- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167556044
感想・レビュー・書評
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振り返ると歴史と呼ばれるものが、どれだけ残酷だったか。たったひとつの単語で語られる史実の裏に、どんな感情が刻み込まれていたか。日本人の作家がこのラストを描くことに意味がある、と思わされた。
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後半は中国という国の理不尽さを感じただけだった。
その中でも頑張っている人がいることも分かるけど。 -
中国という国はでかくて身動き取れないんだなあ。
山崎豊子さんの作品は意外と読みやすくて良いと思った。失礼ながら堅い文章を書く人だと思ってました。 -
全巻を通してみて、残留孤児とは何か、戦争の悲惨さ、中国の慣習や文化などいろんな事が学べた作品であった。『戦争』という同じ過ちを繰り返さないためにも、多くの日本人が知っていなければいけないことなのではないか?
何事においても『歴史』を知った上でなければ、正しい選択は生まれない。
本作品に触れられて良かったと思う。 -
2010/4/14
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大作。この小説を書くためにどれだけ大変な目に合ってきたのだろう。と同時にこの時代に中国に生きてきた人たち、中国残留孤児の形と、そして生き別れた日本の家族、私の想像を遥かに超える大変な時代を生きてきたのでしょうね。本より少しでも追体験できてよかった。
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『大地の子』の最終巻。これまではあまり動きもなくというのが個人的感想だったが、4巻は違った。陸一心が左遷されたり、陰謀事件が起きたりと動きがあって面白かった。この部分をもっと広げてくれてもよかったのにと思った。
最後まで読んで陸一心が自分を大地の子だと決意するあたりはよかった。二人の父の想いも心に染みた。でもやはりどちらの祖国も裏切れない気持ちをもう少し出してくれたらうれしかった。
中身的には『運命の人』に似た感じを受けた。エンタメというよりお勉強のための小説かな。 -
平成25年7月9日読了。
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妹あつ子の死、日本の父との出会いと葛藤、再度の内蒙古送りと、次々と苦難が襲う最終巻。
それでも負けない一心に本当に頭が下がります。
そして、ようやく苦節七年の宝華製鉄の完工。高炉初出銑が二国間のわだかまりを押し流す歓喜の情景が胸を打ちます。
あっという間に残り頁が少なくなりどう終わるのかと思ったところで一心の口から流れる「大地の子…」。
あれだけ苦しめられた黄土の大地。
ふと感じる日本人の血と、祖国への思慕。
それら全てを昇華させた終幕は素晴らしい!!
続編があればと心から思いました。