- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167570026
感想・レビュー・書評
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林望先生のエッセイ。イギリス留学のなかで出会った人びとを通して、軽妙かつ語彙あふれる語り口で、時にほんわかと、時に手厳しいい物言いで、食材や料理を語る。旅行記のようで、文化論のようでもあり、大変たのしく読めるのだ。イギリス料理のまずさの原因を怜悧に分析、見たことも聞いたこともない姿かたちの料理をわずかな誤解もなきように正確に語らんとする一生懸命さがくすっと笑いを誘う。
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美味しくない。
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あまりに流行っていると読む気をなくすたちなので、長いこと気にしながら放っておいたのだか、面白かった。
日本の名家の出身で、知性も教養もある、性格も穏やかなお坊っちゃまがそのまま大人になったような著者だからこそ、英国のアッパーミドルクラスに違和感なく溶け込み、友情も育めたのだろう。これは妬んで言っているのではなく、羨んで言うのである。卑屈な貧乏人の子どもなら、こんなに伸び伸びとは楽しめないだろう。どこかに必ずあるダークサイドを探しだしてしまう。そういうものも面白いが、これはこれで上品でとてもいい。 文章もなんというか「書生風」である。
発表時にくらべるとイギリスの習慣も随分知られるようになった(著者の功績もあっただろう)し、また久々にイギリスもの書いてもいいんじゃないかと思う、リンボウ先生。
まあ、こういう上流の人だけを書いて納得してもらえるかはわからないが。 -
タイトルは知っていたのですが、なかなか読む機会がなく、あるとき、ふと思い立って、読み始めた本です。
イギリス大好きな著者による、イギリス料理の魅力を語ったエッセイ。冒頭で語られる “まずい料理” も含め、本場のイギリス料理を食べたくなりました♪ -
2016年3月25日、読了。
筆力が真にあらわれるのは、むしろどこにでもある、平凡なテーマのときである、と知人のライターが言っていた。
その意味において、イギリスの料理が旨いかどうか、など、ふだん暮らす私たちにとってはどうでもいいことこのうえない。その限りなくどうでもよい話を、一冊おもしろく読ませてみせる、というのは、まさに筆致によるものだろう。端々で描写される料理の味わい、それには旨いものも、不味いものもある、や、イギリスの古式ある豊かな風景、そして彼の地で筆者が出逢った人々の暖かい心づかいが、生き生きと伝わってくる。読みながら、そこに刻まれた風味と歯触りとを、舌のうえで何度、空想しただろうか。そのたび、腔内には未だ知らないイギリスの味わいが満ち、腹は減り、今夜はちょっと洋風の何かでも食べてやろうかという心持ちになるのである。 -
16.jan.9
トイアンナさんのブログの、イギリス留学の記事で紹介されていた本。
タイトルは「おいしい」だけど、おいしい料理の紹介だけではない。
イギリスで出てくる料理の特徴をイギリス愛あふれる文章で紹介してくれる。
食べ物には期待できないけど、いつかイギリスにも行ってみたいと思えた。 -
ずっと前に読んで、再読。
スコーンのレシピを確認したい。 -
イギリスは料理が美味しくない、とずっと以前言われていた理由は何となく分かる。茹で過ぎでグタグタの備え付けの野菜やら、大味だったりとか。でもそう言われていた時代でも作者のイギリスでの料理への愛情が伝わって来て、読んでいて楽しかった。
イギリス行きたい。 -
イギリスに行く前に買った
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イギリスの料理は不味い、そんな話をよく聞きます。
確かに、お茶の話はよく聞きますが、、
いわゆる“名物料理”というものはあまり印象にありません。
こちらは、そんなイギリスの“食文化”についてエッセイになります。
著者の林さんも、食べ物自体の味は適当で濃やかさはなく、
安定もせずに、お世辞に美味しいとは言えないと一刀両断。
それでも、イギリス人が“食事”に対していい加減なわけではなく、
その行為には、人並み以上に愛着を持っているとしています。
食卓の雰囲気、お酒の飲み方、ケンブリッジでの食事の風景、
その背景となる文化を踏まえれば、なるほどなぁ、、と。
個人的には“ティータイム”を一度、体験してみたく、、
スコン、食べてみたいですね~