- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167586010
感想・レビュー・書評
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2009年6月8日読了。
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北村薫氏には珍しいタイプの短編集。いつものミステリのテイストやひりひりするような毒はないが、ミステリアスな雰囲気の短編は人と人とのいろんな形の愛、愛情、繋がりを描いていて魅力的だ。出会ったことのない人との電話を通じて特別な感情が生まれる「恋愛小説」、同僚の男性に対する恋心に自分で蓋をするOLの切なさを描いた「植物採集」、二夫一妻制の日本のある家庭の風景「矢が三つ」などが特に印象的。だが自分の好みからはちょっとずれていて、正直ほかの北村作品ほど楽しめなかった。安易なわかりやすさを求める頭の弱い自分にはこれらの短編の底に秘められたメッセージを読み取ることができなかっただけかもしれないけれど。著名な作家陣による各短編ごとの解説という豪華なおまけが巻末についている。
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読みやすく不思議な短編集。
雨の日の夕方とかに読みたくなる本。 -
不思議な、そしてちょっと皮肉っぽい作品も含めた短篇集です。
01.恋愛小説
02.水に眠る
03.植物採集
04.くらげ
05.かとりせんこうはなび
06.矢が三つ
07.はるか
08.弟
09.ものがたり
10.かすかに痛い
【『水に眠る』について】
主人公と「西田さん」がどうにもならなかったことも、
西田さんが大学時代に一緒にシャンディ・ガフを作った
女の子とも何も無かったことも、嬉しいようでちょっぴり
淋しい感じがしました。
私の心がそういうものを求めているのかしら。うーむ。
函館への辞令にこめられた意味は何だったのでしょう。
是非、あの水割りを飲んでみたいものです。
マスターに許しを得られれば、の話ですが。 -
「天上に東京都くらいの金平糖の袋があり、それを誰かが破いたとしたら、こんなことになるのだろう。」
静かで不思議で哀しい話。「恋愛小説」「水に眠る」が好きだった。
「かすかに痛い」はチクリときた。同じようなことを考えたことがある。
彼氏の態度が非常に不愉快だった。
作者の発想が面白い。
水の膜、一妻二夫制、個人用エアコン、蚊が人の代わりに蠅を刺す。
水に包まれてるような気分になる作品だった。
解説が豪華。手元に置きたい本だと思った。
とにかく「かすかに痛い」にやられた。チクチクする。 -
読んだ気がする最近(2009年5月現在)
なんかあったかい
ステキなお話だったよ -
単行本で読みました。
不思議な雰囲気の漂う、短編集でした。 -
まあまあ。の、北村薫の短編。
悪くないですが、心に残るというわけでもなく。 -
別に特に絶賛するストーリーではないけど、とりわけ美人ではないけど、ずば抜けて頭が良くて話が面白いわけではないけど、とりたてて美味しいラーメンではないけど、愛を感じてしまうことがある。表題にもなっている「水に眠る」は好きである。しんみりした時についつい読み直してします。好きなんです。
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短編集。長さだけがものがたりではないけれども、話が輪郭をを帯びて立ち上がった途端に結末へ向かうと「つれないなあ」と思ってしまう。書評でもなんでもないな、これじゃ。