損料屋喜八郎始末控え (文春文庫 や 29-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167670016

感想・レビュー・書評

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  • 山本周五郎、藤沢周平に続く凛とした時代小説の作家だと思う。

    「万両駕籠」「騙り御前」「いわし祝言」「吹かずとも」

    と連作長編。

    江戸時代にはいろいろな職業があった。損料屋とは庶民に鍋釜ふとんをわずかなお金で貸すなりわい。侍だった喜八郎の仮の姿、転職組み。このキャラクター、ストイック。紺木綿の薄着で素足、背筋が通っている。目に力、かすれ声、若い。

    その喜八郎が奉行所を辞めて損料屋になるについてのいきさつからこ憎い面白さ。役人の保身はいつの時代でもあるのだなー。ってあたりまえかな。

    田沼時代のバブル崩壊後、札差という金貸し業が上に取り入り陰であくどくかせぎ、のさばるのを彼がある方法で、あくまでも冷静に底深く抵抗しくいとどめる。それが痛快である、あこがれるのである。

    また全編、風雪雨季節のかおりがただよっている。それがうるさくないほどに。

    江戸時代の経済のしくみが分かるし、お金にまつわるバブル後の現代に通じる話になっている。剣劇はことさらない、浮いた話もないが文章がうまくて、構成が凝っていてなかなか面白い。

    山本一力 1948年生まれ。「あかね空」で126回直木賞。

    うーむ、はまるかもしれない。

  • 挫折

  • 2010.12.17(金)

    2018.7.2(月)¥180(-2割引き)+税。重複購入
    2018.7.25(水)。

  • 借りは返す

  • 2019/03/19読み始め
    2012/03/23読了

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、刀を捨てた喜八郎。庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつし、与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る札差たちと渡り合う。田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる息詰まる頭脳戦。時代小説に新風を吹き込んだデビュー作。

  • 初版本

  • 2007/11/10読了

  • 損料屋そのものはどうでもいいような?

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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