増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫) (文春文庫 フ 1-4)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167651336

感想・レビュー・書評

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  • オランダのアムステルダム(アンネの隠れ家がある)に行ったので。
    今回読んだのは増補版で、ほぼ完全版のよう。小学生の頃に読んだものは色々な事情で半分以上カットされていたことがよくわかった。

    アンネの文章力と自己分析力は卓越しているけど、それ以外はごく普通の女の子。だからこそ、こういう状況下での彼女の生活や思いが書き綴られているこの日記は、価値があるんだろう。この日記から学ぶことはたくさんあったので、読んでよかったと思う。

  • おそらく世界で1番有名な個人のかつ、一般の人の日記。
    14歳前後の多感な時期の悶々とした気持ちが真っ直ぐに描かれている。
    壮絶な最後は当たり前だが描かれておらず、このような罪のない人と巻き込まれた時代だったことがよりよくわかる。
    アウシュビッツを訪れたり、アムステルダムを訪れたりした中でようやく読み終えることが出来た。

  • 物語を読んでるみたいだった
    政治や恋愛、親への批判がリアルだった
    想像できない状況なのに書き続けてすごい

  • 悲劇の日記ではない。アンネ自身は等身大の14歳の女の子。隠れ家だけれどそこでの生活は彼女たちにとったら日常生活。喧嘩も笑いも恋も思春期の葛藤も当たり前にある。もう少しだったのに、希望が見えてきたところだったのに。なぜアンネたちが、ユダヤ人が迫害されなくてはならなかったのか、なんでこんなおかしなことがまかり通っていたのか。ずっと心を占めるのはこのこと。人間が人間に生きることを脅かされるなんて。

  • COTEN RADIOでシンドラー編を聴いて、シンドラーのリストを観賞し、その感想を呟いたところ、相互フォロワーさんから中学生時代にアンネの日記とシンドラーのリストのWパンチを喰らったというお話を伺い、そう言えば有名な作品なのに読んでなかったことを思い出した。

    1942年初夏から1944年の夏までユダヤ人家族の3世帯8名が、ドイツの占領下にあったオランダの隠れ家で過ごしていたその記録と、アンネ・フランクが隠れ家で記した童話が数編。

    キティと名付けられた日記には、隠れ家生活での物理的な息苦しさ、不便さ、また、それだからこそ起こる人間関係の衝突、人々の戦況に対する不安や希望、日々切迫する食糧への焦り、自然への渇望などを背景に、13歳から15歳までの多感な時期に考えるであろうさまざまなことが赤裸々につづられている。
    特に母親との軋轢、父親に対する気持ち、自分自身についての考察は興味深く、また、若い彼女が思い描く未来への期待については、彼女の行く末を知っている読者にとって、何ともやりきれない気持ちでいっぱいになった。

    日記、だもんな。
    どんなノンフィクションよりも(翻訳ではあるが)現実感が濃く、さながらSNSで見知った誰かの日常を垣間見ているような気分になる。

    ところがこの覗き見は、ページを繰るごとに破滅に向かっているのを知っているので、彼女の内的成長を感じたり親近感を覚えれば覚えるほど、精神的に読むのがしんどくなるのだ。

    日記は自身の内省を綴る1944年の8月1日でパタリ止まっているのだが、1人生き残った彼女の父がこれを渡され、読み終えた時の気持ち…
    どれだけ悲しかったか、苦しかったか、切なかっただろうか…、
    想像しても計り知れない。

    日記の後は彼女のその後の運命が語られ、その後に彼女が作った数編の童話が収められているのだが、これも彼女たちの隠れ家生活を読んだだけの者にとってさえ胸に迫る内容だった。

    この日記を出版しようとしたアンネの父の行動自体にも感じたことなのだが、夜と霧を読んだ時とはまた違う感覚で、絶望の中でもがく人の「善性」に思いを馳せる。
    平和な時代、平和な土地で特になんの不自由もなく机上で考える、人間の善性など、どの程度の解像度なのか知れたものではないのだけれど、夜と霧であれ、シンドラーのリストであれ、アンネの日記であれ、混乱の世界情勢を人の善性から読み解こうとする何かしらのフックは自分の中にできたような気がする。

    遅くなったけど、読んで良かった。

  • 感性、語彙、表現、リズム、着眼点 どれも高いレベルで知性とセンスに溢れた若く瑞々しい文章。
    戦争というだけで全ての人がしなくていい苦労を強いられるのに、さらに民族虐殺を恐れて身を隠さなければならない中、彼女が日記の中で放つ青春の光は小さく弱くも眩い。
    1944-5-3の日記で「戦争は市民一人一人に責任があり、破壊は人間の本能。人間が心を入れ替えるまで築き上げてきたものを全て壊しまた一からやり直す行為は続く」旨のくだりがあるが15歳にもならない少女の絶望が重暗い。
    父親を悲しませた手紙に反省するところや、英国のオランダ上陸を待ち侘びる世論に対する冷静な指摘、女性の地位向上に関してはフロイトと似た見解。日記の最後は彼女の成長と生まれ持った聡明さしなやかな強さが加速度を増す。
    結末が収容所での残酷な死亡と分かっているだけに日記から放たれる機知やジョークからもずっと死の臭いがする。連合軍上陸やヒットラー殺害計画に希望を見出すところで日記が突然終わるのも辛い。

  • 戦争のことがたくさん書いてあるのかと思っていたが、そうではなかった。

    ズバリ、潜伏日記。

    最も意外だったことは、食料不足の状況でも、きちんとお互いにお誕生日を祝い、プレゼントを送り合うこと。

    潜伏生活にも関わらず、本を読んだり、通信教育を受けたり非常に勉強熱心。

    思春期を閉ざされた空間で、常に怯えながら何年も生活し続けているのに、前を向いて未来をみている。

    戦争が続いても、辛いことが増えていくだけなのに‥今の世界によく似てる。

  • 「アウシュビッツの図書館』からこの本にたどり着いた。力強い少女たちが同じ収容所で自分と、世界と戦いその思いや生き方に触れることができるのは本当に本の素晴らしいところだと思う。
    2人には、勇気というもののほんとうの意味を感じ
    じぶんに向き合うこと。いつどんな時でさえ諦めない、人を思いやる気持ち、ネガティブな自分がいたとしてもそれを認め前に進もうともがき苦しむ姿がとても綺麗でした。本当に随所随所ではアンネの表現にくすっとくるところもあり、あの時代生きた少女が作り上げたもの思考言葉に、今のわたしが触れることができて本当に幸せだと感じた。

  • 普通の女の子
    言いたいことは我慢できなかったり、人のことを見て悪口を言ったり少し反省したり
    恋もしてみたかったり
    何十年も前の話で、アンネが美化されて認識されてたりするけど、いたって普通で今でもいそうな女の子
    そんな女の子が、酷い目にあったんだという事実は胸が痛むし、そのことを知った上で読んでいるのはつらかったけど
    つらい死を迎える前のつらい生活だとみなされるような期間にもちゃんとときめきや楽しみを見出していて、すごく生きる力を感じた。

    生き抜く力。
    死んでからも生き続けることが夢だと言っていたけど、大きく変わった現代でも大切だとされてる生き続ける力強さを、アンネは考え抜いた上で身につけていたし、その姿から学ぶことはたくさんあった。幸せな今を生きる私が、くよくよなんて言ってたらいけないなと思った。ちゃんと前を向いて図太く生き抜かないと。

  • 人生のバイブルです。

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