旅をする木 (文春文庫 ほ 8-1)

著者 : 星野道夫

• 文藝春秋 (1999年3月10日発売)

感想・レビュー・書評

[nomunomu0314さんの感想 · 2020年11月6日]

優しい【Into the Wild】（映画）

[torogai4さんの感想 · 2020年7月2日]

「どれだけ時代が移ろうと、ひとりの人間が抱えこむ出来事は、それほど大きく変わるようには思えない。」星野さんの視点は森羅万象やさしいです。アーミッシュの少女との話は何てことはないものですが個人的にすごく好き。
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[てわさんの感想 · 2024年3月26日]

今までで一番多くフレーズをメモした本。
自分が小さい頃からぼんやり考えていたことが、言語化されていた。こんなことを考えていたのは自分だけではなかったのかと気づいたし、自分では言語化できなかった感覚を言葉にしてくれていた。

[Sho-gunさんの感想 · 2023年7月18日]

不思議な魅力のある本。一気読みするような「面白さ」ではないのに引き込まれ、1ページ1ページを大切に読み進めた。内容は詩のようでもあり、日記のようであり、手紙のようでもあるのだけれど、流れる時間や生きることを考えさせられる。自宅の本を整理する日が来ても、手放したくないなと思える本。アラスカにはこれまで大した関心はなかったけれど、何となく思いを馳せてしまいますね。著者はヒグマに襲われて亡くなったというのを読んでから知ったけど、それすら納得していそうなくらい、自然や命の尊さを理解した人だと感じた。

[Z.Z.・∀・さんの感想 · 2023年6月27日]

表現力が大変素晴らしく、実際に著者が目にした風景、感じた雨風が想像できてしまう。
写真展も見た。あとは実際に自分の足でアラスカに行くだけだ。都会暮らしにすっかり慣れてしまった自分はアラスカの大自然に立った時、何を見て何を感じるのだろうか。今から楽しみである(((o(ﾟ▽ﾟ)o)))

[kikさんの感想 · 2023年6月15日]

見たことのない景色への憧れが、読む度にぐわっと溢れ出す。

人を拒絶するような厳しい自然の中で咲き誇る花を、足元をくすぐる夏草とその風を、土の匂いを、天上を覆う無数の星を、闇の中で氷壁が崩れる音を、かつて日本人が辿ったであろう足跡を、戦争の歴史を、名前を持たずともただそこにある自然を、風景に物語があるということを、そこで暮らす人々の生活の匂いを、深い雪の中でも確かにある命や生の力強さを、ただただ想像する。
そして、最後にはとてつもなく大きな自然に恋焦がれてしまう。

こんなふうに、この本だけが教えてくれる想像の世界がある。
だから何度も読み返したくなる。

今、生きている地点から頭も体もふっと離れて、世界中を軽やかに飛び回るような感覚を体験できるところも好き。
今この時間、アラスカの氷山が崩れて大きな波しぶきが上がっているのかもしれないとか、カリブーが群れを作って山々を移動しているかもしれないとか、遠くの世界にある時間と瞬間に思いを通じ合わせられるような不思議な感覚になる。

この本自体が、まさに「旅をする木」なんだな。
著者が亡くなっても、こうして誰かがこの本を手に取り、アラスカの自然に思いを馳せて、著者が見た景色を想像し、その満ち足りた思いに共感する。
美しくも厳しい自然を目の前にした時の恐れと幸福を私たちが感じ取ることこそ、本文に出てくるトウヒの木のように「旅をする木」をなぞる体験のような気がする。

[joooさんの感想 · 2023年5月18日]

文章が美しい。
今いる世界から私を遠く遠ざけてくれる。
綺麗な空気を吸わせてくれる。
書いている人の優しさを感じる。
今いる世界がどれだけ狭いのか、どれだけ偏っているのかを思い出させてくれる。
世界は広くて、知らない景色が無限にあるのだなぁ。
自然の力って、きっと言葉では表せない強い力なんだなぁ。
ここまで綺麗な文章を久しぶりに読みました。

[えりっくさんの感想 · 2023年5月13日]

"私たちはここまで速く歩き過ぎてしまい、心を置き去りにして来てしまった。心がこの場所に追いつくまで、私たちはしばらくここで待っているのです"

"なぜ人々が過ぎた日々をなつかしみ、死者を存在させつづける信仰をつくったか、今わかります。ひとつの生命が、深く愛し頼りきっていた人が存在しなくなってしまうことを、人の心は許容できない。認めることを拒否するからでしょう"

"…すべての物質は化石であり、その昔は一度きりの昔ではない。風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。風こそは信じがたいほどやわらかい真の化石なのだから…"

[於キヨさんの感想 · 2023年5月6日]

美しい文章、それに尽きる

[nitroさんの感想 · 2023年3月9日]

文章から人柄がすごく伝わってきて、心が浄化されるような本。同じ経験をしてみないと本当のところは理解できないかもしれないが、何度も読み直したい。

著者プロフィール

写真家・探検家

「2021年 『星野道夫 約束の川』 で使われていた紹介文から引用しています。」