- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166611232
感想・レビュー・書評
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未だに誤診があったり対応策が確立されてない、未発達な分野なんだって言う事が分かった。
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発達障害について体系的に学ぶ際の一冊としてオススメいたします。
いろいろなケースが詳しく記載されており
筆者(医師)の発達障害への向き合い方や
それでも判定が難しいことなど
いま、この特徴が抱えている課題が網羅されていました。
評価が辛口なのはケースは多くてタメになりましたが
読むことにタフさが求められたが故です。 -
昭和大学医学部教授で、臨床経験も豊富な著者による発達障害の概説書。仕事の資料として読んだ。
発達障害の研究史を手際よく辿り、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如多動性障害)の共通点と相違点を一章を割いて説明し……と、概説書として過不足ない内容である。
一般読者を引き込むための工夫も、随所に凝らされている。
たとえば、開巻劈頭、「シャーロック・ホームズはアスペルガー症候群だったのか?」という問いから文章が始まっていたり、アンデルセンやルイス・キャロル、大村益次郎などが発達障害であった可能性を考えたり……。
過度の論文臭がないのはよいことだが、読者の下世話な興味に迎合しすぎている面もある。
たとえば、第6章「アスペルガー症候群への誤解はなぜ広がったか」や第7章「発達障害と犯罪」で、著者は犯人の発達障害が関係しているとみなされた著名犯罪を取り上げている。豊川主婦殺人事件や佐世保小6女児同級生殺害事件、深川通り魔殺人事件などである。
そのうち、豊川の事件については、加害少年が精神鑑定でアスペルガーだと診断されたのは「まったくの誤診であった」と、著者は言う。また、佐世保の事件でも加害少女がアスペルガーだと喧伝されたが、著者はそのことに疑問を投げかける。
いっぽう、深川通り魔殺人事件については、犯人の子ども時代の行動は「ADHDの診断基準を満たして」おり、そのころに適切な医療介入が行われていれば事件は起こらなかったかもしれない、と述べる。
そうした主張自体は傾聴に値するのだが、それらの事件内容について、必要以上に詳述しすぎだと思った。煽情的な犯罪読み物みたいな記述が延々と続き、ウンザリ。
私が編集者なら、そのへんの記述は全部カットして、終章の「発達障害とどう向き合うか」をもっとふくらませる。 -
大人の発達障害も近年脚光を浴びているが、2017年3月発行であり最新の知見に基づいて書いてあることがよいと思った。
ASD(自閉症スペクトラム≒広汎性発達障害)に、アスペルガー症候群や自閉症等も含むようになり、ADHD(注意欠陥多動性障害)の2本柱として症例を中心に紹介している。
ASDとADHDの共通点・相違点、映像記憶・共感覚・学習障害、天才、アスペルガー症候群への誤解、発達障害と犯罪、発達障害を社会に受け入れるには(機関等)について、各章で紹介している。
最新知見はあるのだが、新書である限り図解は少ないので、理解が難しいながら図解などが多い本で全体像を掴んでから読むこともよいと思う。全体的には理論+症例の紹介という流れだった。 -
空気が読めないとして爪はじきにされがちな人はASD・ADHDなどの発達障害かもしれない。ドラマや映画の中にもその傾向を持つ人がしばしば描かれる。発達障害であることを認識し適切に対応すれば、仕事も生きづらさも犯罪も、本人にも社会にも、よりよくすることができる。
診断基準や人口におけるパーセンテージを常に提示し、メディアや実例での具体的な言動事例を描いているのがGOOD。 -
こ~ゆ~本を読むたび思う。
あれ?私はアスペではないのだな。 -
「発達障害」と呼ばれる症状のうち、特にASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥・多動性障害)を取り上げて論じた書である。症状そのものの解説に加え、世間的な「発達障害」に対しての誤解や偏見への反論に、かなり多くの頁を割いている。