- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167556044
感想・レビュー・書評
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最後までぶっとばしまくりの中国にやられっぱなしなのに、何故か最後には意気投合したみたいになってて、やっぱ日本人だなぁ、と思ったり。主人公は相変わらずうっかりミスやらで酷い目にあったりして、もう何やってるの!って言いたくなるくらいだけど。しかし勢いあった。
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山崎豊子さんの作品を読んでみたいと思い、読むならこれだと決めて手に取りました。1巻から圧倒的な文筆力で自分をぐいっと引きつけましたが、内容は辛く眼を背けたくなるものでした。読んでいて辛いな・・と思いながらも、読まないといけない、という何かが自分を突き動かし1巻が終わり、2~4巻と一気に読み終えました。
本作は戦時中の日本と中国の悲惨な歴史を公平に扱っている印象を受けます。どちらも傷つけ傷つけられ、その中で苦しむのは弱者です。久しぶりに戦争孤児(中国残留孤児)が生まれた経緯に触れました。過去に1~2度聞いたことがありましたが、その後あまり伝えられなくなったと思います。そして本作を通し、日本人が自然と持ってしまっている大きな闇を見たような気がしました。
日本は過去の過ちに蓋をして多くの人を切り捨ててここまでの発展を遂げました。中国の激しさが目立ってしまいますが、日本も異なる形で残酷な性質を持っています。そのようなことを小説という形で的確に伝えられる山崎豊子さんは本当に世界遺産級の作家だと思います。 -
2014.4.23再読
決して、面白いとかドキドキする小説ではないし、読み進めることが辛いけれど、私たち日本人は知らなくてはいけないこと。中国残留孤児という言葉を聞かなくなったことも問題であり、戦争を決して忘れてはいけない。これは、ノンフィクションなのだ。そして、こんな本を描けるのは山崎豊子さんしかいなかったと思うと、彼女の死去は本当に残念。彼女の著書がこれから先の世代にまで読み続けられることを祈るばかり。私もまた読む。 -
初、山崎豊子。内容は重いのに、ぐいぐいと読める。さすが圧巻。
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なんて比類ない作家さんだろう。
この人の作品を知らずしていろいろ語ってはいけなかったなと思った。
取材を含め8年に渡る執筆、1000人を超えるインタビュー、労働改造所で囚人と鍬を振るったことも…。
そうして得た膨大な知識が透けて見えるから、登場人物についての説明がさほど多いわけではなくても、その実在感が凄まじい。
戦争犠牲孤児としてあまりに過酷な運命を生き抜いた陸一心。
中国の父への果てしない恩義と日本の父への思慕との間で渦巻く葛藤。
そして突如 眼前に開けた、全てを飲み下す、中国の圧倒的な大地。
最後の最後、たった10行あまりの描写で全てを昇華させる説得力。
好きとか嫌いとかいう問題ではなく、とにかくこの作品に☆5つ以外はつけられないという畏敬の念が湧き上がった。 -
執筆に八年
内、現地取材三年
参考文献 百六冊
インタビュー 千人以上
とあとがきを読んで知ると、
もう何回か読まないといけない
という気がした… -
「大地の子」とはどういう意味なのか思うことがある。私は陸の子でも松本さんの子でもないということなのだろうか
作中で党が第一であり党の子であるかのように言ったことと丹青が中国を離れたことと関係があるのかなぁと思う
大陸に憧れ移った過去の血と育ちの地それらの間の子ってことかな
全てを包んで赦す大陸ってやっぱりすげーわ