白光

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914022

感想・レビュー・書評

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  • 日本人初のイコン画家として知られる山下りんの生涯を描いた作品。絵師になりたいという激情の赴くままに行動する勢いと、自分の思いと違うとみるやあっさりと見切って次に進む割り切り方がすごいなと思った。反面、そうした行動は“わがまま”とも受け取られ、あちこちで反感を招いてしまう。真の意味での信仰に目覚めてからはそうした行動も抑制されたように見えた。
    ニコライ堂は昔よく訪れたが、中に入れたことは一度もないので、機会があれば再訪してみたい。

  •  朝井まかて「白光」、2021.7発行。山下りんという聖像画師を描いた493頁の大作。多くの文献をもとにした力作と思うけど、美術に造詣がないのとロシアに馴染みが薄いことなどで、あまり面白くなかった。朝井まかてさんの筆力で完読はしました(^-^)

  • 著者初読み。「山下りん」さんのこと初めて知りました。自分の生きたい芸術と祈りの狭間で悩み切った姿が、一心な人であるからこそ切なく感じました。ニコライ神父も素敵ですね。というか、サンクト時代の周りも含めて、結局、「善い人」しか出てこない物語でした。「聖像画師」とは仏教でいう「仏師」に近いのでしょうか?「芸術」と「祈り」。若かりし時代のりんさんは「人間性を表現した芸術」を求めたかったのが「縁」により「神に向いた芸術」へと行きついたということでしょう。駿河台のニコライ堂に訪れたくなりました。

  • イコンの画家、山下リンの自伝的フィクション。彼女の絵に対する執着、描かずにいられない熱情。そして宗教画への葛藤と祈りへの目覚め。どの出来事もグイグイと引っ張られながら自己を貫く姿に圧倒された。
    この物語はもちろん山下リンが主役だが、大主教ニコライ師の生き方人柄も主役以上の存在感で心に残る。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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