風に立つ (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.85
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本棚登録 : 2000
感想 : 119
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  • / ISBN・EAN: 9784120057281

感想・レビュー・書評

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  • 久々の柚月裕子さん

    いつも読み応えのある作品を
    しっかり書かれている印象

    なのでこちらも腰を据えて読まなきゃ!
    …と思っているとなかなか手が伸びず
    ご無沙汰でした。


    でも久々に読むととてもよかったー!


    補導委託を受け入れる、ある家族の物語。


    補導委託というのは
    問題を起こした少年を、
    更生を目的として一定期間預かる制度のこと


    少年を預かることで、
    元々あった家族間のすれ違いも
    少しずつ変化が見られていきます


    家族それぞれの想いが
    丁寧に描かれていて
    後半は知らぬ間に泣いておりました。



    すごい大きな事件があるわけじゃないけど
    人と人とがきちんと向き合うことで生まれる
    心の動きがよく描かれていました。


    この本を読むと
    『幸せ』とはなにかと
    考えさせられます


    自分の過去の経験から
    子どもには同じ経験をさせたくないと思う孝雄と達也の気持ちもよくわかります

    でも子どもには伝わってなくて、、

    もっと関心を持って欲しいと思う悟と
    好きなことをさせて欲しいと思う春斗くん
    二人の気持ちもよーくわかる。。


    子どものことを思う親の気持ちは間違ってないのに、すれ違ってしまう。


    それはまさに
    『なにが幸いで、なにが不幸と思うかは、
    人それぞれだ。』からでしょう。


    親の思いも、子の思いも
    きちんとわかりあうために必要なのは
    話し合いでした

    バーのママが言っていた

    『思ったことはできる限り言葉にしないといけない。
    気持ちなんて、それでやっと自分が言いたいことの数パーセントが伝わる程度なんだから。
    しかも、それが近くにいる人だったらなおさら
    近すぎて見えないこともあるからさ』

    ということでしょう。
    とても納得してしまいました。



    また

    『あなたは春斗くんの敵ではないけれど、
    味方じゃない』
    『俺から言わせれば、
    あなたは春斗くんの応援者にすぎない』


    という言葉はとても考えさせられました。
    私は子どもの応援者になってないだろうか、、


    子どもの気持ちも、
    未来の可能性も考えて、
    味方でいる。。。

    子育てって難しいです。。


    うーがんばろm(._.)m



    盛岡は行ったことがないですが
    行ってみたくなりました(*´-`)

    • アールグレイさん
      どんぐりさん(^_^)/こんにちは
      この本、私92番目!待っている人は104人。
      市内の図書館、四館で四冊を回す!もし一冊だったら・・・・(...
      どんぐりさん(^_^)/こんにちは
      この本、私92番目!待っている人は104人。
      市内の図書館、四館で四冊を回す!もし一冊だったら・・・・(◎_◎;)
      2024/03/21
    • どんぐりさん
      アールグレイさん

      ひー!先は長いですね(_ _).。o○


      私は田舎に引っ越してから
      予約本がすぐ届くようになって、
      引っ越してよかった...
      アールグレイさん

      ひー!先は長いですね(_ _).。o○


      私は田舎に引っ越してから
      予約本がすぐ届くようになって、
      引っ越してよかったと思う事1位かもしれないです笑


      ちなみに1ヶ月半くらいで届きましたよ(`_´)ゞ
      2024/03/21
  •  我が家には、数十年前に盛岡で購入した南部鉄器のつりがね型風鈴があり、今も変わらず、高く澄んで残響の長い洗練された音で涼を運んでくれます。さすが「残したい日本の音百選」(これは水沢駅の南部風鈴)です。本作は、この風鈴がますます愛おしくなるような物語でした。
     また、先日の柚月さんのエッセイに続いて新作の本書を読むことができ、岩手の風土や柚月さんの作風を中心に、内容の理解が深まった気がします。

     南部鉄器工房の親方・孝雄(72歳)は、頑固、寡黙、不器用‥と、絵に描いたような昔気質の男。同じ工房で働く息子の悟(38歳)は、父とぎくしゃくした関係です。
     そんな父が、補導委託(試験観察)で非行少年・春斗(16歳)を相談なしで預かることに‥。

     本作は、こんな父と息子、そして預かった少年の親子関係の内面に迫る、濃密な物語でした。
     2組の親の過去、主人公と少年の心の揺れを丁寧に描き、周囲の支えと未来への希望を温かく見つめる柚月さんの眼差しが伺えました。

     親方の孝雄にとって少年を預かることは、亡き妻や息子への「贖罪」というよりは、自分自身の家族との関わり方への「問い直し」だったのかな、と思えました。
     結果的に主人公も少年も、親子関係の縛りを乗り越え、分かり合えたことが何よりです。親子関係、幸せについて深く考えさせてくれる秀作でした。
     読後の余韻に浸っていると、心の原風景に南部風鈴の涼やかな音が聞こえたように感じました。

  • まっちゃん、地球っこさん、aoi-soraさん と定期的に行っている「みん どく}。
    なかまと一緒に読書 楽しすぎ。。。


    今回はまっちゃんの選書で、柚月裕子さんの「風に立つ」を読みました。

    南部鉄器を題材に取り上げながら、親子の物語。

    問題を起こした少年の一定期間預かる「補導委託」。

    「人なんて、どんなに話し合ったって、百パーセントわかり合えることなんてない。それが近くにいる人だったらなおさらだって。」

    「応援することと味方をすることは違う。」

    柚月さんは岩手県出身。

    柚木さんだからこそ書ける小説でした。

    「チャグチャグ馬コ」というお祭り。

    ぜひ見てみたい。。

    • aoi-soraさん
      「作家とプロフ展」面白そう♪
      神保町本店でやってるんだね
      情報ありがとう
      6/30までらしいから、機会があれば行ってみたいな^⁠_⁠^
      「作家とプロフ展」面白そう♪
      神保町本店でやってるんだね
      情報ありがとう
      6/30までらしいから、機会があれば行ってみたいな^⁠_⁠^
      2024/05/20
    • いるかさん
      地球っこさん、まっちゃん、aoi-soraさん

      おはようございます。
      みんどく 楽しかったです~

      まっちゃん 選書 ありがとう...
      地球っこさん、まっちゃん、aoi-soraさん

      おはようございます。
      みんどく 楽しかったです~

      まっちゃん 選書 ありがとうございます。
      柚月さんの人生のテーマ「後悔しない」、好きな言葉は「大丈夫」、自分の人生に影響を与えた本は「シャーロックホームズ」 おもしろいですね。

      みなさん 楽しい時間をありがとうございました。
      また次回も楽しみです~
      2024/05/20
    • 松子さん
      あおちゃん、おはよ。
      そうなの、神保町の仮本店の一角で開催中なんだ。
      スペースがそんなに広くなくて一見地味な感じなんだけど、プロフの内容が面...
      あおちゃん、おはよ。
      そうなの、神保町の仮本店の一角で開催中なんだ。
      スペースがそんなに広くなくて一見地味な感じなんだけど、プロフの内容が面白いのと、質問内容が作家さんに聞いてみたいよねって質問ばかりで^_^
      お時間あったら、ぜひ!

      いっちゃん、こちらこそ楽しい時間ありがとうございました!
      きっと、いっちゃん、今すごく忙しいんじゃないかなぁと思っていて、でもみんどく一緒に楽しめて、本当感謝です。楽しい時間をありがとう^_^

      次はちーちゃんこ選書。どんな本と出会えるんだろ。ワクワク。夏の部のみんどくも楽しみにしてます!

      2024/05/21
  • 南部鉄器の職人である父は、仕事一筋で家族思いとは到底言えない昔気質の堅物だと思っていた。
    その父が突然、補導委託の引き受け先になると言う。
    母は亡くなり、妹は結婚して出て行ってから父との二人暮らしで、そこに問題のある少年を受け入れることが納得できない悟に有無を言わさぬまま、少年春斗が来る。

    工房で一緒に働く健司は、若い子が来ること事態が嬉しい様子で、手取り足取り面倒をみる。
    あまり喋らず、表情も乏しい春斗が、アルバイトの八重樫が来たときに己を爆発させたことがあったが、やがて落ち着きを取り戻す。


    春斗と工房で働き、一緒に暮らすことによって見えてきたものは…。
    悟にとっては父の存在が大きく影響していたように思う。
    自分にとっては、無関心であった父なのに春斗には笑顔を見せ、寄り添っている。
    嫉妬ではないが、何がそうさせたのかがわからないと戸惑っているように思えた。

    父が昔話をしたことで、悟にはわかったのではないだろうか。
    とても不器用な親子だけれど、その間にひとり少年が入ったことで見えてくるものがあった。
    家族だからこそ、近くにいすぎたからこそ伝わらなかったものがあったということに気づいた。


    幸せな人生とはなんだろう。
    恵まれた人生と充実した人生は違う。
    与えられたものと自分が望んで生きる道とは得る価値が違ってくるだろう。
    自分の目でしっかりと選んでその道を目指してほしいと願う。





  • じんわり、ゆっくり心に沁みる物語


    南部鉄器工房で働く職人の悟と、親方の父親。
    補導委託で預かることになった春斗と、その父親。
    二組の親子の姿が丁寧に描かれています。
    そして岩手の風景や文化がとっても好きになりました。
    特に、チャグチャグ馬コ!


    「補導委託」って知らなかったのですが、問題を起こし家庭裁判所に送られてきた少年を、一定期間預かる制度なんですね。

    38歳の悟は、父・孝雄と二人暮らし。
    母は他界、妹は結婚して家を出ている。
    男二人は本当に不器用で、気持ちを伝えることが下手だから、ほとんどお互いを分かりあえていない。
    ずっーと気持ちがすれ違ったまま、ギクシャクと過ごしている。
    そこに補導委託で、16歳の春斗を預かることになり…

    悟と春斗の心の苦しさ、戸惑い、悲しみ、そして喜びなど、心の揺れ動きを本当に丁寧に丁寧に、すくい上げています。

    悟は38歳にもなって、まだ父親の愛情が欲しくて、春斗を可愛がっている姿に嫉妬に近い感情を抱くなど、なんて子供じみているのだろう。と思わせるけど、敢えて柚月さんは書いているのかな。
    悟が言葉で伝えられずに、ずっと抱えてきた苦しい気持ちがよく分かる。

    作中の「応援することと、味方することは違う」
    「親っていうのは、子供の一番の味方であるべきなんじゃないんですか」
    という言葉が響くなぁ。

    私は親として、ちゃんと子供の味方でいるだろうか?振り返ってよく考えてみよう。
    そして、気持ちはしっかり伝えよう。親子という近い存在だからこそ。
    もし出来ていなくても、今からでも間に合うよね。


    この本は、いるかさん・地球っこさん・松子さんとの〝みんどく〟春の会の一冊です。
    選書は松子さん。
    素敵な作品との出会いをありがとう!!

    • aoi-soraさん
      いるかさん、地球っこさん、こんばんは^⁠_⁠^
      今回も本当に楽しい読書時間でしたね。
      まっちゃんに感謝です!!

      うん。嫉妬に近い感情かな?...
      いるかさん、地球っこさん、こんばんは^⁠_⁠^
      今回も本当に楽しい読書時間でしたね。
      まっちゃんに感謝です!!

      うん。嫉妬に近い感情かな?と思ったんたけど…
      私達の内面にある感情を文章でさらけ出されたような。
      ちょっと苦しかった。
      周囲の人たちの明るさに救われる感じだったね。
      スナックのママも良かったよね^⁠_⁠^
      名言だらけみたいな
      良い人だらけwww
      2024/05/19
    • 松子さん
      あおちゃん、こんばんは(^^)
      私も「応援することと、味方することは違う」の場面、心に響いたなぁ。味方でいたいのに、気づかないうちに応援側に...
      あおちゃん、こんばんは(^^)
      私も「応援することと、味方することは違う」の場面、心に響いたなぁ。味方でいたいのに、気づかないうちに応援側にいる自分に気付いて反省したよ。
      あおちゃんの感想、とっても心響きました。素敵です

      さっき、いっちゃんのコメントにも書いたんだけど、先日、三省堂書店の『作家とプロフ展」に行ったんだ。プロフの中にマイベストブック3っていうのがあって、柚月さんの答えが『すみません、頑張ったけど選べませんでした』って書いてあって。ほっこりしました(^^)

      今回もみんなで読めて楽しかったです。
      素敵な時間、ありがとう!
      2024/05/20
    • aoi-soraさん
      まっちゃん
      〝みんどく〟楽しかったよ〜(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+
      また大切な一冊に出会えました
      ありがとう♡

      「がんばったけ...
      まっちゃん
      〝みんどく〟楽しかったよ〜(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+
      また大切な一冊に出会えました
      ありがとう♡

      「がんばったけど選べない」って、柚月さん優しい方ですね
      この作品も静かだけど優しかったもんね
      2024/05/20
  • 南部鉄器、岩手山、盛岡八幡宮、チャグチャグ馬コ。
    読んでいる間、澄んだ空気や風が感じられる、
    そんな盛岡で繰り広げられる父と子の物語。

    無口な南部鉄器職人の孝雄、72歳。
    弟子で息子の悟、38歳。
    父親に対するわだかまりを心に抱え
    素直に父と話をすることができない。
    ただ、古くからの職人、健司は
    おしゃべり好きでお人よし。
    工房の雰囲気を明るくする。

    そんな工房で、孝雄の独断により
    問題を起こした少年、春斗を預かることになる。
    悟は突然のことに戸惑う。
    自分とはまともに口も聞かない父親が
    なぜ見ず知らずの少年を預かることにしたのか。

    春斗の登場で徐々に変わっていく父と子の関係。
    補導委託をすることにした父親の心の内は
    父の過去が明らかになる中、あぶり出される。

    スナックのママと健司のやり取りが面白い。
    ママが言う。
    「人なんてさ、どんなに話し合ったって、
    100% 分かり合えることなんてないんだよ。
    近くにいる人のことは近すぎて見えないこともあるからさ」
    「近すぎて見えないって、老眼かよ。
    そうそう、話した方が相手のことが分かる」
    と、ダジャレを重ねる健司。

    もうひとつ、いいなと思ったのは、
    悟が春斗の父親に啖呵を切るところ。
    「あなたは春斗くんの応援団に過ぎない。
    応援することと、味方をすることは違う」
    応援団は結果が出ないと怒ることがあるが
    味方は寄り添い続ける人だと。

    タイトルは、ある高齢会長の言葉に由来するのかな。
    「物事には風というものがありましてね。
    仕事、人生、時代にいろんな風が吹く。
    立ち向かうために必要なものは何だか分かりますか」
    回答は、やめておきますね。

    とても心温まる物語でした。
    でも、柚月ファンとしては、敢えて言いたい。
    もう少し読者を信用して
    最後の説明は端折ってほしかった。
    そして、やはり柚月さんには
    エッジの利いたミステリーを書いてほしいな。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      y y様

      おはようございます
      y yさんは柚月ファンでもあるんですよね!
      私、y yさんの本棚に柚月さんの作品が沢山あるの知っています笑
      ...
      y y様

      おはようございます
      y yさんは柚月ファンでもあるんですよね!
      私、y yさんの本棚に柚月さんの作品が沢山あるの知っています笑
      ずっと気になっている作者なんですが、まだ読んだ事がありません
      家には『盤上の向日葵』と『慈雨』があるのですが、いきなり読んでもOKですかね?
      2024/02/24
    • yyさん
      ハッピーさん ♪♪

      おはようございます。
      昨夜はこの本を最後まで読んで
      そのあとブクログも書いちゃったのですっかり夜ふかし。

      ...
      ハッピーさん ♪♪

      おはようございます。
      昨夜はこの本を最後まで読んで
      そのあとブクログも書いちゃったのですっかり夜ふかし。

      ところで、ハッピーさんの本棚の二冊、
      どちらも 絶賛 おススメ。
      お家にさらっといい本が置いてあるのね♡
      シリーズものではありません。そこ、気になりますよね。
      私は星評価をしていないけれど、
      自分の中では、二冊とも★5つ!!

      何に対しても、好みってあるから
      お口(?)に合うといいけれど☆彡
      2024/02/24
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      y yさん、お返事ありがとうございます♪

      ブクログ書いちゃうと、意外と時間が経っていたりする、する!
      あ〜ら、ビックリ!なんてことがよくあ...
      y yさん、お返事ありがとうございます♪

      ブクログ書いちゃうと、意外と時間が経っていたりする、する!
      あ〜ら、ビックリ!なんてことがよくあります

      娘がチョイスした積読本が沢山あるので、主にお伺いをたててから読ませてもらっているの

      そう、そう、この二作がシリーズものなのか、ちょっと繋がりがあるからこっちが先の方がいいよ、とかあるのか気になったもので
      こういうのは読み慣れている人に聞くのが一番だものね!

      y yさん、ありがとう(♡´ェ`♡)カシコマリ!
      時間がある日にゆっくり読みますÖk◡̈⑅
      2024/02/24
  • 更生のために非行少年を預かる補導委託の物語。
    少し前に読んだ、いとうみくさんの「夜空にひらく」に設定が似ていた。
    こちらは南部鉄器工房が舞台。何かしらの問題を抱えている少年と職人気質な親方という組合せは、それだけで更生のきっかけを与えてくれそう。
    親方の孝雄と息子の悟、少年春斗と父親の達也。それぞれの父子から、親子関係で大切はものは何なのかを考えさせられた。
    「親は応援者ではなく、子供の一番の味方であるべき」という悟の言葉は妙に納得。肝に銘じておきます。

    • どんぐりさん
      こんにちは

      私もこのセリフ、とても考えさせられました
      子どものことを思うあまりいつのまにか応援者になってしまってるパターンもあったりします...
      こんにちは

      私もこのセリフ、とても考えさせられました
      子どものことを思うあまりいつのまにか応援者になってしまってるパターンもあったりしますよね。。。難しいです

      でもやっぱり子どもの味方でありたいです
      2024/03/21
    • ねこさん
      どんぐりさん

      コメントありがとうございます♪
      同じところが心に残ったのですね。
      味方に徹するってなかなか難しいことですよね。気がつけば「が...
      どんぐりさん

      コメントありがとうございます♪
      同じところが心に残ったのですね。
      味方に徹するってなかなか難しいことですよね。気がつけば「がんばれ、がんばれ!」って思ってしまう。自分への戒めとなる言葉でした。
      本を読んでいて、こういう気付きがある瞬間が好きです。
      また、どんぐりさんのレビューも楽しみにしていますね(*^_^*)
      2024/03/21
  • 親の役割として子どもには幸せな人生を送ってもらいたいと願うこと。
    自分の心に嘘をついて、親の望む人間にならなくっちゃと我慢する子ども。
    親も子どももお互いの幸せを望んだ結果の生き方だったのだから、それを単純に正しいとか間違っているとかそんな言葉で決めつけることなんてできない。

    ただ話をすることは大切だなと思う。分かりあえないからって話すことを放棄したら、そこからさきには一歩も進むことなんてできないのだから。
    怖いけどね、勇気のいることだけどね。
    でも相手の想いを知ることから、きっと本当のつながりが生まれていくんだと思う。

    親子って身近すぎて、つい分かったつもりになっちゃうし、自分の見た一面からしか知ろうとしなくなっちゃうけれど。
    それって窮屈でちょっと息苦しい。
    でも、親という役割、子どもの立場、それらから解き放たれて「わたし」と「あなた」という個人対個人で見ることができたら、もう少し心に余裕が生まれるんじゃないかなとは思う。

    親の役割として、子どもが最短の距離と時間でまっすぐに進める旅を用意してあげること。
    子どもが自分の思うがままに寄り道できる曲がりくねった道を歩いて旅すること。
    宝物のように隠された生きる喜びを発見できるのは、どちらの旅だろう。用意された幸せと生きる喜び、どちらが子どもにとって、よりよく生きる意味となるのだろう。
    以前読んだ『はみだしの人類学』をふと思い出した。

    「歳なんか関係ないよ。僕にやりたいことを許してくれたんだから、お父さんも自分がやりたいことをやってよ。好きなことをすると、とっても楽しいよ」
    なんて素敵な言葉だ。

    松子ちゃん、いるかさん、aoiさんとの春のみんどく本。選書は松子ちゃん。ちょっといろんなことを思い出させてくれたなぁ。じんわり温かい気持ちになりました。ありがとう。

    • 地球っこさん
      松子ちゃん
      とても素敵な小説をありがとう。
      ほんと、松子ちゃんのレビューに書かれていたとおり、いい人たちばかりでしたね。
      人生にはいろいろな...
      松子ちゃん
      とても素敵な小説をありがとう。
      ほんと、松子ちゃんのレビューに書かれていたとおり、いい人たちばかりでしたね。
      人生にはいろいろな風が吹く……私もジーンときましたよ(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
      2024/05/17
    • aoi-soraさん
      地球っこさん
      素敵なレビューありがとう(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠.⁠。⁠*⁠♡
      私も読み終わりました。
      家族、特に親子の関係について考えさ...
      地球っこさん
      素敵なレビューありがとう(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠.⁠。⁠*⁠♡
      私も読み終わりました。
      家族、特に親子の関係について考えさせられる物語でしたね。
      チャグチャグ馬コって何だろう?
      って検索したら、可愛く着飾ったお馬さん♪
      確かに映像で見たことある。
      でも実際にも見てみたいなぁ…

      明日、感想書きます。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      2024/05/18
    • 地球っこさん
      aoiさん、こんばんは〜

      そうですね、家族、親子について考えさせられましたよね。近すぎて見えないものがあるんでしょうね。
      レビュー、楽しみ...
      aoiさん、こんばんは〜

      そうですね、家族、親子について考えさせられましたよね。近すぎて見えないものがあるんでしょうね。
      レビュー、楽しみにしてます(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      2024/05/18
  • 広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.316『風に立つ』柚月裕子/中央公論新社 | 特集・記事 | 広島T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/hiroshima/blog/humanities/38622-1004000204.html

    【文芸】風に立つ | ほっと一息 | いー山形どっとこむ
    http://www.e-yamagata.com/eyamac/hot-hitoiki/2024/02/01/1164/

    なぜ父は、非行のあった少年を更生させようとしたのか……親子だからこそ伝わらないことを問う | 文春オンライン(2024/02/05)
    https://bunshun.jp/articles/-/68613

    「あたたかな家庭なんて、ほとんどの人にとっては幻想」 柚月裕子が家族小説『風に立つ』に込めた想い|Real Sound|リアルサウンド ブック(2024.02.06)
    https://realsound.jp/book/2024/02/post-1558755.html

    naoki ando
    https://andonaoki.jp/

    風に立つ -柚月裕子 著|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/01/005728.html


  • 罪を犯した少年の補導委託を受け入れた、南部鉄器の工房が舞台。子を思う親心が核となるお話だった。

    親が子供の将来を思う時、
    良い大学に行って、給料が良い安定した職に就いて欲しい、苦労をさせたくないと願う親もいるだろうし、
    自分のやりたいことを、後悔のないようして欲しい、と思う親もいるだろう。
    どちらも、子を思う親の愛情からのものだ。この二つの考えの両立はなかなか現実的に難しい。だが、それをどうするか?という問いを投げかけられた。

    時々出来過ぎだな、としらけそうになることもあったが、先が気になりどんどん読み進めた。

    『子供が幸せなら、ずっと幸せなままでいて欲しいと願い、子供が失敗すれば、大丈夫だろうかと心配する。どっちに転んでも、これで安心ということは無い。(親とは)損な役割です。』
    この台詞が、とても心に残った。親が子の幸せを願う心は、見方によってはとても貪欲なのだ。

    気になったところ
    ○何かを作り出す者は、刺激や影響を受けつつも、己を貫き通す心がないと、中途半端なものしかできない。
    ○何かがこじれる理由は、相手の考えていることがわからないから

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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