白光

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914022

感想・レビュー・書評

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  • 様々な価値観が崩壊してゆく激動の明治。
    結婚も子を成す事も望まず、ただひたすら絵師として生きて行く事のみを望む女・山下りんの物語。

    道を極める事への盲目的な執着は、往々にして恩を仇で返す事へと繋がり、世話になった多くの人々に苦い思いをさせるが、彼らの深く大きな心に見守られ、己の信じる道を貫いて行くりん。

    教会の力を借り、艱難辛苦を乗り越え単身ロシアへ渡るも、言葉の壁や不器用で直情的な性格が多くの諍いを生み、やがて病を得て帰国を余儀なくされる。

    帰国後も、教会との離縁、そして復縁…
    ロシアの革命、日露間の戦争と、過酷な運命に翻弄されながらも、ついに日本人唯一の聖像画師となる。

    晩年の、故郷・笠間に帰ってからの日々になぜか涙が溢れた。

  • 兄が優しい。

  • 朝井まかてさんの本はいつも実際の絵を調べながら楽しむ。宗教画はあまり興味がなかったので知らない主人公だったが一気読み。

  • 気に入らないと、恩義受けながら後ろ足で砂掛けるように逃げ出してばかりの、ワガママで愚かな主人公にイラッと。幕末から昭和までの日本と世界史。国に翻弄される個人。「宣教師、持っている宝、他を憐れむ心だけなのす」「教会にも世の中にも厳然たる階級、身分がある。信仰心の篤い高潔な者も使用人に対しては冷酷極まりない権力者に」「聖像画は窓。観るものであり、観られるもの。信仰から離れて美麗求めてはダメ」シロとクロが一夜で反転する激動の世。山下リンの生き様、読み応えあった。大賞候補かなぁ。

  • 宗教に関わるから聖人なわけではない。
    いろいろな人がいろいろな考え、思いを抱いている。
    だから、この話に出てくる人たちも、
    特別聖人ではない。
    それでいいも思う。

    でも、ちょっと身勝手過ぎる気が…
    何で最後改心してるのかもよく分からん。
    何でだろう、
    この作者の女主人公は、素直に応援できない。
    癖が強すぎる。

  • 興味のある内容だが、途中で飽きてくる。とばしながらざっと読むを2回。また気が向いたら、3回目に挑戦しようと思う。

  • りんと一緒に怒涛の人生を生き抜いたような気持ちになり、読了後に半端ない疲労感(いい意味での)がある本でした。

  • とてもよかった。
    時代物、歴史物の小説ってあまり読まないのですが、この方のは実際の人物を調べ尽くして、活き活き、豊かに描いてくれるので、史実にとても興味を持てます。

    この方の文章はすごく長いので時間かかりますが、丁寧に読みたくなる、読みやすい文章です。

  • 小説というよりは伝記に近い読み心地だったな。キャラクターに共感しづらかったからだろうか。カタルシスが得られず、文章は読みやすいのに読み疲れてあまりページをめくる手が進まなかった。ようやく読み終えてほっとしている。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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