失踪者 (文春文庫 お 26-2)

著者 :
  • 文藝春秋
3.26
  • (12)
  • (35)
  • (81)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 395
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167451035

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久々の折原作品。

    少年Aとは一体誰なのか。
    途中混乱した箇所もありましたが、特にダレる事なく一気読み。
    普段は犯人とか全く当たらない私なのですが、
    今回はピタリと当たって何だか嬉しい!

    すぐに内容忘れてしまいそうですが…。

    シリーズものだと知らずに二作目から読んでしまった。
    一作目も読まねば。

  • ほんとにサイコパスっているのかしら?きっと社会のルールに沿った生活ができないってつらいよね。きっと常識を理解する気持ちと本能とのせめぎあいだもんね。

  • 意外性のある犯人ではないが推理していく楽しみは味わえる作品でした。結末・真相は大変面白いと思ったのですが、作者は犯人当てに主眼をおいたのかラストの進行は性急なものになっているのが残念。
    過去と現在の事件描写と手記の多方向から紡がれるストーリーは複雑さ故に人を選びそう。通勤通学中に少しづつ読んでいける作品ではないですね、じっくり腰を据えて推理したい人向けです。

  • ちょっと長い

  • 弓子が最初に少年Aの家に独りで行ってしまったときの、独りになる無理矢理さと偶然さにその状況にさせるには周辺のこのキャラが少年Aだからだなと思いついてしまうので、そこはなんとかしてほしかった。

    折原作品のラスト直前までの緊張感は好きだけど、ラストの種明かし部分のコメディ感はテンション低くなるんだよね。

  • 犯人この人かなーって途中からわかってしまったが、それでも面白かった
    叙述トリックものとして楽しめた

  • 3

  • 犯人コイツかー!!!!!って感じでした。

  • すっかり騙されました!
    ちょっと混乱する部分もあるけど楽しめました。

  • 折原一による「○○者」シリーズの第二弾。いつもどおり,ノンフィクション作家の五十嵐智也が登場するが,五十嵐智也だけでなく,高嶺隆一郎というノンフィクション作家も出てくる。
    失踪者の肝となる部分は,失踪者という作品が,高嶺隆一郎というノンフィクション作家の作品と思わせ,実際は,五十嵐智也の作品であったという点である。高嶺隆一郎が,15年前の少年Aであり,15年後に「ユダの息子」として連続通り魔事件の犯人であるという点である。ノンフィクション作家としてスランプ気味であった高嶺隆一郎が,スランプを脱出するための賭けとして,改めて連続通り魔事件を起こし,ひとりの少年をその容疑者の仕立てあげ,少年法の問題点をえぐりだすノンフィクション作品を作り出すというストーリーが描かれている。
    もう一つ,15年前にあった連続通り魔事件の犯人は,高嶺隆一郎の母である田沼三枝子であった。高嶺隆一郎の父である田沼敏夫が不倫をしていることから,精神的に不安定になった三枝子が殺人をし,田沼敏夫が死体を隠蔽する。三つの殺人を犯した段階で,殺人を止めるために三枝子を殺害するという話が描かれている。
    ノンフィクション作品を模し,手紙や供述調書,さまざまな人の視点からの記述を駆使し,読者を翻弄するという折原一の手腕が発揮されているが,全体的に切れ味が鈍い。
    ミスディレクションとして出されている日野孝彦という弁護士が,あまりミスディレクションになっておらず,慣れた読者なら,高嶺隆一郎が15年前の少年Aであることは見抜いてしまうだろう。最後まで読んだときの衝撃は薄い。大久保健太が高嶺隆一郎と大久保亜美の子どもであるという部分もあまり生かされていない。神崎弓子と高嶺隆一郎との関係も最後の最後で急に動くが,唐突感がいなめない。いつもの折原一らしさといってしまえばそれまでだが,読んでいる途中の盛り上がりに比べ,ラスト部分での伏線回収と真相の提示の仕方が盛り上がりに欠ける。また,読んでいる途中のワクワク感も,他の作品ほどでもなかった。トータルでは★2止まりか。

  • 「~者」シリーズ。15年前に連続女性失踪事件が起きた久喜市でまたも失踪事件が起きる。今回も犯行は「少年A」だと考えられるが、ノンフィクション作家の高嶺隆一は助手の神崎弓子と事件を追う…。
     よく知らないけど、叙述ミステリーってこういうのなの?めっちゃだまされる。1作前に読んだ作品もそうだけど、読み終わったあとに、また1頁目からめくってる、復習みたいに。

  • ミステリ好きにも関わらず犯人を当てることが苦手な私だが、今回は犯人をぴたりと当てることができた。それだけ丁寧に緻密に描写されているということだと思う。

  • 2015.4/23〜29。先に冤罪者を読めばよかった。折原一だから叙述なのはわかっていたが、それでもコロコロ転がされた。過去と現在で少々複雑。

  • 15年前の失踪事件とそれに類似する事件が複雑に交差します。文中の独白も誰のものだか隠されているので、状況を把握するのに苦戦しました。
    「冤罪者」で馴染みの登場人物が出てくるので「またノンフィクション作家の話か」と思いましたが、犯人へ迫るまでの過程は秀逸ですし、少年法についても色々考えさせらたので、読み応えがありました。

  • この人の本は、一気に読んでしまえば良いが、少し、時間を置くと
    分からなくなってしまう。特に、大詰めがこの人の生命線なのだが、誰が
    誰だったか?また、探偵役などが犯人などのパターンが多く、ドンデンに
    懲りすぎ。途中の複線にもう少し、親切さが欲しい。

  • 犯人は途中でなんとなく予想ついたが、15年前の真実はなかなか意外。

  •  叙述トリックと書いてあると「ははんそう来ましたか」という気持ちになってしまうんだが、疑いながら読んでいても面白かった。
     残念なのは、ついうっかりシリーズ2巻から読み始めたらしいことだ……。

  • うーん。

    すごく丁寧だし、最後の最後まできちんとつじつまが合っているストーリーはさすが。
    でも途中から、ノンフィクションライターがやる気を失ったあたりからかな?
    なんかこっちまで気分が失速。

    面白かったんだけど、15年前の事件と今の事件、
    少年A、その周りの関係者、ご近所さんと、
    もはやそのあたりから、誰が誰だかわかりにくくなったからかな?

    長いストーリーに登場人物と、
    ちょっとついて行かれなくなった自分が悪いのだろうが、
    この話、最後でいいから正確なネタばらしと人物相関図、必要!

  • 「叙述トリック」にまんまと翻弄されました!
    サイコパスって本当に存在するのかな…いたら恐い…

    2011.11.30

  • 2つの事件の交錯。「ユダ」「ユダの息子」「少年A」そして真犯人は誰なのか。想像しない結末で、面白かった。しかし一気に読まなかったせいかかなりこんがらがった…。この人の作品はキャラクターや場面展開などに魅力がなく、オチまで一気に読ませ、ラストのどんでん返しまでの急転直下の展開が唯一の魅力。できるだけ一気読みしないと途中で話を忘れてしまう。

  • 叙述トリックと言うんですか、とても面白かった。

  • 現在と15年前に起こった事件、少年Aの父からの手紙、ノンフィクション作家と助手それぞれの調査...凝ってるなぁ。
    15年前の犯人は途中で分かってしまうけれど、それに迫っていく過程がいい。

  • ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。埼玉県の久喜市で起きている連続失踪事件を調査するなかで、15年前の同様の事件との関連性が浮かび上がる。月曜日に女が消えること、現場に「ユダ」「ユダの息子」のメモが残されること。犯人はまた「少年A」なのか(amazonより抜粋)

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。埼玉県の久喜市で起きている連続失踪事件を調査するなかで、15年前の同様の事件との関連性が浮かび上がる。月曜日に女が消えること、現場に「ユダ」「ユダの息子」のメモが残されること。犯人はまた「少年A」なのか。

  • 過去の事件と今の事件がシンクロしていく。
    読んでいくうち2つの事件が混ざって混乱します。
    長さの割りにラストがあっさりしてる。

  • 折原一の著作を読んだのは初めてで、まんまと時系列のトリックにはまってしまい、混乱。しかし作者の手の内にはまるのもミステリの醍醐味。ただし後半の犯人の供述があっさりしすぎているのが残念。

  •  埼玉県で連続失踪事件がおきる。そこでは15年前にもにたような失踪事件がおき、ともに少年Aが関与しているとされていた。
     
     少年Aという匿名性が、物語を複雑に、かつ不透明にしていく。
     誰も「信用のできない証人」であるようで、誰を信じるべきかと右往左往しているうちに煙まかれる。

     この煙のまきかたが、やっぱり上手いなぁと思う。
     
     でもって、複雑さったかたまりが、ゆっくり、そして一気にほどけて一本の糸になる様は鮮やかであるとしか言いようがない。
     全てのフラグはあるべきところへ、あるべき形をとって、そこにおさまる。

     それは、不思議な調和に満ちた世界だ。
     狂っているからこその調和。「少年A」はそんな世界にいるのだろう。

  • リピート
    書き手にやられた…って思わされる小説

  • 折原一「失踪者」

    「冤罪者」に続く〇〇シリーズ第二弾。
    またまたノンフィクション作家が主人公。前作より手が込んでいて読み応えがあった。「少年A」を軸にして、面白い構成になっていました。
    この作家の作品は、得体のしれない気持ち悪さがあって、ひやひやする感じがいいです。

    ただ、ややこしくし過ぎたおかげで、逆に犯人が浮かび上がってきちゃった感じ。せっかくのどんでん返しが、途中でわかっちゃったのが残念です。また、最後まで真相を引っ張っておいて、都合良く話を終わらせた感じがして、私としてはちょっと不満が残りました。

  • 納得のどんでん返しです。

全49件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

折原一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×