言葉が刺さり、
    自分の考えと違う人をなかなか受け入れられない私が
    やっていた「上から目線」は改めようと思います。

    一気に読んでしまったから、
    気持ちが追いつかないですね。
    何年か後にゆっくり再読したいです。

  • ずっと読みたかった本。

    ………ちょっと思ってたんと違った_(┐「ε:)_

    「普通とはなにか」
    普通。一般的。平均的。特に変わりがない。
    「特徴がない」と表すと、周囲の人をマネする本書の主人公になる。たまにいるよね、そういう人。それもまた「個性」だと思うけどね。
    <(  'ω' ┌┛)┌┛
    普通ってなんだろうね。

    主人公はコンビニの歯車になることで「生きがい」を感じる人だ。
    人の恋愛事情に首っこんできたり、初対面の人に「ヤバ」とか言う周りの方が「普通」じゃないよ。キモ。
    比較的まともそうなのが白羽の義妹だが、どうなんだろう。「まとも」と感じるのは、私個人の感想で、私自身もコンビニ人間なのかもね?

    主人公は社会から爪弾きされないように生きている。白羽はどうなんだろうね。主人公は妹にアドバイスを受けながらカメレオンのように生活している。白羽は一応自ら考え行動しているが、社会の歯車にはなれそうにない。
    どっちが「普通」なんだろうね?

  • 感情や味覚の薄さからあまり人間味を感じられず共感はしにくかった。ただ、生きる意味というのは何でもいいと思うしあるだけで素晴らしく、それがコンビニ店員なのも全然ありだと思う。もっとこの先も知りたくなる終わり方だった。

  • 主人公視点で、変わった感覚を持っている人のお話。最初の死んだ鳥と花を殺す部分の表現すごく面白かったな〜。狂ってはいるんだけど、どこか納得してしまう。

  • 私には理解が難しかった。
    周りの「普通」に答えようと生きていくより、自分らしく生きていくことが大切って事かな
    とりあえずコンビニは私も好きです。

  • コンビニの事細かな仕事内容が書いてある。しかし世の中の普通って何なんだろうね。

  • 就職か結婚か、できれば両方していないと異物と見なされる社会。異物は治ることを期待され、排除されていく。
    正常であるとはどういうことか分からなくて、周囲の人を真似して正常を装う。多かれ少なかれ人間はそうして周囲の人を摂取して変わっていくもの。コンビニも人間社会もそうして代謝していくものなのに、「変わらない」「懐かしい」と感じられるのは、所詮人間はその部品でしかないからだろうか。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』などがある。

「2021年 『変半身(かわりみ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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