その日のまえに (文春文庫 し 38-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669072

感想・レビュー・書評

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  • 小さい時に読んだ記憶があって、大人になってからもう一回読み返した。
    前読んだ時は、涙で前が見えなくなりそうだったのに、今回は涙は流れなかった。

    もっと、違う感情が生まれた。感動とか、そういう言葉で片付けたくない、重い、思いが、心に生まれたような気がした。

    人は何で死ぬんだろう。本当に、理由がわからない。まだ20年そこらしか生きてない僕ですら、周りの人の死に何度も立ち会ってきた。でも、死んでよかった人なんて一人もいない。悲しみは、年を追うごとに増していく気がする。
    けど、そこから逃げちゃいけないんだなと、抱えて、考え続けないといけないんだなと、そう思わせてくれました。

    また読めてよかった。周りにいる人たちを本当の意味で大事にして、これからを生きていきます。

  • ずいぶん前から姉に読んでほしいと薦められていた本当でした。タイトルからして、いやまず重松清さんからして、もう絶対泣いちゃう本じゃんと通勤時間に本を読む派の私はこの本を読むことを避け続けてきました。そんな中、現代で珍しくない「在宅勤務」を機についに『その日の前に』読破致しました。
    一言で言うと「泣いた」です。
    そして、自分がこの物語の人達と同じ立場だったらどうするんだろう。と考えました。
    立場って言ったって何処だって話ですが、亡くなってしまう側だったなら、見送る側だったなら、またそんな経験をした人の友人とか。生きていればどこかの立場になり得る日が必ずきます。「その日」はいつになるのか、そして自分はどうするのか。その時になってみなければもちろん分かりませんが、そういうことを考えてみるのも大切かもしれないなと思いました。

    私が一番残っている言葉は「神様よりも人間のほうが、ずっと優しい。」です。

  • 年齢を重ねて、今が永遠に続かないこと、いつか必ずやってくる『その日』が誰にでも来ることをひしひしと感じている今、胸にささる話しだった。
    後半からは涙がとまらず、誰も居ない家で一人で読んでいてよかったと思った。

  • ぼろぼろ泣いた
    とてもよかった

  • 市井の人々が一番身近で終わらないと思ってる日に踏ん切りをつける。突然なようで徐々に進む時間にある喜び悲しみ、残された人たちが前を向いて進まないとと背中を押される心理が巧みで、希望と感謝に満ちているところがまた素晴らしい。

  • 死をテーマにした作品で、「その日」が間近に迫った家族や友人の物語でした。
    涙なしでは読み進められませんでした。
    生きてることはなんと尊いことなのか。
    コロナ禍である今、出逢えて本当に良かった作品でした。

  • 今日は最愛の祖父の月命日。
    私の祖父も「その日」が待っていて、今ではあの日になっている。最高のタイミングでこの作品に出会えたことに感謝したい。こんなに泣いたのは久しぶりで、こんなに自分の表せなかった思いを表現した作品にこれから出会えないと思う。

  • 生きることと死ぬことについて考えさせられる。あっけなく亡くなる人もいればゆっくりとその日に向かう人もいる。いろんな亡くなり方があってその人に対する周りの向き合い方もそれぞれで、同じ死などなかった。結局は自分自身が迷いながら向き合っていくしかないのかなぁ。

  • 連作短編集とあって、どこが連作?と思っていたけど、連作の仕方がにくい!素晴らしい☆

  • 短編集なのでそれぞれのその日のためのストーリーだなーなんて思いながら序盤は読んでいたのですが,最後にぐっとそれが凝縮されていて,現実にその日?というものを想像して生活したくなっていきます。
    今を生きるということをとてもせつに感じる素晴らしい作品だと思います。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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