大地の子 四 (文春文庫 や 22-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2424
感想 : 187
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167556044

感想・レビュー・書評

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  • 最後までぶっとばしまくりの中国にやられっぱなしなのに、何故か最後には意気投合したみたいになってて、やっぱ日本人だなぁ、と思ったり。主人公は相変わらずうっかりミスやらで酷い目にあったりして、もう何やってるの!って言いたくなるくらいだけど。しかし勢いあった。

  • 山崎豊子さんの作品を読んでみたいと思い、読むならこれだと決めて手に取りました。1巻から圧倒的な文筆力で自分をぐいっと引きつけましたが、内容は辛く眼を背けたくなるものでした。読んでいて辛いな・・と思いながらも、読まないといけない、という何かが自分を突き動かし1巻が終わり、2~4巻と一気に読み終えました。
    本作は戦時中の日本と中国の悲惨な歴史を公平に扱っている印象を受けます。どちらも傷つけ傷つけられ、その中で苦しむのは弱者です。久しぶりに戦争孤児(中国残留孤児)が生まれた経緯に触れました。過去に1~2度聞いたことがありましたが、その後あまり伝えられなくなったと思います。そして本作を通し、日本人が自然と持ってしまっている大きな闇を見たような気がしました。
    日本は過去の過ちに蓋をして多くの人を切り捨ててここまでの発展を遂げました。中国の激しさが目立ってしまいますが、日本も異なる形で残酷な性質を持っています。そのようなことを小説という形で的確に伝えられる山崎豊子さんは本当に世界遺産級の作家だと思います。

  • 最後の最後に泣かされます。
    すがすがしいエンディングでした。

  • 2014.4.23再読
    決して、面白いとかドキドキする小説ではないし、読み進めることが辛いけれど、私たち日本人は知らなくてはいけないこと。中国残留孤児という言葉を聞かなくなったことも問題であり、戦争を決して忘れてはいけない。これは、ノンフィクションなのだ。そして、こんな本を描けるのは山崎豊子さんしかいなかったと思うと、彼女の死去は本当に残念。彼女の著書がこれから先の世代にまで読み続けられることを祈るばかり。私もまた読む。

  • 3/22読了。
    4冊読むのに1年以上。でもこの最後の一冊は早かった。陸一心の周辺はさらに慌ただしく、でもその速さが心地よくて。
    漸く製鉄所が完成。日本の父・松本耕次と和解、家の仏壇に線香を上げる。自分を陥れようとしていた馮長幸の策略に気付き不正を正してくれた馮の妻、元カノ趙丹青との…いやこれはダメだろ、ほんのちょっとでも。妻子思いの一心がこう来るとは。彼女も変な夫と離婚できて再再婚が決まって良かったんだけど。
    それはそうと、妻のことは中国語で愛人ですか。

    私は日本人で製鉄の恩恵も少しは受けてて、読んでいてどうしても日本の製鉄所、日本の父に思い入れすぎてしまう傾向があったと思う。
    ただ中国の父・陸徳志と母・淑琴がいなければこの話はなかった。一心はいなかった。そして妻子はやはり一番可愛い。彼らがいてこその「大地」なのだと。
    長かったけど本当に読み応えのある話だった。

  • 初、山崎豊子。内容は重いのに、ぐいぐいと読める。さすが圧巻。

  • 熱いものがこみ上げる。

  • なんて比類ない作家さんだろう。
    この人の作品を知らずしていろいろ語ってはいけなかったなと思った。
    取材を含め8年に渡る執筆、1000人を超えるインタビュー、労働改造所で囚人と鍬を振るったことも…。
    そうして得た膨大な知識が透けて見えるから、登場人物についての説明がさほど多いわけではなくても、その実在感が凄まじい。
    戦争犠牲孤児としてあまりに過酷な運命を生き抜いた陸一心。
    中国の父への果てしない恩義と日本の父への思慕との間で渦巻く葛藤。
    そして突如 眼前に開けた、全てを飲み下す、中国の圧倒的な大地。
    最後の最後、たった10行あまりの描写で全てを昇華させる説得力。
    好きとか嫌いとかいう問題ではなく、とにかくこの作品に☆5つ以外はつけられないという畏敬の念が湧き上がった。

  • 執筆に八年
    内、現地取材三年
    参考文献 百六冊
    インタビュー 千人以上

    とあとがきを読んで知ると、
    もう何回か読まないといけない
    という気がした…

  • 「大地の子」とはどういう意味なのか思うことがある。私は陸の子でも松本さんの子でもないということなのだろうか
    作中で党が第一であり党の子であるかのように言ったことと丹青が中国を離れたことと関係があるのかなぁと思う
    大陸に憧れ移った過去の血と育ちの地それらの間の子ってことかな
    全てを包んで赦す大陸ってやっぱりすげーわ

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

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