ミカエルの鼓動

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914428

感想・レビュー・書評

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  • 23.01.02読了
    いい医者でよかった。読み応えも抜群でした。
    救える命と救えない命。
    危険はらんだ機械と人の手。
    出世欲と人を助けたいと願う思い。
    あらゆるものが交錯して、その中でそれぞれが選択し、歩んでいく。
    とりあえず主人公がよき先生でよかった。
    人間くさい感じがよかったなー

  • 非常に良くできた、医療ドラマ。
    手術用ロボットミカエルを使いこなす名医西条と、手技の頂点に立つ真木。
    2人の名医を擁し、病院を発展させようと目論む病院長、その陰に潜むミカエルの秘密。

    2人の名医の人間を描き、患者を描き、隠された秘密を暴く。
    途中からページを繰る手が止められなくなるというのは、大袈裟な表現ではない。
    面白かった。

  • ミカエルという医療ロボットをめぐる医療小説。
    主人公とそのライバルとして描かれる人物がどちらも自分の揺るぎない信念のもとに心臓手術を行なっていて、応援したくなった。病院では多くの部署があり、出世の利害関係など複雑な人間関係があるのだろうが、それに左右されずにとにかく患者の命を守ることを第一に考えるというのは、簡単にできることではないと思う。
    関係ないけど「ロボット支援下手術」というワードが頻繁に出てくるのだが、支援が下手、と何回も空目してしまって辛かった…。

  •  TVドラマ化しそうなキャラクター設定で、難しい医療用語もわからないながらも、どんどん読ませてしまう作品だった。
     生きることに何を感じるのか、最後のシーンは救いなのか。

  • Audibleで読了
    遠隔医療のバグを巡った医療サスペンス。孤狼の血の作者であることからいろんなバイアスがありましたが、あまり盛り上がらず。

  • ロボット支援手術を得意とする心臓外科医が、圧倒的凄腕の開胸派のライバル出現で、精神的に病んでいく展開かと思ったら、患者に真摯に向き合い、お互いにベストを尽くす中で機器の不具合という不正に立ち向かっていくという至極真っ当な流れで、気持ちよく読了した。

    登場人物それぞれが身内を心臓病で亡くしていたり、疾患を抱えていたりというのは偶然がすぎるようにも思う。

    常に自省しながら努力を積み重ねる中で、客観的第三者から評価、支持されることは勇気づけられることだろう。

  • これを書いている時に医療ロボットのダビンチで施術後に患者が死亡したとのニュースが流れた。まだ因果関係は明らかにされてはいないが、この作品のように事故を起こしたロボットの安全性に深い疑問を持つ。いつも考える事は闇に葬られた医療事故が果たしてどれくらいの数があるのだろうか。そんな思いがよぎった読書感である。それにしても作家の医療に関する知識は大したものである。読み始めから中盤にかけては、主人公の人となりが描かれ、難しい専門用語が出てきたりして、食傷気味だったが、真木医師の登場からドラマチックな展開となり、そこからは終盤まで一気読みである。真木医師との確執とその存在に過剰な意識の主人公。真木医師が登山で見出したものとは、プロローグは主人公の登山から物語は始まる。果たして主人公はそれを見つけることが出来たのか。途中で投げ出さずに読み終えて作品の面白さをまた一冊実感した。


  • 医療物語。柚木さんといえば、検事もの。
    こんなに難しい医療系の小説も書けるんだとただただ感嘆する思い。
    真木さんも西條さんもストイック。医療に対して誠実というかかたくなというか。「人間だもの…」。過ちを犯してしまったら、素直に反省し今後に生かすことが大事と思う。
    過去から得た真木さんの口癖 「先のことはそのときに考えればいい、いまは目の前にあることをするだけだ」が、心に残った。

  • なにか中途半端感が免れない。真木のほうに人間的魅力を感じたが、真木のエピソードを他人に語らせるのはとても説明的に感じた。西條の人物設定にもいまいち魅力が感じられなかったので感情移入も出来なかった。
    やはり孤狼シリーズや検事シリーズをもっと読みたい。

  • なかなか読み応えのある1冊でした。
    ミカエル…ちょっと抵抗感がある、というか
    怖い感じがした。
    自分だったら人の手で手術して欲しいなぁ。

    西條先生が、今後の人生を真っ直ぐな心で医師として再起できていればいいなと思った。
    再起できていたとしたら、その時は真木先生のように本物の医者になっているだろうな。
    そうあって欲しい。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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