蒲生邸事件 (文春文庫 み 17-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549039

感想・レビュー・書評

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  • 大学で歴史を勉強しようと思ったきっかけになった小説。歴史とは何か。その時代を生きるとはどういうことか。

  • だいっっすきな作品

  • 心に残った。最後の最後にジーン。

  • SF、歴史小説、推理小説。

    いろいろとりまぜて、面白い作品。

    やっぱり宮部みゆきはエンターテイメント。

  • 宮部みゆき作品の中で1番好きです。
    本筋ももちろん面白いんだけど、戦前の街とか人々の様子がすごく活き活きと描かれていて・・。
    タイムトラベルものとして、とても優れた作品だと思います。
    最後がすごく良い。切ない。

  • 宮部みゆきのタイムトラベル・ミステリー。226事件勃発で緊張感が走る街。混乱の中、とある陸軍大将邸では奇妙な事件が起きていた……というもの。
    それほど入り組んだトリックというわけではありませんが、歴史の業を扱ったテーマ性に惹かれました。
    過去を見下ろせる立場にいる未来人が、自分の立場にどう向き合い、どう立ち向かおうとするのか。「現在」に生きる意味。細部は変えられても、歴史の流れは変わらない。だからこそ。

  • 昔ハードカバーで読んだんですが、古本屋で文庫本を見つけ買ってしまいました。SFとミステリと淡い恋愛が上手に混ざっています。時間SFの中では「スキップ」と同じくらい好きな作品。「ふき」と会えないラストが切ない。

  • 2.26事件で戒厳令下の帝都・東京に、主人公の受験生・孝史は、時間旅行してしまう・・・。
    これだけで、ワクワクするのだけれど、ワクワク・ファンタジーではなく、その当時の人々の暮らしや感情がていねいに描かれていて、気がつくと、自分もその時代に入ってしまっている・・・ここが宮部みゆきさんのすごいところ。
    2.26事件・・・タイトルと見出ししか知らないことだったけれど、からだごと入っていって、でも、主人公と同じ、自分の無知さにいらだったり、恥じたりしながら、歴史の大きなうねりも学んでいた・・・。これも宮部みゆきさんのすごいところ。
    果たして帰れるのだろうか・・・だんだんハラハラとしながらも、登場人物の一人ひとりに感情移入してしまい、別れがたく・・・。

    そして、感動のラスト・・・この一行のやさしい切なさは、胸いぱいにひろがって・・・いつまでも蒲生邸から心離れない!!
    これは、読むべき作品であった・・・と、贈ってくれた友に感謝!

    • よっすーさん
      タイムトラベルもの、として、カテゴライズされるのでしょうね。でも、どんな時代でも、どんな経験の中でも、人の感情は同じように揺らぎ、やさしさを...
      タイムトラベルもの、として、カテゴライズされるのでしょうね。でも、どんな時代でも、どんな経験の中でも、人の感情は同じように揺らぎ、やさしさを与えあう・・・そこが、この物語のすばらしさかなぁ・・・と思います。起こるべきことは、どう抗っても起こるようになっている・・・そこで、どう考えるか、生きるべきか・・・そこは、読後もずっと胸の中に宿題としてあります(^^)

      2012/07/31
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どう抗っても起こるようになっている」
      そうですよね、同じコトを起こさない反省は必要だけど。。。
      子どもの痛ましい事件で、当事者に反省の色が...
      「どう抗っても起こるようになっている」
      そうですよね、同じコトを起こさない反省は必要だけど。。。
      子どもの痛ましい事件で、当事者に反省の色が無いコトにイラっとしている今日この頃でした←急に卑近な話になってしまいました。
      2012/08/04
    • よっすーさん
      反省のない犯人の姿には、本当に悲しくさせられますね。
      しかし、その人が反省するようになっても、
      また別の事件が起こり、反省しない人間が犯...
      反省のない犯人の姿には、本当に悲しくさせられますね。
      しかし、その人が反省するようになっても、
      また別の事件が起こり、反省しない人間が犯罪を起こしてしまう・・・人間というのは、結局不完全な存在なのだ・・・そういうことなのではないかと考えます。その不完全な存在がいるという認識のもとで、どう希望を失わずに命を大切にして生きるか・・・そんなことまで教えてくれているように思うのです。
      2012/08/09
  • 予備校受験のために泊まったホテル
    偶然出会った暗いオーラをはなつ男

    ホテルが火事になった夜
    火と煙から孝史を救ったのは
    時間旅行者である平田

    孝史が助けられ
    たどり着いた先は
    昭和11年1月26日
    二・二六事件目前の蒲生邸

    過去の時代で時を過ごす

    歴史を知る
    その時代の一部として
    ひとりとして
    存在し軌跡を残す

    そして孝史は自分の居場所を感じる

    時間旅行の力は

    「歴史的な事実は変えられても
     歴史そのものは変えることは出来ない」

    負の能力と考える平田

    ただ時間軸の移動が出来るだけ

    人と出会い
    語り合い
    人を思い
    助け合い
    人の心に残る

    居場所はそこにある
    そう伝えてあげたいと感じる

    ファンタジーのなかに
    生きること
    自分の存在
    居場所
    歴史など
    考えさせられる

  • 推理小説+タイムトラベルSF物といった内容。
    色々なタイムトラベル小説や映画があるけど、タイムトラベルが歴史に与える影響の見方が面白い。
    また、この見方が物語の大きなテーマになっていて、話が進んでいく中で考えさせられたり、切なくなったり…

    主人公の高校生の、礼儀知らずな感じが過ぎるところもあるけど、登場人物それぞれが生き生き動いていて、どんどん話に引き込まれた。

    推理小説+タイムトラベル、というだけではない一冊。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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