大地の子 四 (文春文庫 や 22-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 187
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167556044

感想・レビュー・書評

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  • 振り返ると歴史と呼ばれるものが、どれだけ残酷だったか。たったひとつの単語で語られる史実の裏に、どんな感情が刻み込まれていたか。日本人の作家がこのラストを描くことに意味がある、と思わされた。

  • 後半は中国という国の理不尽さを感じただけだった。
    その中でも頑張っている人がいることも分かるけど。

  • 中国という国はでかくて身動き取れないんだなあ。
    山崎豊子さんの作品は意外と読みやすくて良いと思った。失礼ながら堅い文章を書く人だと思ってました。

  • 全巻を通してみて、残留孤児とは何か、戦争の悲惨さ、中国の慣習や文化などいろんな事が学べた作品であった。『戦争』という同じ過ちを繰り返さないためにも、多くの日本人が知っていなければいけないことなのではないか?
    何事においても『歴史』を知った上でなければ、正しい選択は生まれない。
    本作品に触れられて良かったと思う。

  • 2010/4/14

  • 大作。この小説を書くためにどれだけ大変な目に合ってきたのだろう。と同時にこの時代に中国に生きてきた人たち、中国残留孤児の形と、そして生き別れた日本の家族、私の想像を遥かに超える大変な時代を生きてきたのでしょうね。本より少しでも追体験できてよかった。

  • 『大地の子』の最終巻。これまではあまり動きもなくというのが個人的感想だったが、4巻は違った。陸一心が左遷されたり、陰謀事件が起きたりと動きがあって面白かった。この部分をもっと広げてくれてもよかったのにと思った。
    最後まで読んで陸一心が自分を大地の子だと決意するあたりはよかった。二人の父の想いも心に染みた。でもやはりどちらの祖国も裏切れない気持ちをもう少し出してくれたらうれしかった。
    中身的には『運命の人』に似た感じを受けた。エンタメというよりお勉強のための小説かな。

  • 平成25年7月9日読了。

  • 妹あつ子の死、日本の父との出会いと葛藤、再度の内蒙古送りと、次々と苦難が襲う最終巻。
    それでも負けない一心に本当に頭が下がります。
    そして、ようやく苦節七年の宝華製鉄の完工。高炉初出銑が二国間のわだかまりを押し流す歓喜の情景が胸を打ちます。
    あっという間に残り頁が少なくなりどう終わるのかと思ったところで一心の口から流れる「大地の子…」。
    あれだけ苦しめられた黄土の大地。
    ふと感じる日本人の血と、祖国への思慕。
    それら全てを昇華させた終幕は素晴らしい!!
    続編があればと心から思いました。

  • 【大地の子 4】 山崎豊子さん

    折角探し当てた妹との再開も虚しく、あつ子は死んでしまう。
    一心があつ子の死を看取った時、県の外事科の職員に連れられた
    松本がたずねて来た。松本は中国に残した我が子を探しており
    手がかりを元にこの地にたずねて来たのだった。
    図らずも宝華製鉄の建設で舌戦を交わせている松本と一心が
    実は親子であったことが判明した。実の親に会えた喜びと
    中国共産党党員としての立場に一心は戸惑う。
    親子である事を隠し、お互いの立場で職場に戻る二人であったが
    一心はまたしても、密告者の罠にかかり宝華製鉄の建設プロジェクト
    から外され、僻地へと飛ばされてしまう。
    罠に落ちた一心を助けたのは、かつて大学時代に恋心を育み
    一心が日本人と分かった途端に彼を捨てた青丹だった。
    一心は再び宝華製鉄のプロジェクトへの復帰を認められ、そして
    ついに七年の年月を経て宝華製鉄の高炉に火が入る日が来る。



    最終巻は親子の再開とお互いの立場による葛藤や苦悩。
    そして、最後にはわだかまりも溶けいい終り方でした。
    作者が書きたかったのは「戦争の悲惨さ」と「人間愛」と書かれて
    ましたが、本当に心打たれる本でした。

     

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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