性的唯幻論序説 (文春新書 49)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166600496

感想・レビュー・書評

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  • 男性の生物学的本能をして男性を浮気に走らせているわけではない、と。ふむふむ。

  • 人間は本能の壊れた動物であり、男は幻想を抱くことでしか性交できない
      ・・・ すべての人間は不能である。 この本の核心部分
    自分を再構築しながら読まなければならない、本当に読むのがつらい本


  • 人類みな変態。

  • フロイトの本を読んだときと同じくらい面白い本だ、と思いました。概念を定義せずに、あるいは定義していると感じさせずに論理的にかけるなんてすごいと思います。

  • 岸田秀さんの文章は本当におもしろい。具体性にも富んでいますから説得力もありますし。多少の無理な論証でも、この方にゴリ押しされると、私は参ってしまいます。ただ、「人間は本能が壊れた動物である」という前提については、同じ著者の「ものぐさ精神分析」をご覧になった方がいいでしょう。

  • 人間は本能が壊れた動物である、というところから拡大していくこの理論は本当に面白い。そして読みやすい。

  • 確か大学時代に文学史の教授が薦めたので読んだ。<br>面白かった。<br>でも何故これを薦めたんだ教授www

  • 人間には明確な発情期は無い。
    女性への幻想、性器への幻想、その他フェチティッシュな幻想等が性交時に男性が勃起するためには必要であり、その幻想は先天的(本能的に)に刷り込まれたものではなく、時代・文化に大きく左右されるものであるから性交は決して本能で行うものではない。「人間は性的に不能である。」ということを前提に西欧と、西欧文化に影響を受けている日本における性交・性的幻想・性差別についての本。
    江戸〜明治政府以降〜戦後〜現代の間で、キリスト教的な性交・性欲の排除による性的タブーの発生、政策による男女差別発生、はては資本主義も性的なエネルギーの変換により発生をしたのだということを論じている。
    タイトルが面白そうだと思って購入したので、著者については良く知りませんが、精神科医ではない様子、フロイト的な分析を用いたフェミニストなのかな?
    フロイトは人間の歪みやら行動原理やらが性的要因に集約されすぎているのと、人間解釈が病的すぎて読めずに挫折したので、フロイトの理論がでてくるとなんのことやらわからんところもありましたが。これはなんとか読めました。
    とても興味深い内容だとは思う。けれど、「性交したいという欲求はまず己のもっとも身近にいる母親に向かう。同様の願望は男児・女児共に持っており、それは母親の腹の中に戻りたいという胎内復帰願望であり、種の保存目的ではない。しかし、女児はやがてその”母の胎内に入れることができる部分”が己には無いことに気がつき女性としての自覚を持ち、女性の役割を引き受けるようになる。」っていうのはオェーと思った。そんな風に”母親との性交・性対象にすることへ嫌悪感を抱いてしまう”ことこそが、性的なタブーの刷り込みって奴なのかもしれませんが。なにも息子(性器)で胎内復帰しなくってもいいじゃない。性的なもの無しでは人間は他者と接触できないのか?と思いました。

  • 「人間の本能は壊れている」
    「すべての人間は不能である」

  • ヒトの性本能は壊れている、らしいです。なるほど確かにオトコは妄想を逞しくしないと興奮しないし、ムードが大事とオンナはのたまう。当然発情期があるわけでもないしねぇ。ヒトの性=セックスを支えているのは自身の内部にある本能ではなく共同幻想によって外部から強化されているという本書の主張には思わず唸った。

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著者プロフィール

精神分析者、エッセイスト。1933年生まれ。早稲田大学文学部心理学専修卒。和光大学名誉教授。『ものぐさ精神分析 正・続』のなかで、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする唯幻論を展開、注目を浴びる。著書に、『ものぐさ精神分析』(青土社)、「岸田秀コレクション」で全19冊(青土社)、『幻想の未来』(講談社学術文庫)、『二十世紀を精神分析する』(文藝春秋)など多数。

「2016年 『日本史を精神分析する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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