ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608874

感想・レビュー・書評

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  • 02.10.2016 読了
    働き方とか自分の身の振り方とかを再度振り返った。
    理不尽さとか非効率さとかが企業として、社会としての成長を阻んでいるのかな。
    自分の職場を振り返っても、悪しき習慣とか前年踏襲はザラにあるし、価値観を変えなきゃね。

  • 果てしなく残念な一冊。文春新書でまともな本にあたったことは今だかつて一度もないな…。

    本の中で紹介されている「ブラック企業」の実態は現実であるし、それが社会問題になっているのも事実だが、企業あるいは社会人としてあまりにも当たり前のこと(たとえば「非稼働はコスト」だったり、「話している人の方に椅子を向ける」だったり)を、鬼の首でも取ったかのように「ブラック」扱いしていて、議論全体のレベルが低い。事実誤認(たとえば「IT業界で35歳が定年と言われているのは、単純なマニュアル仕事を体力の続く限りやらせるから」とか、「中小企業は労働条件が悪い」など)も目立つし、著者が「対策」として推奨する「戦略的思考」とやらはあまりにも幼稚で現実的でないばかりか、鬱病発症の可能性を増大させる危険な方策だ。入社後に競争があることを取らまえて「ブラック」だと言われると、「この著者、ゆとり世代?」としか思えない。たぶん、就労経験も無いんだろうな、この略歴から察っするに。

    使えない社員に対して退職を強要する手段が横行するのは、企業の問題というよりも会社都合解雇を容易にみとめない日本の法制度の問題だし、新卒採用で(に限らず、40代、50代でも)退職に追い込まれると再就職が難しく、どんなに労働条件が過酷でも今の会社にすがり付かなければならないのも、新卒偏向採用という社会的習慣の問題だ。本来ならば流動性が求められるはずの労働市場と、従来の日本的な長期雇用の狭間に生まれたのが「ブラック企業」という妖怪であり、これを退治するためには、日本社会として様々な側面から同時多発的に労働力の流動性を高める政策を取る他はない。著者は何だかんだ言って「楽して長期雇用」の道を模索しているので、いろいろな箇所で議論が破綻している。

  • ブラック企業。。。昨年から凄く流行っている言葉ですが、この本を読むと、企業側の仕組みが凄く理解できます。。こんなことをしていては、日本という国の若い世代が全部、病んでいってしまうと感じます。。  しかしその根幹の原因は長きにわたって続いたデフレに問題があるとも感じますね。

  • 「ブラック企業」というワードを世間に広めた本の一冊。急成長した新興企業・グローバル企業に潜む過酷な職場環境と新入社員への洗脳。ロースクールの乱立による弁護士過剰市場における悪徳弁護士、そして社会保険労務士、キャリア・カウンセラー、そして大学におけるキャリア教育の光と影などが、鮮明に描かれている。とはいえ、「ブラック企業」の定義は曖昧で、定義づけまではされていない。

  • 本書で紹介されている事例はおそらく世間を騒がせた、かなり大きな企業の事例であろう。かつてブラック企業に籍をおいていた私ですら思わず眉をひそめてしまうほど非道な実態と、それに対する著者の静かなる怒りを感じた。

    また、就労に起因する精神疾患の治療費が、労災保険からではなく、健康保険や国民健康保険から支払われているケースが多いことなどを挙げ、ブラック企業が日本経済にタダ乗りしていると断じている。自分が籍を置いているときは、そんなことを考える余裕すらなかったが、もっともである。旧来の日本型雇用の悪用こそが、ブラック企業であるとの指摘もあり、まさにタイトルのとおり『日本を食いつぶす妖怪』。

    本書を読んで、安心して、一生懸命になって働けるということが、本当に有難く、そして難しい世の中になったと感じた。

  • ブラック企業の事例が豊富でした。
    ブラック企業に対する対応策もあり、勉強なりました。

    「鬱病になるまえに、五つの思考・行動を」(p.125-133)より、5つの戦略的思考を抜粋。
    1.自分が悪いと思わない
    2.会社のいうことは疑ってかかれ
    3.簡単に諦めない
    4.労働法を活用せよ
    5.専門家を活用せよ

  • ブラック企業の実態、ブラック企業が生まれてくる社会構造を丹念に論考しており、非常にわかり易かった。
    ブラック企業とは単にきつい職場くらいの認識であったが、もっと悪質で確信犯的な行為を行っているところも多々あるようだ。
    大量採用して、使える人材を選別し、不要な人材は解雇ではなく自主退職に意図的に追い込んでいくという手法は倫理的に全くいただけない。それがひいては日本全体の不利益に繋がるのだ。
    ブラック企業という言葉を、著者が言うように簡単に定義はできないが、不健全な労使関係にあることは間違いがない。その処方箋は社会のあり方を変えることと、労働者自身もその対応方法を学んでいくことである。悪質な労使関係を許してはならない。
    ブラック企業も彼らなりの「合理的な」行動なのだろうけど、これからのグローバリゼーションでブラック企業は更に増えるんだろうなぁ。

  • ブラック企業への対抗策だけ読んだ。

  • なにをブラック企業とするかは難しいところだけど、少なくとも本書で紹介されているようなところは許しがたい。
    極端な話だけど、労働者に労働の喜びを与えられないような企業など全部つぶれてしまえ、と叫びたくなる。

    対処として、被害にあっている個人に何か求めるのは酷だと思うんだよね。
    だから社会でなんとかしないといけない。
    第一歩として、ブラック企業の商品は買わないとか、そんな小さな行動はとったっていいんじゃないかな。

    でも何より効果的なのが景気回復。
    某牛丼屋の深刻な人手不足からもわかるように、景気が回復して「代わり」がいなくなれば、ブラック企業は淘汰されるはず。

    その点で、アベノミクスの成功を心から祈っている。

  • 違法な労働条件で若者を働かせ、人格が崩壊するまで使いつぶす「ブラック企業」。人を人として扱わない会社に腹が立ちます。ブラック企業に就職してしまったら・・・対策も書いてあるので読んでおくべき1冊です。

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著者プロフィール

POSSE代表

「2021年 『POSSE vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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