新装版 されどわれらが日々 (文春文庫) (文春文庫 し 4-3)
- 文藝春秋 (2007年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167102050
感想・レビュー・書評
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私の高校時代の最高の一冊でした。
今読むと生硬な感じがするストーリーですが、登場人物の台詞はいまでも鮮明に覚えております。幼い頃薬は牛乳で飲みなさいと教えられた女子大生が青酸カリを飲むのに、水で飲むのを躊躇するシーンやそういったすべてが懐かしいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一つの時代のおわりを感じさせる物語
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あの時代に何があって当時の人は何を考えたんだろうか、を知りたくて買った本。
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浦野所有。
昭和39年の芥川賞受賞作。当時の学生に支持され、芥川賞屈指のベストセラーとなった小説です。描かれているのは共産党員の若者群像。自らの信念だけを追い求める学生の姿や、男尊女卑的発想などが、昭和30~40年代の世相を彷彿とさせます。資料的にはいいと思うのですが、正直、それ以上の価値を得ることはできませんでした。
はっきり申しまして、なぜこれが当時の若者に支持されたのか、さっぱりわかりません。ストーリーも陳腐。小説の姿を借りただけの、しいたげられた若者の主張にしか見えず、どこをどう読んだら楽しめるのか、さっぱりわかりませんでした。
そんな感じであまりオススメはできませんが、芥川賞のなかでも5本の指に入るベストセラーであることは確かなので、内容を確認するために読むのはいいと思います。時間があれば、どうぞ。お貸しします。 -
みんなそれぞれ自分の想いを長い手紙に託して愛と孤独のジレンマに苦悩している。
時代背景がピンとこなかったけど当時の様子を知ることができたし、現代の若者とはみんな考え方が違う気がした。
憧れの国語の先生のオススメだから読んだけどちょっと難しかったです -
柴田さん作品は読んだことがないんで、
この『されどわれらが日々』か『贈る言葉』かどちらかを
まず読んでみたいと思います。 -
芥川賞シリーズ ③
学生時代読んだ記憶があったが今一度読み返してこんな内容であったのかと読んだ。映画化もされたようで当時の学生運動の渦の中で生きてる若者の姿が視覚的にわかるくらいよく書けています。自分は学生運動が終わった世代で運動については先輩たちから少し話を聞いたくらいでした。この本は学生運動とは別に若者の「生きること」への戸惑いや何のためにという問いかけに真摯に向き合っている点がいいです。
テレビドラマの「俺たちの旅」、「ふろぞいな林檎たち」に通じるものもあると感じます。 -
当時の学生運動や政治的人間にフィーチャーしてるわけですが、 それよりも若者特有の思春期的悩みが主題であると思った。
時代や環境は違っても、普遍的に通ずる部分があって、読後に「おもしろい」と思う現代の若者は少なくないと思う。
ただ、登場人物全員の頭が良く、考察が深く、やや親近感をとびこえた感はある。
「空虚」「虚無」という言葉がたびたび出てくる、全体の印象としては「疲れた小説」という感じだった。一つの小説で二人の自殺者とその遺書が載っており、 終盤において小さな灯火のような希望感が描かれてはいるが、全体的な虚無感は挽回しきれていない印象。 -
1964年版単行本 文藝春秋